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流体解析の効率化テクニック
ANSYS Workbenchを用いたパラメータスタディ

CAEのあるものづくり Vol.25|公開日:2016年11月
目次
- はじめに
- Ansys Workbenchを用いたパラメータスタディ
- 流体解析におけるパラメータスタディのメリット
- パラメータスタディの手順
- おわりに
はじめに
CAE(Computer AidedEngineering)はその有用性が広く認知されるようになりました。研究開発分野や製品性能評価分野においては、実現象の再現や設計製品の性能立証を主な目的としているかと思います。その目的を達成するためには高精度の解析が必要となり、メッシュ作成や条件設定に高い技量を持つエンジニアが求められ、解析結果から設定条件をチューニングするなど計算コストも高くなる傾向になります。このような“評価”を主目的においたCAEを最近は『評価CAE』と呼ぶことが増えています。
対して、設計の前段階(構想段階)からCAEを活用し、その知見を設計に生かす利用方法も最近は増加傾向にあります。『企画CAE』と呼ばれるこの手法の目的は設計に必要となる理論検証であり、考慮するパラメータの数は多くなりますが、一つ一つの精度は『評価CAE』ほど優先的ではありません。『企画CAE』にて重視されるのは、簡便な操作で多数のパラメータを短時間に計算することであり、いわばシステマチックなCAEの活用方法と言えます。
今回は流体解析を例に、Ansysソフトウェアの統合プラットフォームであるAnsys Workbench上でパラメータスタディを効率的に行う方法をご案内致します。
Ansys Workbenchを用いたパラメータスタディ
パラメータスタディとは、目的とする出力値に対して入力値を数パターン振ってみることにより、その感度を検証する手法を指します。ここではあくまで入力値変化に対する出力値の感度検証が目的であるため、通常のCAEにおいて実施するポスト作業(コンタ図やベクトル図の出力など)は実施することはありません。
このような計算を行う場合は、一般的には入力パターン数に応じた入力設定ファイルが必要になります。入力設定ファイルが増えれば設定する工数が増えるのはもちろん、同数以上の結果ファイルが出力され、結果ファイルを処理する工数も増加します。
AnsysWorkbenchはマルチフィジックスソリューションを実現させる環境の提供の他に、CAE効率化のためにデータやプロジェクトの管理機能も持ち合わせています。パラメータスタディを行う場合もWorkbenchを用いることによってテーブルスタイルの入力値設定や出力値整理、結果ファイルの選択出力によるデータ量削減といった機能を利用することが可能で、より簡便に実施することが可能です。
流体解析におけるパラメータスタディのメリット
製品設計に生かすべく流体解析を行う場合、流体解析特有のハードルを感じることもあるかと思います。例えば
- CAD形状を少し変更する度に流体領域を再度作成し直さなければならず、当然メッシュも再度作成する必要があります。
- パラメータ数だけの設定ファイルを作成する必要があり、手間が比較的かかります。
- 流体領域をメッシュ作成するため1ケースあたりのデータが多くなりがちであり、流入速度や流入温度といったパラメータを変更するたびにデータ出力すると加速度的に記録ディスクを圧迫します。
といったものが挙げられるかと思います。
これらの問題に対して、Workbenchを用いてパラメータスタディを行うことにより以下のメリットを感じて頂けると思います。
- 流体領域やメッシュを指定パラメータに沿って自動で作成及び修正を行います。これによってメッシュ修正まで...
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