材料

分野別にAVSを使用した事例をご覧いただけます。
事例によっては、AVSで処理した「動画」または「3D動画データ(GFAファイル)」のダウンロードもできます。 「3D動画データ(GFAファイル)」については、フリービューワ 3D AVS Playerを使用し、マウス操作でモデルを動かして観察することができます。

お客様の直面されている課題に近い内容など、ご関心のあるものがございましたら、詳しくご紹介させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。


カーボンナノチューブへの水の凝集に関する分子動力学計算
Y.Homma et.al. Phys.Rev.Lett. 110, 157402 (2013)

水蒸気雰囲気下に置かれたカーボンナノチューブの表面に水分子が凝集する様子と凝集後の水の構造を分子動力学法によってシミュレーションした様子。疎水性物質であるカーボンナノチューブの表面に水分子が薄く吸着していることが分かる。


GFAファイル(122,312KB)

データ提供 東京理科大学 工学部 山本貴博 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、カーボンナノチューブ、SCIGRESS
可視化手法 ボールアンドスティック


コンクリートの非破壊検査のための電磁波・弾性波シミュレーション


コンクリートブロック中を伝搬する弾性波(周波数200KHz)

社会インフラにとって、コンクリートの経年劣化対策が急務となっています。愛媛大学では、コンクリート内部を非破壊的に検査する手法を高度化するための種々の研究を行っています。
この事例では,動弾性有限積分法(Elastodynamic Finite Element Method: EFIT)と電磁界有限積分法(Electromagnetic FIT: EMFIT)を用いて、コンクリート中を伝搬する弾性波および電磁波を可視化しています。


鉄筋コンクリート床版に放射された電磁波(周波数1GHz)

コンクリートの非均質性や鉄筋配置は、イメージベースモデリングによって厳密に再現しています。弾性波は材料を構成する粒子の相互作用によって、電磁波は磁場と電場の相互作用によって伝搬するので、コンクリート中で両者は全く異なった波動伝搬特性を示します。弾性波は主として骨材や微小空隙による多重散乱が、電磁波は鉄筋による多重散乱が顕著に表れていることがわかります。以上の計算は、マルチCPUやメニーGPU計算技術を導入して、大規模かつ高速に行われています。
詳細は愛媛大学 構造工学研究室のページ

データ提供 愛媛大学大学院 理工学研究科 
准教授 中畑和之 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 電磁波、非破壊検査、コンクリート
可視化手法 複数等数値面・タマネギ等数値面、断面


フィラー充填ゴムの可視化

タイヤゴム材料、高機能ポリマーフィルムなど無機−有機ハイブリッド材料系では、フィラーと呼ばれる無機材料に、有機の高分子が接合され、高分子マトリックスと複雑に絡み合うことで、従来の高分子材料や無機材料にはない、高性能な機能発現をしています。(分子特異点効果)このような系の機械的性質を調べる場合には、第一原理計算等に比べて、長時刻かつ大域的な性質を調べることができる粗視化分子動力学(MD)シミュレーションが有効な手法です。最近の計算機能力の向上を受け、現実の材料の設計/最適化に用いることが可能になってきました。
この粗視化MDシミュレーションでは、延伸破壊における球状フィラー周辺のポリマーの剥離挙動を見ており、球状 crop の機能 *1) が活用され、動画作成されています。
*1) AVS/Express Version 8 からサポート

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、OCTA/COGNAC
可視化手法 ボールアンドスティック、抽出


フィラー充填ゴム(大規模データ)の可視化


POINT_SPRITE を利用して約590万分子を表示

タイヤゴム材料等のフィラー充填架橋ゴムでは、ゴムの高分子鎖と、カーボンブラックやシリカなどのナノ粒子(フィラー)に加えて、高分子の間を結合する架橋が形成されている。この架橋の存在により、ゴムの流動性が押さえられ、固形状となる。この架橋は空間的に一様に分布していても、高分子の形状/配置の不均一さのために、延伸破壊におけるボイド成長挙動に特徴的な振る舞いを示す。ボイドの成長と共に、延伸方向に引き延ばされた鎖が束状になるフィブリル化が生じる。


球状クロップを利用した抽出

大規模な粗視化分子動力学(MD)シミュレーションの結果を”まるごと大規模可視化”することで、架橋の存在により、成長後のボイドの大きさ/フィブリル化した鎖の集まりの間隔に、特徴的なサイズが存在することが、目で見てわかります。
また、ズームアップしていく際に、ドット表示から、Glyph球表示の中間として、OpenGLのPoint Sprite機能を用いた表示 *1) を利用することで、スムースな可視化観察を実現することができます。
*1) AVS/Express Version 8 からサポート

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、大規模、OCTA/COGNAC
可視化手法 Point Sprite、抽出


ネットワーク構造の可視化


図)3_1 構造(左)
  4_1 構造(右)

1932年に、Lavesらは、3_1や4_1と呼ばれるネットワーク構造を論文発表している。
(H. Heesch, F. Laves, Z. Kristllogr. 85 (1933) 443)
4_1は、ダイヤモンドの結晶の形として知られるものである。
3_1は、後に、異なる研究分野で別々の名前が付けられている。例えば、結晶学に基づく(10,3)-a、SRS格子、離散微分幾何学に基づくK4 graphがある。
(gfaファイルは、1933年の論文の図を、多方向からの観察のために、VR化したものである。)

GFA ファイル(643B) 3_1 構造
GFA ファイル(553B) 4_1 構造

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 結晶
可視化手法 ボール


double-K4 格子構造の炭素結晶

K4格子構造をもつ炭素結晶に関する研究は、東北大WPI-AIMR小谷元子機構長らのグループで、研究されている。
高分子相分離構造からのinspireを受け、K4格子の入れ格子構造のdouble K4の炭素結晶も提案できる。このdouble K4の炭素構造は、最近接原子数が3個で、第二近接の距離が、2.0Å(オングストローム)とsp2ボンドの1.6倍程度であり、安定な構造となることが期待される。入れ子格子化により、均等性が増し、K4の炭素結晶よりも安定的と推察される。

特に、ダイアモンドよりも、炭素が密に詰まっている規則的な構造という点で、非常に興味深い。
現在、この物質が安定に存在するか、どのような物性を示すかについては、計算機シミュレーションで研究中である。

GFAファイル(29 KB) K4 格子 (ball-1unitcell)
GFAファイル(328 KB) K4 格子
GFAファイル(329 KB) K4 格子 (ball)
GFAファイル(63 KB) double K4 格子 (ball-1unitcell)
GFAファイル(679 KB) double K4 格子
GFAファイル(680 KB) double K4 (ball)

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード K4格子
可視化手法 ボールアンドスティック



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