分野別にAVSを使用した事例をご覧いただけます。
事例によっては、AVSで処理した「動画」または「3D動画データ(GFAファイル)」のダウンロードもできます。
「3D動画データ(GFAファイル)」については、フリービューワ 3D AVS Playerを使用し、マウス操作でモデルを動かして観察することができます。
お客様の直面されている課題に近い内容など、ご関心のあるものがございましたら、詳しくご紹介させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。
フェノール樹脂では、六員環の3カ所に、六員環同士をつなぐ炭素が結合可能であり、3配位のネットワーク構造を作ることができる。純粋数学からの提案として、周期構造を持つ3次元空間中で等方性の高い3配位ネットワーク構造であるK4格子に由来した材料を考えることができる。 現実の材料創製への道のりは長いが、この物質が安定に存在するか、どのような物性を示すかについては、計算機シミュレーションで予測可能であり、現在進行中である。
GFAファイル(328 KB) K4 格子
GFAファイル(2523 KB) K4 フェノール樹脂
データ提供 | 防衛大学校 萩田克美 様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | K4格子 |
フェノール樹脂やエポキシ樹脂は、自動車用部材等の工業材料として、ゴムに匹敵するほど昔から、広く利用されている。車両の軽量化の観点では、耐熱性が高く、丈夫な材料が望まれ、これまで数多くの改良がなされているが、その理論限界は、明確ではない。通常のフェノール樹脂は、アモルファスなネットワーク構造であり、純粋数学からの等方性の高いネットワーク構造は、ある種の限界性能を示すと考えられる。 計算機シミュレーションによる限界性能の把握は、フェノール樹脂の改良の方向性提示や研究開発の判断等にも資すると考えられる。
GFAファイル(679 KB) double K4 格子
GFAファイル(5226 KB) double K4 フェノール樹脂
データ提供 | 防衛大学校 萩田克美 様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | K4格子、K4フェノール樹脂 |
K4格子は、ダイヤモンド格子と並び、等方性が高い結晶構造であることが、2008年に明治大 砂田利一先生によって明らかにされている。このK4格子は、微分幾何における極小曲面 シュバルツのG-surface 〜ジャイロイド構造〜と関連がある。K4格子は、離散調和写像であり、極小曲面の心棒のようなもので、同じ由来である。(東北大学 小谷元子先生談)。
可視化を考える場合、K4格子構造は、結合ベクトルを定義したユニットセルの繰り返しで作ることができる。一方、ジャイロイド構造は、界面の近似式から計算した等値面として得ることができる。これらの2つの複雑な3次元ネットワーク構造が同一であることを、従来の2次元画面での可視化で理解するのは困難である。(左の例では、より複雑な入れ子構造の例を示している)
3次元VR立体視を用いると、由来を知らない人でも、容易に、同じと納得できる。2つのgfaファイルをステレオ環境で比較するためのモジュール *1) を利用して3次元VR表示すると、両者が同一であることが、誰にでも容易によくわかる事例である。VR表示での両眼視差に加えて、回転させることによる運動視差の効果を用いると、人間の空間認知能力が高く発揮されることを体感できる事例となっている。
*1) AVS/Express Version 8 でサポート
GFAファイル(3,661KB) ダブル・K4格子
GFAファイル(245KB) ダブルジャイロイド
データ提供 | 防衛大学校 萩田克美 様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | K4格子 |
第一原理シミュレーション計算によって存在が示された *1) ダイヤモンドとグラファイトに次ぐ第3の炭素結晶構造を可視化した例。
AVS/Express CCMS ライブラリ *2)を使用。
*1) 2009年2月 東北大学金属材料研究所・計算材料学研究部門(川添グループ)、同大学数学科の小谷元子教授、同大学多元研の阿尻教授、及び明治大学の砂田利一教授(東北大学名誉教授)の CREST チームによる。
*2) AVS/Express Version 8 でサポート
データ提供 | 東北大学 金属材料研究所 教授 川添 良幸様、 Yanshan University Wen Bin様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | 第一原理計算、TOMBO |
可視化手法 | ボールアンドスティック |
シリコン技術の終焉の後に期待されているナノテクノロジーで一番重要な1ナノメータールールのデバイス。 その実現に向け、実験・理論の研究が精力的になされています。そこでは、従来の写真技術は全く役に立たないため、 ナノスケールの配線の実現方策が探求されています。表紙の図は、(a) 実験的にシリコン表面に自己整列させることに 成功したことを、走査トンネル顕微鏡で観測した例です。 明るいところがマンガン原子に対応するというレベルの解像度です。
