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Ansys 陰解法ソルバーを用いた多層構造の編組素線から成る編組コルゲートホースの有限要素解析
公開日:2019年12月
このホワイトペーパーでは、Ansys陰解法ソルバーパッケージを用いた、多層編組コルゲートホースの有限要素解析の安定性について実証します。本資料では3次元有限要素ホースモデルの作成および解析方法の概要を説明します。このモデルは内部が金属製コルゲートチューブまたはフレキシブル ベローズ管で構成され、その周囲はらせん状に巻かれた円形金属素線による単一または複数の編組層で覆われています。
目次
- 金属編組コルゲートホースの有限要素解析における最先端の技術
- フレキシブル編組コルゲートホースの設計
- 有限要素解析モデリングにおける考慮事項
- 編組直径外径のモデリングにおける考慮事項
- らせん状編組ジェネレータのソフトウェアパッケージ
- 汎用らせん状編組線ジェネレータソフトウェア
- 用語 : 平行ビームと交差ビーム
- KEYOPT (3 次元線接触要素 CONTA177)
- 編組コルゲートホースモデルの作成手法
- コルゲートチューブと編組線の寸法および材料 ほか
フレキシブル編組コルゲートホースの設計
編組コルゲートホースは、配管、工業、自動車および航空宇宙/ロケットなどさまざまな用途に使用されています。編組コルゲートホースは、単層または多層の金属製編組素線で覆われた、内面がセミフレキシブルな金属製コルゲートチューブまたはベローズを有します。編組線は、ピックへとまとめられます。ピックは、らせん状、時計回り、および反時計回り経路を交互にたどる平行ワイヤーの束です。金属製コルゲートチューブの柔性により、編組ホースアセンブリの圧縮、伸長、および屈曲が可能になります。図は上側2本および下側2本の編組パターンによる単一編組層を示しています。
変形 (軸の引張) 有限要素モデル
単一層、二重層、および三重層の編組線 (モデルあたり合計48本のワイヤーを含む) を伴う変形有限要素モデルを解析しました。図は0.5インチの引き伸ばしの前後の1.2インチ長の単一編組層コルゲートホースのFEMを示しています。断面図は、 コルゲートチューブの頂部に接触し、それに対して押し込まれた編組線を示します。また、二重層および三重層FEMに対して、「編組線がコルゲートチューブを貫通する」または「編組線メッシュおよび/またはコルゲートチューブメッシュが縮退または内破する」のいずれかになるまで強制変形が徐々に加えられました。
加圧状態のホースモデル
編組コルゲートホースが内部で加圧されると、ホースの圧力が半径方向および軸方向の両方に作用します。ホース軸方向の圧力は、ホースの内圧にホース流れ面積を乗じたものに等しくなります。軸方向のホース圧力は、ベローズの波形と編組線を引き延ばすため、ワイヤーのねじれまたはコルゲートチューブベローズの頂面に対するワイヤーの圧縮が発生します。図は、2層の編組線を有する加圧ホースモデルのFEMの結果を示しています。複層編組モデルの編組線の軸力は、各編組層で大きく異なることがわかります。