株式会社図書館流通センター(TRC)さま TRCが運営する全国の公共図書館に置かれた約1,600台のPCのセキュリティをクラウドで一元管理

サーバー設置が不要の、クラウド型IT資産管理サービスを採用

TRC がIT資産管理ツール選定の中で真っ先に掲げた要件はクラウドサービスであることだった。サポート事業推進室はユーザー部門であり、情報システム部門と違って独力で管理サーバーを設置して管理するのは困難だった。奥田氏は3つのツールを選定候補に挙げて検討したが、早い段階でサイバネットシステム株式会社(以下、サイバネット)が提供・販売するクラウド型IT資産管理&セキュリティ対策「PC&モバイル管理サービス」に絞りこんだ。

<クラウドなので管理サーバー設置が不要>

導入検討段階では、奥田氏は無料評価版を利用して実証実験を行った。全国のTRCが受託運営する図書館に勤務する現場スタッフから希望者を募り、さまざまな環境のPCを抽出して使い勝手を試してみたのだ。そこでのチェックポイントは、「現場スタッフにどのような作業が発生するか」「PCの性能が落ちないか」「通信回線帯域が細くても機能するか」の3点だった。奥田氏は次のように語る。

「実験の結果、現場スタッフはほぼ何もしなくていいということがわかりました。また、業務用PCの通信回線環境は拠点によりさまざまで、光回線で接続しているものあれば、普段はオフラインで必要に応じてモバイル通信端末でネットワーク接続しているものもあります。利用している通信回線でも支障なく使えるか、現場スタッフから『PCが重くなった』という声が出ないかと少し懸念しましたが、まったく問題ありませんでした。それによりPC&モバイル管理サービスの採用を決断したのです」

無事評価も完了し、2019年6月現在、エージェントは約1,000台に導入されており、残りの600台についても2019年末までには導入が完了する見込みである。「PC&モバイル管理サービス」のエージェントは、Windows 10 PCに入れ替えるタイミングで、あらかじめインストールして配布した。ただ、1,600台のうち400台はすでにWindows 10 PCに入れ替わっていたため、これらについてはエージェントを別途配布し、現場スタッフの手でインストールしてもらったという。

PC&モバイル管理サービスの導入効果

PC&モバイル管理サービスには、毎日自動更新される「セキュリティ辞書」と実際の状況を突き合わせて、対象PCのセキュリティパッチの適用状況、ウイルス対策ソフトウェアのパターンファイル更新、禁止ソフトウェアのインストール状況などから、PCのセキュリティレベルを日次で診断する機能がある。奥田氏は毎日朝出勤すると、PC&モバイル管理サービスの管理画面にログインし、セキュリティレベル診断画面のダッシュボードや警告をチェックする。

また「パターンファイルを更新しておらず、しかも期限が切れているPC」などと検索をかけ、絞りこんでセキュリティレベルを確認。必要であれば、対処のため現場スタッフに連絡する。

<PCのセキュリティレベルを日次で診断が可能>
※当管理画面はサンプルです。

「管理対象PCが1,000台以上あるため、検索対象をアラート内容などで絞りこめるというのは助かっています。そのおかげでこれだけ台数があるにも関わらず、出社直後に10分程度の作業でPCのセキュリティ状態の把握ができ、他の業務に取りかかれます」と奥田氏は満足そうに語る。

また、禁止ソフトウェアの把握で、“情報漏えいにつながるソフトウェア”の存在がわかったことも大きな成果だ。昨今は、インターネット閲覧により、ユーザーの知らない間にこっそり入ってしまう性質の悪いソフトウェアが出現している。それらをピンポイントでつかみ、現場スタッフに削除を指示できるようになった。

ディストリビューターである大興電子通信株式会社 インフラビジネス本部 セキュリティ営業部 営業課 マネージャー 原義照氏は次のように語る。

「TRCさまのケースは、業務用PCが設置されている環境に必ずしも回線状況が整っているというわけではなかったため、クラウドでの仕組み実現が重要でした。その中でPC&モバイル管理サービスは、管理のしやすさが評価されて採用されたと思います」

今後の展望

林氏は今回の取り組みをこう評価する。

「スマートかつコンパクトにPC管理を行える体制を整えることができました。しかも、現場スタッフは、ほとんどこのサービスの存在を意識することなく仕事ができており、アラートが出たときにチェックするぐらいなので業務の効率も落としていません。このサービスによって、今後のPC増設においても、少数精鋭での管理体制は維持しながら高いセキュリティレベルを保って運用し続けられる自信を得ました」

日本全国に広がる、回線状況も多様な1,000台超のPC。そのセキュリティをサポート事業推進室が2名で維持し続けられる陰には、クラウドでPC上の情報を網羅的に収集可能なPC&モバイル管理サービスの存在があった。

(取材日:2019年6月)

株式会社図書館流通センター:https://www.trc.co.jp/

[取材対応いただいた方々]
株式会社図書館流通センター サポート事業推進室 室長 林正樹氏
株式会社図書館流通センター サポート事業推進室 副室長 奥田毅氏
大興電子通信株式会社 インフラビジネス本部 セキュリティ営業部 営業課 マネージャー 原義照氏