ニラックスの事業概要
たっぷりの新鮮野菜と安心安全な牛肉・豚肉のしゃぶしゃぶ食べ放題が人気の「しゃぶ葉」やイタリアンバイキング「パパゲーノ」などの外食チェーンを全国展開しているすかいらーくグループのニラックス株式会社(以下、ニラックス)。1987年に大型施設内に多目的レストランを開発する目的で設立され、1989年に幕張メッセ内に多目的レストランを出店したことを皮切りに、社員食堂事業や和食・居酒屋事業などの事業を拡大していった。
2000年以降は、大店立地法施行による大型ショッピングセンターの出店ラッシュという追い風を受け、ブッフェ事業やフードコート事業で急速な成長を遂げており、2013年6月30日時点で143店舗を構えている。最近では、facebookページや店頭で見ることができるブランドキャラクターの「しばっくすとばにら」が子供たちの人気を集めている。
店舗間の情報共有を目的にタブレットの導入が決定!でもセキュリティ対策は・・・
IT資産管理/MDM(モバイル端末管理)の導入を検討した経緯は、「社長の一声でタブレットの導入が決まったことがきっかけです。」とニラックス コーポレートサポートグループ 情報システムチームでリーダーを務める竹村氏は、このように語る。
タブレットを導入することで、情報共有・伝達を効率的に行いたいという思いがあった。「例えば、店舗独自で行っているディスプレイがあったら、今まではデジタルカメラで写真をとり、その画像をPCに取り込んでから他店舗にメール送付して意見を募ります。しかし、これらの作業は手間がかかるためか、情報共有が思うようにできていませんでした。そのため、一つの端末で即時共有できるタブレットに注目したのです。」と竹村氏は話す。
とはいうものの、すぐに店舗にタブレットを導入したわけではない。「タブレットを導入するにしても、セキュリティ対策を考慮しないと危険だ」という考えがあったからだ。実は竹村氏、店舗マネージャーから情報システム部に異動となった経歴の持ち主。異動したばかりのころはIT知識が乏しかったという。そのため、積極的に書籍やセミナーでIT知識を学んでいたこともあり、タブレットやスマートフォンを業務利用するならば、盗難・紛失やウイルスなどのセキュリティ対策は不可欠だという認識があった。
社長に直談判し、タブレットの導入とセキュリティ対策を同時に実施
そこで竹村氏は、セキュリティ対策を考慮せずにタブレットを先行導入するのはリスクが高いと社長に直談判した。「社長に理解いただいて、タブレットの導入は3カ月先まで延ばしてもらいました。しかし、急いでセキュリティ対策を検討することには変わりはありません。さらには、この機会にタブレットだけではなくPCも管理したいという思いがありました。」
というのも、ニラックスでは事業の急拡大にともない、店舗ごとのIT環境が統一できていない状況だった。しかも、店舗マネージャーは若手から年配の方までさまざまな年齢層がいることもあり、ITリテラシーにも差がある。何か問題が発生したときは、電話で状況を聞きながらリモートで操作したり、現場に駆けつけたりしてサポートを行ってきたが、「中には、ウイルス感染していることに全く気づかず、PCが古いから動作が遅くなったと問題にすら思っていない人もいました。」と竹村氏は苦笑する。そのため、人やIT環境に依存しない管理体制やセキュリティ対策を検討する必要があった。
実はニラックス、タブレット導入と同時期に店舗のルーターリプレイスにともなうネットワークの再構築を控えていた。同社の情報システム部門は143店舗に対して2人しかいないため、とにかくシンプルに管理・運用したいと考えていた。そのため、製品選定の要件にあげたのは、「PCとタブレットのウイルス対策、資産管理、タブレットの盗難・紛失対策、USBデバイスの接続制御をまとめて管理できる」ということだ。
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