照明設計解析ソフトウェア「LightTools」 最新バージョン9.1 販売開始のお知らせ
3次元CADとの連携強化で、機械設計者による光学設計もさらに手軽に!自動運転に欠かせないLiDAR※1や、AR/VRデバイス開発を効率化する機能も追加されました。
2021年01月21日
PDF版はこちらサイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、主要取引先であるSynopsys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「シノプシス社」)が開発し、サイバネットが販売・サポートする照明設計解析ソフトウェア「LightTools(ライトツールズ)」の最新バージョン「LightTools 9.1」の提供を2021年1月21日から開始することをお知らせします。
LightToolsは、LED照明や液晶ディスプレイ用バックライト、LiDARを含む赤外線を用いたセンサー光学系、プロジェクター、自動車の室内照明やデイタイム・ランニング・ランプなどいわゆる照明光学系※2の設計・解析を行うソフトウェアです。試作前の設計支援、試作後の詳細解析、実機との比較検証など、幅広い用途で利用され、高い精度が要求される光学製品の設計コストや納期の短縮を実現します。
LightTools 9.1では、光学系と機械系を連携させた設計/解析をより効率的に実現できるよう、3次元CADソフトウェアSOLIDWORKS®※3との連携機能が大幅に強化されています。また、近年自動運転で注目を集めているLiDARや、AR/VRデバイスの解析をより高精度化・効率化する機能が追加されたほか、分散シミュレーション機能の強化により、大幅な計算時間の短縮が可能になりました。
LightTools 9.1で追加・強化された機能
機械設計者にもさらに使いやすく!3次元CADソフトウェアSOLIDWORKSとの連携機能の強化
多くの設計者に利用されている3次元CADソフトウェア、SOLIDWORKSとの連携機能「SOLIDWORKSリンクモジュール」がさらに使いやすくなりました。
光学設計で必要となる物体表面の光学特性※4を、SOLIDWORKS内で割り当てることが可能になりました。これから光学設計に取り組む機械設計者でも、使い慣れたCAD上で簡単に設定することができます。また、SOLIDWORKSで設定されたコンフィギュレーション※5をLightToolsでも利用できるようになり、複数ケースの解析が簡単に実施可能になりました。
こうした連携機能の強化により、設計者の作業負担を減らせるだけでなく、光学部門-機械設計部門間で発生するデータ授受や仕様調整に要する工数を削減し、開発スピードを向上させることができます。
センシングデバイスの解析やレーザー光学系デバイスのモデリングがより手軽に! LiDAR、AR/VRデバイスの解析をサポートする機能の追加
- 近年注目されているLiDARなどの測距デバイスでは、一般的にToF※6という測距方式を用いて対象物までの距離(片道分の光路長)を取得しています。新機能「光路長メッシュ」を使うことで光路長を手軽に算出できることから、これまで難しかったセンシングデバイスの検知可能距離や光の伝搬時間の詳細なシミュレーションが可能になりました。
- ガウス※7およびスーパーガウスの強度分布を持つ光源をモデリング可能になり、レーザー光源を用いたセンシングデバイスの設計がさらに効率よく行えるようになりました。
- バージョン9.0の複屈折※8機能は一軸性材質のみのサポートでしたが、本バージョンから二軸性材質もサポート対象となりました。これにより、偏光※9と分散による効果が重要視されるような複屈折材料(雲母やトパーズなど)もモデリング可能となり、AR/VRデバイスなど、偏光素子を利用したデバイスの解析精度のさらなる向上が実現します。
分散シミュレーション機能の強化による計算速度の向上
分散シミュレーションモジュール(DSIMモジュール)で複数のコンピュータに計算を分散させることで、光線追跡シミュレーションの計算速度を大幅に向上できます。今回のバージョンから順方向だけでなく逆方向シミュレーション※10にも対応し、計算時間が長くなりがちな輝度解析や迷光※11解析でも時間短縮が可能になりました。
シノプシス社のコメント:
Stuart David, vice president of engineering in Synopsys' Optical Solutions Group
LightToolsの機能強化により、エンジニアは複雑な設計課題の解決に集中することができ、革新的な光学システムをより早く市場に投入できるようになります。光学設計に取り組むSOLIDWORKSユーザーは光学性能の評価工数をさらに削減でき、またLiDARシステムを開発するエンジニアは、光の飛行時間解析をより簡単に行うことができます。また充実した偏光解析機能は、AR/VR、ディスプレイ、医療機器などの高度なアプリケーション開発に有用です。
LightTools 9.1の詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/lighttools/product/release/v91.html
注釈
※1:LiDAR:「Light Detection and Ranging」の略で、照射したレーザー光が物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間から、物体までの距離や方向を測定する光センサー技術。複数の対象物を識別する能力が高く、自動運転の開発に広く活用されている。
※2:照明光学系:反射や屈折といった光線の性質を利用して、対象物を照らす器具や装置の総称。
※3:SOLIDWORKS:Dassault Systemes SOLIDWORKS Corporationが提供する3次元CADソフトウェア。
※4:光学特性:物体の各表面が持つ、光とその面がどのように相互作用するかを決定する特性。LightToolsでのシミュレーションのために必要な項目の一つ。
※5:コンフィギュレーション:1つのモデル内に、複数の異なる形状を登録できる機能。
※6:ToF:Time of Flightの略称。LiDARで一般的に使われる距離計測の方式の1つ。光源から対象物にレーザー光を照射し、その散乱や反射光が戻ってくるまでの時間をもとに、光路長(光が進んだ距離)を測定する。
※7:ガウス:ガウス関数のことを指す。関数の一種で、分布は釣鐘型を示す。
※8:複屈折:ある面に光が入射した時、屈折する方向が2方向に分かれる現象。複屈折材料は、結晶構造によって石英や方解石などの一軸性材料と、雲母やトパーズなどの二軸性材料に分けられる。
※9:偏光:ある一方向のみに振動する光。複屈折は、偏光方向によって屈折率が異なることにより発生する現象である。
※10:逆方向シミュレーション:通常の光線追跡(順方向シミュレーション)の向きとは逆で、評価位置から光源に向かって光線追跡を行 う手法。輝度解析時などのシミュレーション時間短縮を目的として利用される。
※11:迷光:光学機器の鏡筒の寧面やレンズの縁などで発生する、不必要な光のこと。カメラでは、意図通りの撮影を妨げる原因となる。
シノプシス社について
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供しています。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっています。
シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供しています。
シノプシス社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.synopsys.com/ja-jp
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT資産管理ツールやIT運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
ブランドメッセージは「つくる情熱を、支える情熱」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様に、「まずはサイバネットに聞いてみよう」と思っていただける企業を目指しています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社
- 内容について
- CAE事業本部 営業統括部/栗山
E-MAIL:opt-info@cybernet.co.jp - 報道の方は
- コーポレートマーケティング部/宮崎
E-MAIL:prdreq@cybernet.co.jp - 投資家の方は
- IR室/目黒
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