材料

分野別にAVSを使用した事例をご覧いただけます。
事例によっては、AVSで処理した「動画」または「3D動画データ(GFAファイル)」のダウンロードもできます。 「3D動画データ(GFAファイル)」については、フリービューワ 3D AVS Playerを使用し、マウス操作でモデルを動かして観察することができます。

お客様の直面されている課題に近い内容など、ご関心のあるものがございましたら、詳しくご紹介させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。


ひび割れの3次元幾何形状を考慮した鉄筋コンクリート
内部の塩化物イオンの拡散シミュレーション


破壊力学に基づく損傷モデルを用いて、鉄筋まわりに生じる内部ひび割れの3次元幾何形状を再現し、そのひび割れを通って塩化物イオンが上面から鉄筋コンクリート内部に拡散する様子を再現した例です。鋼材の腐食因子である塩化物イオンは、空隙やひび割れを通じてコンクリート内部に浸入するため、ひび割れの3次元幾何形状を考慮した予測手法が必要になります。本研究室では、準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルを定式化し、これを応用したコンクリートの3次元ひび割れ進展解析手法を開発しました。さらに、塩化物イオンの拡散係数を損傷レベルと結び付けて定式化しました。
試験体サイズのRC部材に本手法を適用したところ、鉄筋表面から生じる内部ひび割れの3次元幾何形状と、この影響を反映した塩化物イオンの拡散現象を再現することができました。
データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード コンクリート
可視化手法 等数値面


ADEMによる粒子破砕のシミュレーション


固体粒子のマクロ的な破砕現象を表現するためのモデルとしてADEM(Advanced DEM)を提案している。球形の粒子を構成要素とし、近傍に存在する構成粒子同士を連結バネで接続することにより任意形状の破砕性粒子を表現している。連結バネには破断の閾値を設定し、閾値を超えてバネが伸びた際に接続を破断させている。連続体として任意形状粒子の運動挙動を追跡することができ、外力によって生じる応力、破砕する過程、破砕後の離散体挙動の全てを一つのモデルで解析することが可能である。ここでは、転動ボールミル内の粒子挙動を示している。構成粒子の数によって色分けをしており、破砕片が小さいほど青色に近づく。粒子に印加される荷重の大きさや方向により、表面破砕や体積破砕が起こる様子を観察することができる。
データ提供 東北大学 多元物質科学研究所
石原真吾 様 加納純也 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 破砕、粒子法、DEM
可視化手法 ソフトウェア球


ラメラ組織の球状化過程のフェーズフィールド
シミュレーション


ラメラ組織の球状化過程
二相分離型の仮想的な二元系において、初期組織にラメラ組織を設定し、等温時効における組織形態変化をフェーズフィールド法にて計算した結果である。(単一相内の濃度場の二相分離を扱っているので、本フェーズフィールド法は、Cahn-Hiliardの非線形拡散方程式に基づく解析に等しい。)
初期に板状析出相に穴があき、時効の進行に伴い、空いた穴が連結することで、1つの板状析出相が、複数の細かい塊状に分裂する。その後、個々の塊状析出相は、オストワルド成長によって粗大化していく。この現象は、典型的な、「ラメラ組織の球状化」過程であり、界面エネルギーの減少を駆動力として組織形態変化が進行する。実用材料の例としては、鉄鋼材料におけるパーライトの球状化過程などがよく知られている。

本動画では、上記データの等数値ボリューム結果と細線化(中心線の抽出)を行った結果を並べて表示させている。
左:等数値ボリューム表示(isovolumeモジュール)
右:入力データに細線化フィルタ(AVSモジュールとして実装)をかけて残ったボクセルに立方体を配置した表示(glyphモジュール)

データ提供 名古屋大学大学院 工学研究科 教授 小山敏幸 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード Phase-field法、連結数(connectivity)
可視化手法 等数値ボリューム


準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルによる鉄筋コンクリートはりの3次元ひび割れ進展シミュレーション

損傷モデルによるひび割れ進展解析手法を用いて、鉄筋コンクリートはりの3次元ひび割れ進展挙動を再現した例です。鉄筋コンクリートには、部材表面だけでなく、部材内部の鉄筋表面からもひび割れが発生します。ひび割れの数が多数であり、進展挙動が複雑であるため、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ進展挙動を3次元で詳細に再現した例はほとんどありません。本研究室では、準脆性材料の破壊力学を考慮した損傷モデルを定式化し、これを応用したコンクリートの3次元ひび割れ進展解析手法を開発しました。鉄筋コンクリートはりに開発した手法を適用したところ、可視化画像に示すように、鉄筋コンクリートに生じる複雑なひび割れ進展挙動を3次元で詳細に再現することができました。
データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 鉄筋コンクリート、ひび割れ
可視化手法 等数値面


