航空宇宙産業を取り巻く状況
世界の民間航空機市場は今後10年継続して5%成長が見込まれており、特に欧米諸国では持続可能な航空機開発を実現すべく激しい競争が行われています。日本国内企業が諸外国と対等に共同開発を進めるためにはデジタル技術を活用した技術開発が急務とされており、中央省庁の計画のもと補助金制度や育成プログラムが施行※1されています。
出典:内閣府「宇宙戦略基金 今後の検討の方向性について(概要)」
現在、国内の航空・宇宙機体開発においては設計・製造・認証までの複雑なプロセスをシステム統合した前例がなく、また各デジタル技術を活かす人材が不足しています。サイバネットが得意とするCAE(Computer Aided Engineering)、MBD(Model Based Development)、MBSE(Model Based Systems Engineering)などのデジタル技術を活用した開発プロセスへの転換には多業種で培った知識・経験が求められます。
サイバネットは、航空宇宙事業の団体に参加しており※2、35年以上自動車業界を中心に培ってきたCAE技術を航空宇宙産業に横展開し、機体の設計・認証・製造・運用・廃棄というライフサイクル全体を支える総合的なデジタル支援ソリューションを提供します。
※1 補助金制度、育成プログラムの一例
- 文部科学省 SBIRフェーズ3基金事業: https://www.mext.go.jp/mext_02308.html
- NEDO 経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program): https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101672.html
- JST 研究成果最適展開支援プログラム(A Step):https://www.jst.go.jp/a-step/seika/seika_product.html
※2 サイバネットが参画している航空宇宙事業の団体
- JAXA 航空機ライフサイクルDX コンソーシアム
- JAXA 衛星DX研究会
「航空機ライフサイクルDXコンソーシアム」参画について
サイバネットは、2022年より宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催する航空機ライフサイクルDX コンソーシアム(通称CHAIN-X)に参画しています。本コンソーシアムはDX技術を用いた国内産業の国際競争力強化/高付加価値化を目的した官学-機体メーカー-エアライン-ITベンダの集合体であり、当社はデジタル支援の立場から包括的に支援を進めていく予定です。
サイバネットが提供する航空宇宙ソリューション
宇宙輸送、小型衛星、ロケット開発、月面探査、情報通信インフラなど、航空宇宙に関する開発で求められるデジタル技術ソリューションを提供しています。
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システム技術
航空宇宙業界におけるシステム技術は、航空機やロケットのような複雑なシステムを統合し、安全性・信頼性を確保するために重要な要素です。
システムシミュレーション(Ansys Twin Builder、Flownex)、MBSEプラットフォーム(MapleMBSE)
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構造系技術
航空宇宙業界における構造系技術は、金属3Dプリンタや複合材料を用いた大型構造体(エンジンやタンク等)の軽量化、機体の形状変更による空力抵抗の削減、輻射熱に対する耐久性能の向上など広い分野に関わる技術です。
強度/熱影響(Ansys Machanical)、翼空力性能(Ansys Fluent)、動的挙動(Ansys Motion)、空力音響(WAON)
新材料開発(Multiscale.Sim、Ansys Granta Selector)、3D積層シミュレーション(Ansys Additive Print/Additive Suite)
熱解析統合システム(Thermal Desktop)
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推進系技術
航空宇宙業界における推進系技術として、CO2 排出量を削減しつつ推進出力を向上させるべく液化メタンエンジンや液体水素エンジンなど様々な次世代燃料開発が進められています。
エンジン燃焼(Ansys Fluent)、燃料供給システム (Flownex)
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通信系技術
航空宇宙業界における通信系技術は、航空機や宇宙船の間や地上との情報交換を可能にする技術であり、衛星通信や地上局との通信、機内の通信システムなどが含まれます。
3次元放射/アンテナ (Ansys HFSS)、光学設計(Ansys Zemax)
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安全分析
航空宇宙業界における安全分析は、設計・製造・運用段階で行われる重要なプロセスです。
損傷予知(Ansys Twin Builder)、機能安全分析(Ansys medini analyze)
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デジタルデバイス
航空宇宙分野では通信システム、計器類、センサー類など、さまざまなデジタルデバイスが搭載されており、データのリアルタイム収集・分析により適切なメンテナンスや改善が可能となっています。
電子機器冷却(Ansys Icepak)、信頼性分析(Ansys Sherlock)
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AI、機械学習
近年急速に普及しているAI・機械学習技術は、航空機や宇宙船の設計、製造、運用にも革新をもたらしています。AI活用により、燃費の最適化など設計プロセスが改善され、従来よりも優れた機体が開発されています。
サロゲートAI(Neural Concept Shape)
私たちは35年以上の歴史で培った経験と、豊富なシミュレーション技術で課題を解決します
サイバネットでは世界シェアトップクラスのCAE製品をご提供しています。取り扱いベンダーは35社以上、お取引先は 2,100企業、300大学・研究機関の実績があります。国内大手製造業の92%が当社のお客様です。
1985年に事業を開始してから今までの歴史で培った経験をもとにお客さまの課題を解決します。
航空宇宙関連の研究および事業支援実績
航空機システムモデル構築支援
複数組織間で共同利用が可能なDX環境構築を目指す航空機ライフサイクルDX(CHAIN-X)コンソーシアムの活動として、最新の航空機開発保証規格に適合したMBSE利活用の手法の情報提供や立ち上げ支援などを行っています。
実験・CAE・AIを融合した積層造形に関する産官学連携共同研究
Additive Manufacturing(積層造形)技術革新を目指すJAXA×東京大学×国立天文台×サイバネットの四者共同研究において、AIおよびマテリアルズインフォマティクスを活用して膨大なパラメータから最適材料と積層プロセスの自動抽出を行うシステム構築を行っています。
(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「次世代空モビリティ事業支援」
ドローン安全性評価の一環として、 HILS評価環境構築や風洞実験の請負など、 NEDOの事業に参画して幅広い支援を行っています。
【近年の研究活動】
- 「ドローンの型式認証における安全設計活動に貢献するMBSE活用提案」東京大学と共著
(一社)日本UAS産業振興協議会 発行『次世代移動体技術誌』2024 年 5 巻 4 号 p. 27-40 - 「自動車業界の規格と支援ツールを利用したドローンの機能安全分析」
(一社)日本UAS産業振興協議会 発行『次世代移動体技術誌』2021 年 2 巻 1 号 p. 1-15
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