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次世代の国際工業規格マネジメントプラットフォーム「Engineering Workbench」販売開始のお知らせ

SMART規格※1にも対応!300万件以上の工業規格および国際標準を、クラウド上ですばやく検索・共有が可能に。規格文書の管理/運用に要する時間やコストを大幅に削減し、製造業の業務プロセスの改善に貢献します。

2025年07月01日

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サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:白石 善治、以下「サイバネット」)は、ACCURIS(アキュリス、本社:米国コロラド州)と販売代理店契約を締結し、同社が開発する国際工業規格マネジメントプラットフォーム「Engineering Workbench(エンジニアリングワークベンチ)」の販売・サポートを2025年6月から開始したことをお知らせいたします。

背景

複雑化の一途をたどる国際工業規格

近年の国際標準化の対象は、マネジメント分野・サービス分野・社会システム分野まで拡大されています。

しかし、ISO(国際標準化機構)だけでも25,000件※2を超える規格の内容は、法律や環境の変化に伴って改訂され続けるにもかかわらず、ほとんどが紙媒体またはPDF等の媒体で一部ずつ発行されていることもあり、最新の内容をタイムリーに把握することは容易ではありません。

図1:国際標準化の対象分野の拡大(出展:経済産業省 産業技術環境局資料より抜粋※3)
図1:国際標準化の対象分野の拡大(出典:経済産業省 産業技術環境局資料より抜粋※3

規格管理の重要性:起こりうるリスクと企業の課題

現代のものづくりにおいて、ISOやIEC(国際電気標準会議)の定めた国際工業規格に準拠することは、製品品質/信頼性の向上や互換性・相互接続性の維持、そして国内外の法律や規制を遵守するためにも必須です。

規格・規制について、内容や要件を正しく理解しないまま生産工程を進めてしまうと、以下のような問題が生じるリスクがあります。
・手戻りによる開発コストの増大やスケジュールの遅れ
・リコールや事故、顧客からのクレームによる損害賠償

これらのリスクを回避するためにも、国際工業規格に関する最新情報を、社内全体で共有・確認できる仕組みが求められています。しかし、多くの企業では、規格文書を紙媒体やPDF形式で個別に保管しており、規格/規制の共有・検索や管理や更新情報の把握の難しさなど、さまざまな課題が指摘されています。

要求管理

要求管理

  • 必要な規格/規制の把握、管理に時間がとられている
  • 一部規格の入手が困難
  • 規制/規格の解釈が困難
  • 規制/規格の要求事項に対して統一した情報共有ができていない
  • 法令や規制/規格が更新された際の影響範囲の特定が困難
設計・生産

設計・生産

  • 必要規格は把握しているが改訂情報まで目が届かない
  • 変更内容と製品の関連性を把握するのに時間がかかる
  • 部門ごとに解釈にバラツキが出てしまい、後で調整に時間を取られる
  • 特定の有識者の負担が増える
  • 異なる規制/規格または異なる版を利用して設計の手戻りが発生
品質保証

品質保証

  • 法令や規制/規格が更新された際の影響範囲の特定が困難
  • 日々の業務に手一杯で過去の業務の継続となり、新しい要求への対応が出来ていない
  • 設計/生産部門との情報共有が困難
保守業務

保守業務

  • 個々のエンジニアがそれぞれで対応しているので、知見や情報が社内全体に継承されず後進が育たない

図2:製造業における、工業規格の管理面の課題例

紙の文書もPDFデータも不要!次世代の国際工業規格マネジメントプラットフォーム
「Engineering Workbench」とは

「Engineering Workbench」の主な特長

Engineering Workbenchは、400以上の規格発行団体の300万件以上の工業規格および国際標準、更に技術論文や国内外の特許情報を、クラウド上で閲覧・共有できる専用のプラットフォームです。

次世代の国際工業規格マネジメントプラットフォーム<br>「Engineering Workbench」
  • 検索機能:開発している製品に必要な規格文書を瞬時に検索でき、社内で共有可能です。

  • 改訂通知機能:関係する規格文書が更新されるとメールでアラートが届くため、改訂情報を見逃すことなく生産管理に反映できます。

  • 改訂箇所表示機能:規格の新旧版の変更箇所が色分け表示されるため、製品設計への影響範囲を迅速に確認することが可能です。

また、以下の特長により、規格文書の管理/運用に要する時間やコストを大幅に削減し、製造業の業務プロセスの改善に貢献します。

  • 情報の一元管理:全社の規格文書をシステムで一元管理することで、事業部ごとの利用状況を把握可能に

  • 規格文書の購入コスト削減につながる契約形態
    - サブスクリプション形式:必要な規格だけ契約でき、過去版から最新版まで閲覧可能
    - サイトライセンス形式:契約した住所の拠点全員利用可能