高分子2成分ブレンドの伸張シミュレーション


伸張シミュレーション例
高分子2成分ブレンドの相分離構造に対して、下面をそのまま形状に固定し、上面を膨らさせることができる条件で伸張計算を行った結果を示す。2成分共にゴムの弾性率を用いて計算を行った仮想的な計算結果である。
データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、MUFFIN、高分子
可視化手法 変形


球形フィラー充填高分子2成分ブレンド系の相分離構造シミュレーション


相分離構造シミュレーション例
A/B 2成分ポリマーブレンド系に対して、球形フィラーが充填されている系における相分離構造シミュレーションの結果を示す。図には、相分離界面を示す。フィラーは、A成分を好む条件で計算を行っており、ほぼ全てのフィラーがA成分ドメインに存在している様子が計算できている。
データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面、グリフ・マーカー


高分子3成分星型ブロックコポリマーによるミクロ相分離構造シミュレーション


ミクロ相分離構造
シミュレーション例
3つのアームのある星型ブロックポリマーの相分離構造の結果を示す。OCTAに添付されているサンプル結果である。結果として六方格子状の相分離ドメイン構造を形成し、3つの成分が互い違いに並ぶ構造となっている。
データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面


高分子ジブロックコポリマーによるミクロ相分離(Gyroid)構造シミュレーション


ミクロ相分離(Gyroid)構造
シミュレーション例
A-Bジブロックコポリマーにおけるミクロ相分離構造シミュレーションによって得られたGyroid構造を示す。A-Bの間のχNの値を20.0と設定し、自己無撞着場シミュレーションを行って得られた密度場において、A―B間界面における結果を示す。Gyroid構造の特徴として、連結したドメインが3分岐していることに特徴があるが、この結果においても、その構造が見られる。
データ提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター 森田裕史 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード OCTA、SUSHI、高分子
可視化手法 等数値面


拡張ボクセル有限要素法によるコンクリートの微細構造解析


「拡張ボクセル有限要素法」という解析手法を用いて、コンクリートの微細構造解析を行った結果です。コンクリートは、cmオーダーで見ると、モルタルと粗骨材からなる二相構造です。複雑な形状をした粗骨材が大量に含まれるため、コンクリートの二相構造を3次元で詳細に解析した例はほとんどありません。
本事例では、X線CT画像からコンクリートの3次元二相構造モデルを作成しました。

そして、ボクセル有限要素法の精度を改善させた「拡張ボクセル有限要素法」を開発し、これをコンクリートの微細構造解析に適用することにより、可視化画像に示すようなコンクリート内部の複雑な力学挙動を再現することができました。
データ提供 茨城大学 工学部 都市システム工学科 車谷麻緒 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード コンクリート、拡張ボクセル有限要素法
可視化手法 等数値ボリューム、複数等数値面・タマネギ等数値面


超音波マトリクスアレイ探触子を用いた欠陥の3次元映像化


超音波探傷において、アレイ探触子を用いた映像化法が普及しつつある。
一般的な装置は、電子スキャン上の遅延回路で超音波ビームの集束を制御するが、ここでは、ポスト処理で集束ビームを作成する波形サンプリング処理(Full-waveforms Sampling and Processing:FSAP)方式による映像化例を示す。

被検体寸法
FSAP方式は、基本的には1つの素子で送・受信を行い、この組み合わせを変えながら、各送受パターンで得られる波形をPCメモリ等に記憶する。
FSAP方式の特徴は、ポスト処理で画素毎に集束したビームを作成するため、画素を小さくすれば高解像度の映像が得られる。
また、GPU計算を利用しているので、ビーム再構成と3次元映像化はほぼリアルタイムに実行できる。この可視化結果は、中心周波数3MHzのマトリクスアレイ探触子を用いてアクリル中の3つの人工欠陥を3次元的に再構成した例である。

