材料

分野別にAVSを使用した事例をご覧いただけます。
事例によっては、AVSで処理した「動画」または「3D動画データ(GFAファイル)」のダウンロードもできます。 「3D動画データ(GFAファイル)」については、フリービューワ 3D AVS Playerを使用し、マウス操作でモデルを動かして観察することができます。

お客様の直面されている課題に近い内容など、ご関心のあるものがございましたら、詳しくご紹介させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。


ひび割れの3次元幾何形状を考慮した鉄筋コンクリート
内部の塩化物イオンの拡散シミュレーション

破壊力学に基づく損傷モデルを用いて、鉄筋まわりに生じる内部ひび割れの3次元幾何形状を再現し、そのひび割れを通って塩化物イオンが上面から鉄筋コンクリート内部に拡散する様子を再現した例です。鋼材の腐食因子である塩化物イオンは、空隙やひび割れを通じてコンクリート内部に浸入するため、ひび割れの3次元幾何形状を考慮した予測手法が必要になります。本研究室では、準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルを定式化し、これを応用したコンクリートの3次元ひび割れ進展解析手法を開発しました。さらに、塩化物イオンの拡散係数を損傷レベルと結び付けて定式化しました。 試験体サイズのRC部材に本手法を適用したところ、鉄筋表面から生じる内部ひび割れの3次元幾何形状と、この影響を反映した塩化物イオンの拡散現象を再現することができました。

データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード コンクリート
可視化手法 等数値面


ADEMによる粒子破砕のシミュレーション

固体粒子のマクロ的な破砕現象を表現するためのモデルとしてADEM(Advanced DEM)を提案している。球形の粒子を構成要素とし、近傍に存在する構成粒子同士を連結バネで接続することにより任意形状の破砕性粒子を表現している。連結バネには破断の閾値を設定し、閾値を超えてバネが伸びた際に接続を破断させている。連続体として任意形状粒子の運動挙動を追跡することができ、外力によって生じる応力、破砕する過程、破砕後の離散体挙動の全てを一つのモデルで解析することが可能である。ここでは、転動ボールミル内の粒子挙動を示している。構成粒子の数によって色分けをしており、破砕片が小さいほど青色に近づく。粒子に印加される荷重の大きさや方向により、表面破砕や体積破砕が起こる様子を観察することができる。

データ提供 東北大学 多元物質科学研究所
石原真吾 様 加納純也 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 破砕、粒子法、DEM
可視化手法 ソフトウェア球


ラメラ組織の球状化過程のフェーズフィールド
シミュレーション

二相分離型の仮想的な二元系において、初期組織にラメラ組織を設定し、等温時効における組織形態変化をフェーズフィールド法にて計算した結果である。(単一相内の濃度場の二相分離を扱っているので、本フェーズフィールド法は、Cahn-Hiliardの非線形拡散方程式に基づく解析に等しい。)
初期に板状析出相に穴があき、時効の進行に伴い、空いた穴が連結することで、1つの板状析出相が、複数の細かい塊状に分裂する。その後、個々の塊状析出相は、オストワルド成長によって粗大化していく。この現象は、典型的な、「ラメラ組織の球状化」過程であり、界面エネルギーの減少を駆動力として組織形態変化が進行する。実用材料の例としては、鉄鋼材料におけるパーライトの球状化過程などがよく知られている。

本動画では、上記データの等数値ボリューム結果と細線化(中心線の抽出)を行った結果を並べて表示させている。
左:等数値ボリューム表示(isovolumeモジュール)
右:入力データに細線化フィルタ(AVSモジュールとして実装)をかけて残ったボクセルに立方体を配置した表示(glyphモジュール)

データ提供 名古屋大学大学院 工学研究科 教授 小山敏幸 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード Phase-field法、連結数(connectivity)
可視化手法 等数値ボリューム


準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルによる鉄筋コンクリートはりの3次元ひび割れ進展シミュレーション

損傷モデルによるひび割れ進展解析手法を用いて、鉄筋コンクリートはりの3次元ひび割れ進展挙動を再現した例です。鉄筋コンクリートには、部材表面だけでなく、部材内部の鉄筋表面からもひび割れが発生します。ひび割れの数が多数であり、進展挙動が複雑であるため、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ進展挙動を3次元で詳細に再現した例はほとんどありません。本研究室では、準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルを定式化し、これを応用したコンクリートの3次元ひび割れ進展解析手法を開発しました。鉄筋コンクリートはりに開発した手法を適用したところ、可視化画像に示すように、鉄筋コンクリートに生じる複雑なひび割れ進展挙動を3次元で詳細に再現することができました。

データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 鉄筋コンクリート、ひび割れ
可視化手法 等数値面