そこで(b) 第一原理計算を行い、原子構造と電子密度を求めました。 その結果、赤球で示すマンガン原子の自己整列の理由が解明されました。 スピントロニクス用材料としての可能性も示す結果であり、応用上も重要な成果です。
データ提供 | 東北大学 金属材料研究所 教授 川添 良幸様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | 第一原理計算、VASP |
可視化手法 | ボールアンドスティック、等数値面 |
ゴム材料は,ミクロスケールでみると高分子鎖とフィラー(カーボンブラックやシリカなどの混ぜ物)で構成されていますが、 大変形を加えても元に戻る、変形速度や変形量、変形の回数で硬さが変わるなど、複雑な特性を示します。 これは、高分子鎖の絡み合いや、フィラー表面と高分子鎖の間の相互作用、フィラーの凝集構造の崩れなどに起因するなどと言われています。 そこで、ミクロスケールの計算モデルを伸張させることにより、ゴム材料の挙動を確認しました。 特定のフィラー同士が高分子鎖を介して結合していることにより、フィラーの動きが制限されています。 歪が大きくなると、フィラー間で高分子鎖が伸びて(緑や赤で表示)張力を出している様子が観察できます。
データ提供 | トヨタテクニカルディベロップメント株式会社様 |
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使用アプリケーション | AVS/Express |
キーワード | 分子動力学計算、OCTA/COGNAC |
日本鉄鋼協会、東大生研柳本研、早稲田大学浅川研が合同で開発した棒線圧延3次元解析システムの3次元表示機能部分を MicroAVSで行っています。
データ提供 | 日本鉄鋼協会・東大生研柳本研・早稲田大学浅川研 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 塑性加工 |
図は、Fe-Cr合金におけるα(bcc)相の相分解の3次元シミュレ−ション結果である。計算手法には、 小山氏の研究グル−プが開発を進めている"Phase-field法" を用いている。計算条件は、合金組成がFe-40at%Cr、 および温度はT=773Kで、図の1辺の長さが 20nmであり、3軸は体心立方格子の<100>方向である。 図中の暗い部分が析出相と母相の界面で、Cr濃度50at%の等濃度面にて析出相表面を表現している。 図中の数値は無次元化された時間である。これより、相分解初期にスピノ−ダル分解によって、 高Cr濃度のゾ−ンがいたる所に生成し(t=40s')、相分解の進行に伴いゾ−ンが繋がりながら、 "まだら構造"が形成されることがわかる(t=60s')。また相分解後期において、 ほぼ自己相似性を保ちながら組織は粗大化していく(t=100s'〜800s')。
本手法の利点の1つは、α相の化学的自由エネルギ−として、Fe-Cr合金の平衡状態図(相図)を正確に表現する 熱力学的デ−タを用いている点にある。したがって、本計算は単に定性的なシミュレ−ションではなく、 その合金系の平衡状態図(相図)に直接対応した、定量的な計算となっている。特に金属材料分野では、 平衡状態図における各相の化学的自由エネルギ−の多くが、すでに組成および温度の関数として求められているので、 計算に必要な熱力学的パラメ−タの入手が容易であり、本結果のように実在材料のナノメ−トルサイズにおける組織形成予測を シミュレ−ションに基づき解析することが出来る。
材料における組織形成過程は、典型的な非線形現象を含む場合が多く、従来 相変態・組織形成の計算機シミュレ−ションの分野は定性的な議論が中心であった。しかし近年の計算機の発展は、 このような相分解組織制御を定量性をも含めて、設計シミュレ−ションとして行うことを可能にしつつある。事実、 ここで紹介した計算結果は、最近のパ−ソナルコンピュ−タで1時間以内(条件によっては数分以内)に計算でき、 ほとんど対話式に材料の組織形成過程を計算機実験することが可能である。今後、試行錯誤の要素も加味しながら 対話式に材料設計を行える組織形成計算システムの構築を目指している。
データ提供 | 名古屋工業大学工学部 材料工学科 小山敏幸 様 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | Phase-field法 |
可視化手法 | 等数値面 |
多孔質体とは(例えばスポンジのような)中に穴が多数空いたものの総称である。多孔質体の内部流動を解析することは、例えばフィルター内部の流体解析やコンクリートに水が染み込む様子の解析など、幅広い分野の研究において必要となり、工業的に大変重要だ。しかし、多孔質体は大変複雑な構造をしており、内部流動の計測は困難である。
構造の測定にはMRIを使用した。MRIは水(プロトン)の計測を行うので、多孔質体は水で満たさなくてはならない。多孔質体の試料には、ガラス片を円筒形に焼き固めたものを用いた。直径は約4cm。
試料の中心から上下4cmの間で等間隔に81枚の断面画像を撮り、画像処理を施し、MicroAVSを利用して3次元画像を構築した。画像中、白い部分がガラス片。
データ提供 | 松家 剛 様(元 東京工業大学大学院) |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 多孔質体 |
可視化手法 | 等数値ボリューム |