詳細はユーザー事例のページ

データ提供 愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 中畑和之 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 超音波、非破壊検査、コンクリート
可視化手法 等数値ボリューム


p型およびn型の優れた熱電特性を示すYxAlyB14ホウ化物の理論解析


Y0.50AlyB14の電荷密度分布。

(a) y=0.25
(b) y=0.50
(c) y=0.75
YxAlyB14(x〜0.57, 0.41≦y≦0.63)は、Al濃度を変化させることにより結晶構造と構成元素種を同一に保ちながらp型およびn型の優れた熱電特性を示すことが、実験により明らかにされた。本研究では、このユニークな特性の起源を明らかにするため、第一原理計算により電子状態を解析した。
その結果、フェルミレベルにおける状態密度の変化率が、Al濃度増加と共に負から正の値まで変化することにより上記特性が得られる事が明らかになった。図は、電荷密度分布のAl濃度依存性を示す。Alが電子供給源となり、Al濃度増加と共にホウ素間の結合が強化される事が示される。

R. Sahara, T. Mori, S. Maruyama, Y. Miyazaki, K. Hayashi, and T. Kajitani
Sci. Technol. Adv. Mater. 15 (2014) 035012.
データ提供 国立研究開発法人 物質・材料研究機構
元素戦略材料センター 構造材料ユニット
組織設計グループ 佐原亮二 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 第一原理計算


カーボンナノチューブへの水の凝集に関する分子動力学計算
Y.Homma et.al. Phys.Rev.Lett. 110, 157402 (2013)


水蒸気雰囲気下に置かれたカーボンナノチューブの表面に水分子が凝集する様子と凝集後の水の構造を分子動力学法によってシミュレーションした様子。疎水性物質であるカーボンナノチューブの表面に水分子が薄く吸着していることが分かる。


GFAファイル(122,312KB)
データ提供 東京理科大学 工学部 山本貴博 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、カーボンナノチューブ、SCIGRESS
可視化手法 ボールアンドスティック


コンクリートの非破壊検査のための電磁波・弾性波シミュレーション


コンクリートブロック中を伝搬する
弾性波(周波数200KHz)
社会インフラにとって、コンクリートの経年劣化対策が急務となっています。愛媛大学では、コンクリート内部を非破壊的に検査する手法を高度化するための種々の研究を行っています。
この事例では,動弾性有限積分法(Elastodynamic Finite Element Method: EFIT)と電磁界有限積分法(Electromagnetic FIT: EMFIT)を用いて、コンクリート中を伝搬する弾性波および電磁波を可視化しています。

鉄筋コンクリート床版に放射された
電磁波(周波数1GHz)
コンクリートの非均質性や鉄筋配置は、イメージベースモデリングによって厳密に再現しています。弾性波は材料を構成する粒子の相互作用によって、電磁波は磁場と電場の相互作用によって伝搬するので、コンクリート中で両者は全く異なった波動伝搬特性を示します。弾性波は主として骨材や微小空隙による多重散乱が、電磁波は鉄筋による多重散乱が顕著に表れていることがわかります。以上の計算は、マルチCPUやメニーGPU計算技術を導入して、大規模かつ高速に行われています。
詳細は愛媛大学 構造工学研究室のページ
データ提供 愛媛大学大学院 理工学研究科 
准教授 中畑和之 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 電磁波、非破壊検査、コンクリート
可視化手法 複数等数値面・タマネギ等数値面、断面


フィラー充填ゴムの可視化


フィラー充填ゴムの可視化例
(スライスと球状抽出)
タイヤゴム材料、高機能ポリマーフィルムなど無機−有機ハイブリッド材料系では、フィラーと呼ばれる無機材料に、有機の高分子が接合され、高分子マトリックスと複雑に絡み合うことで、従来の高分子材料や無機材料にはない、高性能な機能発現をしています。(分子特異点効果)このような系の機械的性質を調べる場合には、第一原理計算等に比べて、長時刻かつ大域的な性質を調べることができる粗視化分子動力学(MD)シミュレーションが有効な手法です。最近の計算機能力の向上を受け、現実の材料の設計/最適化に用いることが可能になってきました。
この粗視化MDシミュレーションでは、延伸破壊における球状フィラー周辺のポリマーの剥離挙動を見ており、球状 crop の機能 *1) が活用され、動画作成されています。
*1) AVS/Express Version 8 からサポート
データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、OCTA/COGNAC
可視化手法 ボールアンドスティック、抽出