高分子2成分ブレンドの伸張シミュレーション


伸張シミュレーション例

高分子2成分ブレンドの相分離構造に対して、下面をそのまま形状に固定し、上面を膨らさせることができる条件で伸張計算を行った結果を示す。2成分共にゴムの弾性率を用いて計算を行った仮想的な計算結果である。

データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、MUFFIN、高分子
可視化手法 変形


球形フィラー充填高分子2成分ブレンド系の相分離構造シミュレーション


相分離構造シミュレーション例

A/B 2成分ポリマーブレンド系に対して、球形フィラーが充填されている系における相分離構造シミュレーションの結果を示す。図には、相分離界面を示す。フィラーは、A成分を好む条件で計算を行っており、ほぼ全てのフィラーがA成分ドメインに存在している様子が計算できている。

データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面、グリフ・マーカー


高分子3成分星型ブロックコポリマーによるミクロ相分離構造シミュレーション


ミクロ相分離構造シミュレーション例

3つのアームのある星型ブロックポリマーの相分離構造の結果を示す。OCTAに添付されているサンプル結果である。結果として六方格子状の相分離ドメイン構造を形成し、3つの成分が互い違いに並ぶ構造となっている。

データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面


高分子ジブロックコポリマーによるミクロ相分離(Gyroid)構造シミュレーション


ミクロ相分離(Gyroid)構造シミュレーション例

A-Bジブロックコポリマーにおけるミクロ相分離構造シミュレーションによって得られたGyroid構造を示す。A-Bの間のχNの値を20.0と設定し、自己無撞着場シミュレーションを行って得られた密度場において、A―B間界面における結果を示す。Gyroid構造の特徴として、連結したドメインが3分岐していることに特徴があるが、この結果においても、その構造が見られる。

データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面


拡張ボクセル有限要素法によるコンクリートの微細構造解析

「拡張ボクセル有限要素法」という解析手法を用いて、コンクリートの微細構造解析を行った結果です。コンクリートは、cmオーダーで見ると、モルタルと粗骨材からなる二相構造です。複雑な形状をした粗骨材が大量に含まれるため、コンクリートの二相構造を3次元で詳細に解析した例はほとんどありません。
本事例では、X線CT画像からコンクリートの3次元二相構造モデルを作成しました。

そして、ボクセル有限要素法の精度を改善させた「拡張ボクセル有限要素法」を開発し、これをコンクリートの微細構造解析に適用することにより、可視化画像に示すようなコンクリート内部の複雑な力学挙動を再現することができました。

データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード コンクリート、拡張ボクセル有限要素法
可視化手法 等数値ボリューム、複数等数値面・タマネギ等数値面


超音波マトリクスアレイ探触子を用いた欠陥の3次元映像化

超音波探傷において、アレイ探触子を用いた映像化法が普及しつつある。
一般的な装置は、電子スキャン上の遅延回路で超音波ビームの集束を制御するが、ここでは、ポスト処理で集束ビームを作成する波形サンプリング処理(Full-waveforms Sampling and Processing:FSAP)方式による映像化例を示す。

FSAP方式は、基本的には1つの素子で送・受信を行い、この組み合わせを変えながら、各送受パターンで得られる波形をPCメモリ等に記憶する。
FSAP方式の特徴は、ポスト処理で画素毎に集束したビームを作成するため、画素を小さくすれば高解像度の映像が得られる。
また、GPU計算を利用しているので、ビーム再構成と3次元映像化はほぼリアルタイムに実行できる。この可視化結果は、中心周波数3MHzのマトリクスアレイ探触子を用いてアクリル中の3つの人工欠陥を3次元的に再構成した例である。

詳細はユーザー事例のページ

データ提供 愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 中畑和之 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 超音波、非破壊検査、コンクリート
可視化手法 等数値ボリューム


p型およびn型の優れた熱電特性を示すYxAlyB14ホウ化物の理論解析


Y0.50AlyB14の電荷密度分布。
(a) y=0.25
(b) y=0.50
(c) y=0.75

YxAlyB14(x〜0.57, 0.41≦y≦0.63)は、Al濃度を変化させることにより結晶構造と構成元素種を同一に保ちながらp型およびn型の優れた熱電特性を示すことが、実験により明らかにされた。本研究では、このユニークな特性の起源を明らかにするため、第一原理計算により電子状態を解析した。
その結果、フェルミレベルにおける状態密度の変化率が、Al濃度増加と共に負から正の値まで変化することにより上記特性が得られる事が明らかになった。図は、電荷密度分布のAl濃度依存性を示す。Alが電子供給源となり、Al濃度増加と共にホウ素間の結合が強化される事が示される。

R. Sahara, T. Mori, S. Maruyama, Y. Miyazaki, K. Hayashi, and T. Kajitani
Sci. Technol. Adv. Mater. 15 (2014) 035012.

データ提供 国立研究開発法人 物質・材料研究機構
元素戦略材料センター 構造材料ユニット
組織設計グループ 佐原亮二 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 第一原理計算



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