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マルチフィジックスシミュレーションによる熱制御問題の解決
2019年9月
さまざまな温度状況に耐えられる製品、コンポーネント、およびシステムを設計することは、ほぼすべての産業において設計が抱えている課題です。自動車から高速半導体に至るまで、熱制御問題は、エネルギーの無駄遣い、性能低下、または早期の装置故障を招く恐れが大いにあります。その結果、エネルギーコストや保証問題が増加し、設計時間が長引くため、競争上の優位性が低下します。熱制御設計を思い通りにし、システムの熱挙動を深く理解するには、合理的なマルチフィジックスツールが必要です。
目次
- すべての産業に関わる熱制御
- 損失を生む熱エネルギー伝達
- 熱エネルギーの影響を予測可能な現代のシミュレーションツール
- 実世界におけるシステム性能の洞察
- マルチフィジックスシミュレーションによるターボ機械効率の向上
- 自動車産業に必要な高度な協調シミュレーションツール
- ロケット科学によるシャワーヘッドの改革
- タービン翼の冷却と信頼性
- 優れた熱マルチフィジックスツールによる工業用3Dプリントの開発
- 製品開発において大きな強みとなるマルチフィジックスツール
- 資料
すべての産業に関わる熱制御
加熱、冷却、および温度ベースの材料挙動は、ほぼすべての産業の幅広い用途に影響を及ぼします。周辺環境における熱エネルギーは、機器、コンポーネント、および製品のエネルギー伝達、音響効果、化学反応、圧力、物理的寸法、およびその他の物質特性を根本的に変える可能性があります。また同時に、多くのコンポーネントが、機械、電子、流体、または化学物理現象によって熱エネルギーを生成または吸収します。
ターボ機械の効率向上
ターボ機械の圧縮機は、曝気処理システムとして、空気を圧縮して水深深くまで送り込みます。この処理では、空気を水に送り込むために大量の力が必要であり、相当量の電力を消費します。したがって、効率が少しでも上がれば、全体的なエネルギー消費量および処理施設の運用コストを大幅に減らせる可能性があります。Continental Industrie社のエンジニアリングチームは、Ansysを使用して、圧縮機の効率を2~5 パーセント向上させました。
自動車の排気系統
流体流れ、圧力挙動、および温度分布は、自動車産業における排気系統の応力の定義に関与します。排気系統の性能は、燃費やエンジン出力に大きく影響する可能性があるため、流体領域と温度領域間の相互作用をシミュレーションすることで、より優れた性能の排気管理システムを実現できます。Active Exhaust社は、自動車向けの工業用排気管理システムを開発するためにAnsysをシミュレーションベースの設計プロセスで使用したことで、排気系統の設計が1回で成功することが増えました。
タービン翼の冷却と信頼性
最新の天然ガスタービンは効率的な稼動が可能であり、2,700Fの高温で燃焼することによって燃料を削減できます。しかし、タービン翼の材質は、ほとんどの場合1,700Fの温度までしか耐えられないため、冷却する必要があります。Purdue Universityの調査チームは、Ansysの流体シミュレーション機能を使って、0.001mmの小さい隙間をとったノードで作れる翼冷却チャネル設計のモデルを作成しました。そしてこのチームは、より高い燃焼温度でより低い翼温度を可能にする織物設計を見つけ出し、それによりエンジンの熱効率サイクルを高めました。