 

「Engineering Workbench」の詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/ewb/

SMART規格(Standards Machine Applicable, Readable and Transferable)への対応

SMART規格とは、これまで人が読むことを前提として紙媒体またはPDF等の媒体で一部ずつ発行されていたISO/IEC規格を、人的労力無しにシステム上で機械が読んで適用できる「機械による適用、読取り及び移動転送が可能な規格」のことです。IECとISOの主要な共同プログラムとして、開発が進められています。※1

「Engineering Workbench」は、この次世代のSMART規格の内容を機械(AI)が解釈し、利用できるようになった「レベル4」に準ずるサービスとして開発されています。

SMART規格の分類と特徴(出典:(一社)日本規格協会 資料より抜粋<sup>※1</sup>)
SMART規格の分類と特徴(出典:(一社)日本規格協会 資料より抜粋※1

 

ACCURISからのコメント

ACCURIS セールス・エンジニアリング、アジア地域シニア・ダイレクター
河野 一 氏

Engineering Workbench(EWB)は、世界最大のSaaS型国際工業規格データベースであり、400を超える標準化機関(SDO)を網羅し、300万件以上の規格文書が日々更新されています。EWBの最大の価値は、工業規格に関する情報とデータを、研究開発、製品開発、サプライチェーン/調達管理(いわゆる戦略的調達)、生産技術、保守・メンテナンスといったエンジニアリング業務プロセスにシームレスに統合できる点にあります。これにより、工業規格とエンジニアリングプロセスとの間にリアルタイムのトレーサビリティが生まれ、業務全体の生産性を大幅に向上させることが可能になります。

この度、CAEのリーディングカンパニーであるサイバネットと販売契約を締結したことにより、日本の製造業のお客さまに広くEWBを広め、お客さまの業務全体の生産性を大幅に向上させることを期待しています。

 

ACCURISが提供するその他のソリューション

サイバネットは、長年にわたり、ACCURISが開発するソリューションを国内のお客さまに提供してきました。

 

今回Engineering Workbenchがラインナップに加わったことで、より広域なソリューション提案が実現可能となりました。今後もACCURISの製品群を通じて、エンジニアリングのワークフロー効率化を支援してまいります。

注釈

※1:SMART規格:Standards Machine Applicable, Readable and Transferableの略。ISOとIECで取り組んでいる「機械による適用、読取り及び移動転送が可能な規格」のこと。従来、ISO/IEC規格は紙媒体またはPDF等の媒体で一部ずつ発行されており、人が読むことを前提としていたが、これからの規格は人的労力無しにシステム上で機械が読んで適用可能であることが求められるとして、開発が進められている。
参考:https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/dev/smart/

※2:参考:「ISO Standards」
https://www.iso.org/standards.html

※3:「新たな基準認証の在り方について」7頁 平成29年6月 経済産業省 産業技術環境局
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kijun_ninsho/pdf/002_02_00.pdf

ACCURISについて
ACCURISは独自の人工知能と、ワークフローに組み込まれたエンジニアリングデータや洞察への比類ないアクセスを活用し、問題解決、リスク削減、イノベーションの加速を実現するSaaS型テクノロジーソリューションを提供しています。ACCURISの製品サービスは航空宇宙・防衛、エネルギー、持続可能性、建設、建築などの多くの業界に跨り、100カ国以上、6,000社以上のお客様と65万人以上のエンジニアにご利用いただいています。

ACCURISに関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://accuristech.com/

 

サイバネットについて
1985年の創業以来、物理学などの科学技術とデジタル技術の両面に精通した技術者集団として、製造業の研究・開発・設計部門や大学・政府の研究機関を中心に、コンピュータシミュレーションやサイバーセキュリティ、AR/VR、医用画像処理などに関わるデジタルソリューションおよび技術コンサルティングサービスを提供しています。
近年は、CAE、MBD、MBSEを中心とした製造業におけるエンジニアリングチェーンの革新に加え、PLMやIoTを活用したサプライチェーンの高度化に関わる分野にもソリューションの提供範囲を拡大しています。また、サイバーセキュリティ分野では、最新の脅威に対応した先端的なソリューションを複合的に提供できる体制を構築してきました。さらに、AIを活用したプログラム医療機器の分野において国内で初めての医療機器承認ならびに公的医療保険の適用を受けるなど、医療AIのパイオニアとして業界をリードしています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/

本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社

内容について
 ITソリューション統括部
 担当:髙野
 E-MAIL:itdsales@cybernet.co.jp

報道の方は
 コーポレートコミュニケーション室
 担当:宮本
 E-MAIL:prdreq@cybernet.co.jp

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