フィラー充填ゴム(大規模データ)の可視化


POINT_SPRITE を利用して
約590万分子を表示
タイヤゴム材料等のフィラー充填架橋ゴムでは、ゴムの高分子鎖と、カーボンブラックやシリカなどのナノ粒子(フィラー)に加えて、高分子の間を結合する架橋が形成されている。この架橋の存在により、ゴムの流動性が押さえられ、固形状となる。この架橋は空間的に一様に分布していても、高分子の形状/配置の不均一さのために、延伸破壊におけるボイド成長挙動に特徴的な振る舞いを示す。ボイドの成長と共に、延伸方向に引き延ばされた鎖が束状になるフィブリル化が生じる。

球状クロップを利用した抽出
大規模な粗視化分子動力学(MD)シミュレーションの結果を”まるごと大規模可視化”することで、架橋の存在により、成長後のボイドの大きさ/フィブリル化した鎖の集まりの間隔に、特徴的なサイズが存在することが、目で見てわかります。
また、ズームアップしていく際に、ドット表示から、Glyph球表示の中間として、OpenGLのPoint Sprite機能を用いた表示 *1) を利用することで、スムースな可視化観察を実現することができます。
*1) AVS/Express Version 8 からサポート
データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、大規模、OCTA/COGNAC
可視化手法 Point Sprite、抽出


ネットワーク構造の可視化


図)3_1 構造(左)
  4_1 構造(右)
1932年に、Lavesらは、3_1や4_1と呼ばれるネットワーク構造を論文発表している。
(H. Heesch, F. Laves, Z. Kristllogr. 85 (1933) 443)
4_1は、ダイヤモンドの結晶の形として知られるものである。
3_1は、後に、異なる研究分野で別々の名前が付けられている。例えば、結晶学に基づく(10,3)-a、SRS格子、離散微分幾何学に基づくK4 graphがある。
(gfaファイルは、1933年の論文の図を、多方向からの観察のために、VR化したものである。)

GFA ファイル(643B) 3_1 構造
GFA ファイル(553B) 4_1 構造

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 結晶
可視化手法 ボール


double-K4 格子構造の炭素結晶


K4
K4格子構造をもつ炭素結晶に関する研究は、東北大WPI-AIMR小谷元子機構長らのグループで、研究されている。
高分子相分離構造からのinspireを受け、K4格子の入れ格子構造のdouble K4の炭素結晶も提案できる。このdouble K4の炭素構造は、最近接原子数が3個で、第二近接の距離が、2.0Å(オングストローム)とsp2ボンドの1.6倍程度であり、安定な構造となることが期待される。入れ子格子化により、均等性が増し、K4の炭素結晶よりも安定的と推察される。

doble K4

特に、ダイアモンドよりも、炭素が密に詰まっている規則的な構造という点で、非常に興味深い。
現在、この物質が安定に存在するか、どのような物性を示すかについては、計算機シミュレーションで研究中である。

GFAファイル(29 KB) K4 格子 (ball-1unitcell)

GFAファイル(328 KB) K4 格子

GFAファイル(329 KB) K4 格子 (ball)

GFAファイル(63 KB) double K4 格子 (ball-1unitcell)

GFAファイル(679 KB) double K4 格子

GFAファイル(680 KB) double K4 (ball)

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード K4格子
可視化手法 ボールアンドスティック


K4 格子構造をもつフェノール樹脂


K4 格子と K4 フェノール樹脂

フェノール樹脂では、六員環の3カ所に、六員環同士をつなぐ 炭素が結合可能であり、3配位のネットワーク構造を作ることが できる。純粋数学からの提案として、周期構造を持つ3次元空間 中で等方性の高い3配位ネットワーク構造であるK4格子に由来し た材料を考えることができる。 現実の材料創製への道のりは長いが、この物質が安定に存在す るか、どのような物性を示すかについては、計算機シミュレー ションで予測可能であり、現在進行中である。

GFAファイル(328 KB) K4 格子
GFAファイル(2523 KB) K4 フェノール樹脂

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード K4格子


double K4 格子と double K4 フェノール樹脂


double K4 格子と double K4 フェノール樹脂

フェノール樹脂やエポキシ樹脂は、自動車用部材等の工業材料 として、ゴムに匹敵するほど昔から、広く利用されている。 車両の軽量化の観点では、耐熱性が高く、丈夫な材料が望まれ、 これまで数多くの改良がなされているが、その理論限界は、 明確ではない。通常のフェノール樹脂は、アモルファスなネッ トワーク構造であり、純粋数学からの等方性の高いネットワー ク構造は、ある種の限界性能を示すと考えられる。 計算機シミュレーションによる限界性能の把握は、フェノール 樹脂の改良の方向性提示や研究開発の判断等にも資する と考えられる。

