3Dプリンタ利用体験記

本レポートは、埼玉工業大学井門教授の協力により、AVS/ExpressおよびReal INTAGEから出力したSTLデータを3Dプリンタで造形したときの記録です。

1.使用機器

3D SYSTEMS社のローエンドのプリンタ、Cubify
3Dプリンタとしては低価格のものである。

2.モデル

今回作成したのは心臓。
CTデータをReal INTAGEで3次元化し、オブジェクトを半分に切りSTL出力したもの。
トライアングルの数は273,858個。

3.手順

  1. 3Dプリンタ付属の専用ソフトでSTLからCUBEファイルに変換
    • 設置方向
    • サイズの変更
    • 回転
    はできるが、それ以上の編集はできない(と思われる)。 一旦、Cubeファイルになったものは、再読込みはできても大きさは変更できない。
  2. CUBEファイルをプリンタへ移動(USBメモリ or USBケーブルを使う)
  3. 印刷

    印刷台(ガラスのようなプレート)
    に接着剤(専用:約2000円)を塗る。

    本体は、こちら。

水に漬けると接着剤は剥がれて、図のように造形物が完成する。メッシュ状のものは、台座。垂直に立っている柱のいくつかはサポート(造形物ではない)。実際のサイズは2.5cmで、造形時間は40分。

4.その他

  1. 穴が空いていると作れないという話があったが、今回は、それは問題にならなかった。(ちゃんと閉じた物体になっているのかもしれない)
  2. 「サポートを作ることができない」とのエラーになった。これは向きを変更することで解決できた。

    (a) こちらはNG

    (b)こちらはOK

図(a)の方がサポートが不要かと思ったのだが、そちらはダメで逆さにしたような(b)がOKであった。自分の上にサポートを立てることがダメなのかとも思ったが、別の事例(下記)の血管+赤血球は、どの方向にしても自分の上にサポートが必要となるはずだが、これはOKとなった。

これは当初、血管断面(中央)を下にして作成すると5時間必要という情報が出たが、反対(血管断面を上)にしたところ、所要時間が1時間30分と短縮された。方向によって2倍以上も作成時間に差が出るようである。