AWS クラウド上での AVS/Express PCE による時系列データ並列可視化実験

はじめに

AVS/Express PCE *1) は、AVS/Express *2) の並列版で、大規模データを対象とした可視化ソフトウエアです。計算メッシュ数が大規模な場合には、その計算領域を領域分割し、並列可視化処理を行うことができます *3) 。また、時間ステップ数が多い場合にも有効で、時間方向の各ステップを各並列プロセスで処理し、動画生成の時間短縮を図ることができます。

*1) http://www.cybernet.co.jp/avs/products/pce/
*2) http://www.cybernet.co.jp/avs/products/avsexpress/
*3) http://www.cybernet.co.jp/avs/example/interview/008.html

今回は、富士ゼロックス株式会社様(以降、富士ゼロックス様)にご協力いただき、この時間方向の並列可視化処理の実験を行いました。また、実験環境には、AWS クラウドを用い、クラウド上での PCE 稼動に関する検証もあわせて行っています。

可視化に利用したデータ

利用したデータは、富士ゼロックス様で行われている、磁性現像ローラ上にある現像剤の回収解析(ピックオフ解析)*4) の結果です。


2成分現像器

現像剤搬送状態のシミュレーション結果

この解析は、複写機やプリンタで用いられる、非磁性トナー粒子と磁性キャリア粒子を混合した二成分現像方式での現像剤搬送過程のシミュレーションです。二成分現像方式では、図に示すように、現像剤を磁性ローラ上に供給して吸着搬送し、画像形成したのちに、現像剤をいったんローラ上から剥離させて回収(ピックオフ)します。回収した現像剤に新しいトナーを補給してオーガスクリューで混合し、その上で再度磁性ローラ上に付着させる工程を繰り返します。このような搬送機構によって現像領域に十分なトナーが供給されます。このピックオフ性能が悪い場合、現像スリーブから剥離した現像剤が、落下することなく現像スリーブ表面に再付着し画質劣化の原因となります。

上述したピックオフ性能に関して評価することを目的に、個別要素法(Distinct Element Method,DEM)を用いた数値シミュレーションを実施しています。

*4) H. Minemoto, I.Fujino, T.Iwamura: Numerical Analysis of Pick-off Behavior of Developers in Two-component Development System, Imaging Conference JAPAN 2013, 165-168 (2013) [in Japanese]

今回、サイバネットでは、この解析結果を借用し、時間ステップに対する並列可視化実験を行い、その効果を測定しました。

1ステップあたりのデータサイズは約50Mbyteで、約50万粒子を含んでいます。実験で利用したステップ数は、320ステップ。その粒子の粒径、色を変えて可視化し、その時系列アニメーションを作成しました。