GFAファイル(679 KB) double K4 格子

GFAファイル(5226 KB) double K4 フェノール樹脂

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード K4格子、K4フェノール樹脂


K4格子とジャイロイド構造の可視化


ダブル・K4格子(入れ子構造)とダブルジャイロイド構造の比較表示例
K4格子は、ダイヤモンド格子と並び、等方性が高い結晶構造であることが、2008年に明治大 砂田利一先生によって明らかにされている。このK4格子は、微分幾何における極小曲面 シュバルツのG-surface 〜ジャイロイド構造〜と関連がある。K4格子は、離散調和写像であり、極小曲面の心棒のようなもので、同じ由来である。(東北大学 小谷元子先生談)。
可視化を考える場合、K4格子構造は、結合ベクトルを定義したユニットセルの繰り返しで作ることができる。一方、ジャイロイド構造は、界面の近似式から計算した等値面として得ることができる。これらの2つの複雑な3次元ネットワーク構造が同一であることを、従来の2次元画面での可視化で理解するのは困難である。(左の例では、より複雑な入れ子構造の例を示している)
3次元VR立体視を用いると、由来を知らない人でも、容易に、同じと納得できる。2つのgfaファイルをステレオ環境で比較するためのモジュール *1) を利用して3次元VR表示すると、両者が同一であることが、誰にでも容易によくわかる事例である。VR表示での両眼視差に加えて、回転させることによる運動視差の効果を用いると、人間の空間認知能力が高く発揮されることを体感できる事例となっている。
*1) AVS/Express Version 8 でサポート

GFAファイル(3,661KB) ダブル・K4格子
GFAファイル(245KB) ダブルジャイロイド

データ提供 防衛大学校 萩田克美 様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード K4格子


K4炭素結晶の可視化


K4対称性を有する
3次元金属結晶の表示
第一原理シミュレーション計算によって存在が示された *1) ダイヤモンドとグラファイトに次ぐ第3の炭素結晶構造を可視化した例。
AVS/Express CCMS ライブラリ *2)を使用。

*1) 2009年2月 東北大学金属材料研究所・計算材料学研究部門(川添グループ)、同大学数学科の小谷元子教授、同大学多元研の阿尻教授、及び明治大学の砂田利一教授(東北大学名誉教授)の CREST チームによる。

同拡大図
*2) AVS/Express Version 8 でサポート
データ提供 東北大学 金属材料研究所 教授 川添 良幸様、
Yanshan University Wen Bin様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 第一原理計算、TOMBO
可視化手法 ボールアンドスティック


シリコン結晶表面上に自己整列したマンガン原子ナノワイヤー


シリコン結晶表面上に自己整列したマンガン原子ナノワイヤー
シリコン技術の終焉の後に期待されているナノテクノロジーで一番重要な1ナノメータールールのデバイス。 その実現に向け、実験・理論の研究が精力的になされています。そこでは、従来の写真技術は全く役に立たないため、 ナノスケールの配線の実現方策が探求されています。表紙の図は、(a) 実験的にシリコン表面に自己整列させることに 成功したことを、走査トンネル顕微鏡で観測した例です。 明るいところがマンガン原子に対応するというレベルの解像度です。

そこで(b) 第一原理計算を行い、原子構造と電子密度を求めました。 その結果、赤球で示すマンガン原子の自己整列の理由が解明されました。 スピントロニクス用材料としての可能性も示す結果であり、応用上も重要な成果です。

GFAファイル(4,394KB)
データ提供 東北大学 金属材料研究所 教授 川添 良幸様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 第一原理計算、VASP
可視化手法 ボールアンドスティック、等数値面