丸棒を過酷な条件で引抜き加工した場合、丸棒の中心部に引抜き方向に周期的に割れが発生します。 この割れ(クラック)の形状が山形(シェブロン)に似ているため、この割れはシェブロンクラックと呼ばれています。
一般に、割れは材料の空孔体積率と関係があると言われています。そこで、材料の空孔体積率がある値以上の場合に 材料が割れると仮定して、解析が行われています。
データ提供 | 大同大学 工学部 総合機械工学科 機械システム専攻 小森和武 教授 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 塑性加工 |
データ提供 | 大同大学 工学部 総合機械工学科 機械システム専攻 小森和武 教授 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 塑性加工 |
可視化手法 | 線コンター |
コンクリート片の上部に超音波探触子を置き、SH波モードで内部に超音波を送信した場合の可視化結果です。 超音波が通過すると、骨材同士の多重反射によって散乱波があちこちで発生し、この散乱波が次第に拡散していく様子がわかります。 この散乱減衰と材料による散逸効果(今回の解析中では散逸は考慮していません)の相乗作用によって、実際の超音波はコンクリート中で強い減衰を示すものと予想されます。 また、骨材のランダムな分布によって超音波の波面が局所的に崩れていくのがわかります。
詳細は愛媛大学 構造工学研究室のページへ
データ提供 | 愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 中畑和之 様 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 超音波、非破壊検査、コンクリート |
可視化手法 | 断面 |
水面に起こる漣(さざなみ)はロマンチックなものです。例えば、静かな水面に蛙が飛込んだときの円形の波紋は、なんとなく愉快な気分にさせてくれます。そして、今、恋人たちが見つめる新しい種類の漣が表れました。結晶の表面を広がる波紋です。レイリー卿はガラスのような非晶質固体の表面に広がる波紋は円形であることを 1885 年に予言しました。しかし、結晶においては音速はその伝わる方向によって異なることが音響波動方程式の解析から予測されます。そのため、その波紋は円形よりももっと複雑な形となります。
私達のグループは、同北海道大学やフランスのメイン大学の理論物理学者グループと共同で、結晶表面の漣の美しい模様を明らかにしました。私達は、池に飛込む蛙を超短時間幅のレーザーパルスに、水面を結晶表面に置き換えました。超短時間幅レーザーパルスは高い周波数の波紋を発生させることができます。さらに波紋を見つめる人の目の代わりに、別のレーザーパルスを使って観察しました。このようにして、私達は結晶表面の顕微鏡スケールの波紋の動画撮影に成功しました。
様々な結晶表面の一点から広がる波紋は、見慣れた円形ではなく、これまで見たことのない四角や星形をしています。星霜が木々の年輪に刻まれるように、波紋にはその通過点の物質の性質が記憶されます。そして波紋を「読む」ことによって物質の弾性的な性質を明らかにすることができます。波紋のエネルギーがある特定の方向に集中する現象は「フォノン収束効果」として知られていますが、私達の波紋の映画は、フォノン収束効果を文字通り視覚化してくれます。
このアニメーションは、厚さ 1mm の二酸化テルル (TeO2) の結晶の基板の上に厚さ 40nm の金薄膜をつけた試料の 150μm×150μm 領域の弾性表面波の波紋の映像です。二酸化テルルの結晶は正方晶系の対称性を示し、強い異方性を持ちます。 この結晶の結晶軸 (011) 方向の切断面の波紋は強い異方性とその結果として起こるフォノン集束効果のために、とても複雑な形となります。
北海道大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻 量子物性工学講座 量子機能工学研究室
データ提供 | 北海道大学大学院工学研究科 量子物理工学専攻 Oliver B. Wright 教授 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 結晶 |
可視化手法 | 鳥瞰図 |
ダイオキシン類は塩素と酸素を含む有機化学物質の一種で、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)と ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)がある。物を燃やしたり、塩素を含む有機化合物を製造する過程などで、副生成物などとして自然に生成され、廃棄物の焼却施設が最大の発生源であり、たばこの煙にも含まれていることが分かっている。
データ提供 | 函館工業高等専門学校 物質工学科 長尾輝夫 准教授 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | 分子 |
データ提供 | 広島大学 生物圏科学研究科 |
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使用アプリケーション | MicroAVS |
キーワード | イオン |
可視化手法 | ベクトル |
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