フィラー充填ゴムの粗視化分子動力学解析


フィラー充填ゴムの粗視化分子動力学解析
ゴム材料は,ミクロスケールでみると高分子鎖とフィラー(カーボンブラックやシリカなどの混ぜ物)で構成されていますが、 大変形を加えても元に戻る、変形速度や変形量、変形の回数で硬さが変わるなど、複雑な特性を示します。 これは、高分子鎖の絡み合いや、フィラー表面と高分子鎖の間の相互作用、フィラーの凝集構造の崩れなどに起因するなどと言われています。 そこで、ミクロスケールの計算モデルを伸張させることにより、ゴム材料の挙動を確認しました。 特定のフィラー同士が高分子鎖を介して結合していることにより、フィラーの動きが制限されています。 歪が大きくなると、フィラー間で高分子鎖が伸びて(緑や赤で表示)張力を出している様子が観察できます。
データ提供 トヨタテクニカルディベロップメント株式会社様
使用アプリケーション AVS/Express
キーワード 分子動力学計算、OCTA/COGNAC


圧延3次元FEM解析システム表示例


圧延3次元FEM解析システム表示例
日本鉄鋼協会、東大生研柳本研、早稲田大学浅川研が合同で開発した棒線圧延3次元解析システムの3次元表示機能部分を MicroAVSで行っています。
データ提供 日本鉄鋼協会・東大生研柳本研・早稲田大学浅川研
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 塑性加工


Fe-Cr合金の相分解シミュレ−ション


Fe-Cr合金の相分解シミュレ−ション
図は、Fe-Cr合金におけるα(bcc)相の相分解の3次元シミュレ−ション結果である。計算手法には、 小山氏の研究グル−プが開発を進めている"Phase-field法" を用いている。計算条件は、合金組成がFe-40at%Cr、 および温度はT=773Kで、図の1辺の長さが 20nmであり、3軸は体心立方格子の<100>方向である。 図中の暗い部分が析出相と母相の界面で、Cr濃度50at%の等濃度面にて析出相表面を表現している。 図中の数値は無次元化された時間である。これより、相分解初期にスピノ−ダル分解によって、 高Cr濃度のゾ−ンがいたる所に生成し(t=40s')、相分解の進行に伴いゾ−ンが繋がりながら、 "まだら構造"が形成されることがわかる(t=60s')。また相分解後期において、 ほぼ自己相似性を保ちながら組織は粗大化していく(t=100s'〜800s')。

本手法の利点の1つは、α相の化学的自由エネルギ−として、Fe-Cr合金の平衡状態図(相図)を正確に表現する 熱力学的デ−タを用いている点にある。したがって、本計算は単に定性的なシミュレ−ションではなく、 その合金系の平衡状態図(相図)に直接対応した、定量的な計算となっている。特に金属材料分野では、 平衡状態図における各相の化学的自由エネルギ−の多くが、すでに組成および温度の関数として求められているので、 計算に必要な熱力学的パラメ−タの入手が容易であり、本結果のように実在材料のナノメ−トルサイズにおける組織形成予測を シミュレ−ションに基づき解析することが出来る。

材料における組織形成過程は、典型的な非線形現象を含む場合が多く、従来 相変態・組織形成の計算機シミュレ−ションの分野は定性的な議論が中心であった。しかし近年の計算機の発展は、 このような相分解組織制御を定量性をも含めて、設計シミュレ−ションとして行うことを可能にしつつある。事実、 ここで紹介した計算結果は、最近のパ−ソナルコンピュ−タで1時間以内(条件によっては数分以内)に計算でき、 ほとんど対話式に材料の組織形成過程を計算機実験することが可能である。今後、試行錯誤の要素も加味しながら 対話式に材料設計を行える組織形成計算システムの構築を目指している。

データ提供 名古屋工業大学工学部 材料工学科 小山敏幸 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード Phase-field法
可視化手法 等数値面


MRIによる多孔質体の構造と内部流動の可視化


MRIによる多孔質体の構造と
内部流動の可視化
多孔質体とは(例えばスポンジのような)中に穴が多数空いたものの総称である。多孔質体の内部流動を解析することは、例えばフィルター内部の流体解析やコンクリートに水が染み込む様子の解析など、幅広い分野の研究において必要となり、工業的に大変重要だ。しかし、多孔質体は大変複雑な構造をしており、内部流動の計測は困難である。

構造の測定にはMRIを使用した。MRIは水(プロトン)の計測を行うので、多孔質体は水で満たさなくてはならない。多孔質体の試料には、ガラス片を円筒形に焼き固めたものを用いた。直径は約4cm。

試料の中心から上下4cmの間で等間隔に81枚の断面画像を撮り、画像処理を施し、MicroAVSを利用して3次元画像を構築した。画像中、白い部分がガラス片。
データ提供 松家 剛 様(元 東京工業大学大学院)
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 多孔質体
可視化手法 等数値ボリューム


塑性加工【引抜き加工時の内部割れのシミュレーション】


引抜き加工時の内部割れの
シミュレーション
丸棒を過酷な条件で引抜き加工した場合、丸棒の中心部に引抜き方向に周期的に割れが発生します。 この割れ(クラック)の形状が山形(シェブロン)に似ているため、この割れはシェブロンクラックと呼ばれています。
一般に、割れは材料の空孔体積率と関係があると言われています。そこで、材料の空孔体積率がある値以上の場合に 材料が割れると仮定して、解析が行われています。
データ提供 大同大学 工学部 総合機械工学科 機械システム専攻 小森和武 教授
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 塑性加工


塑性加工(三次元圧延)の数値シミュレーション結果の
コンター線表示


数値シミュレーション結果の
コンター線表示
データ提供 大同大学 工学部 総合機械工学科 機械システム専攻 小森和武 教授
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 塑性加工
可視化手法 線コンター


非破壊検査【コンクリート中を伝搬する超音波の可視化】


中心周波数0.2MHzのパルスを送信した場合のコンクリート中の超音波伝搬
コンクリート片の上部に超音波探触子を置き、SH波モードで内部に超音波を送信した場合の可視化結果です。 超音波が通過すると、骨材同士の多重反射によって散乱波があちこちで発生し、この散乱波が次第に拡散していく様子がわかります。 この散乱減衰と材料による散逸効果(今回の解析中では散逸は考慮していません)の相乗作用によって、実際の超音波はコンクリート中で強い減衰を示すものと予想されます。 また、骨材のランダムな分布によって超音波の波面が局所的に崩れていくのがわかります。

詳細は愛媛大学 構造工学研究室のページ
データ提供 愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 中畑和之 様
使用アプリケーション MicroAVS
キーワード 超音波、非破壊検査、コンクリート
可視化手法 断面


二酸化テルル結晶の弾性表面波


二酸化テルル結晶の弾性表面波
水面に起こる漣(さざなみ)はロマンチックなものです。例えば、静かな水面に蛙が飛込んだときの円形の波紋は、なんとなく愉快な気分にさせてくれます。そして、今、恋人たちが見つめる新しい種類の漣が表れました。結晶の表面を広がる波紋です。レイリー卿はガラスのような非晶質固体の表面に広がる波紋は円形であることを 1885 年に予言しました。しかし、結晶においては音速はその伝わる方向によって異なることが音響波動方程式の解析から予測されます。そのため、その波紋は円形よりももっと複雑な形となります。

私達のグループは、同北海道大学やフランスのメイン大学の理論物理学者グループと共同で、結晶表面の漣の美しい模様を明らかにしました。私達は、池に飛込む蛙を超短時間幅のレーザーパルスに、水面を結晶表面に置き換えました。超短時間幅レーザーパルスは高い周波数の波紋を発生させることができます。さらに波紋を見つめる人の目の代わりに、別のレーザーパルスを使って観察しました。このようにして、私達は結晶表面の顕微鏡スケールの波紋の動画撮影に成功しました。

様々な結晶表面の一点から広がる波紋は、見慣れた円形ではなく、これまで見たことのない四角や星形をしています。星霜が木々の年輪に刻まれるように、波紋にはその通過点の物質の性質が記憶されます。そして波紋を「読む」ことによって物質の弾性的な性質を明らかにすることができます。波紋のエネルギーがある特定の方向に集中する現象は「フォノン収束効果」として知られていますが、私達の波紋の映画は、フォノン収束効果を文字通り視覚化してくれます。

このアニメーションは、厚さ 1mm の二酸化テルル (TeO2) の結晶の基板の上に厚さ 40nm の金薄膜をつけた試料の 150μm×150μm 領域の弾性表面波の波紋の映像です。二酸化テルルの結晶は正方晶系の対称性を示し、強い異方性を持ちます。 この結晶の結晶軸 (011) 方向の切断面の波紋は強い異方性とその結果として起こるフォノン集束効果のために、とても複雑な形となります。

北海道大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻 量子物性工学講座 量子機能工学研究室
データ提供 北海道大学大学院工学研究科 量子物理工学専攻 Oliver B. Wright 教授
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キーワード 結晶
可視化手法 鳥瞰図


ダイオキシン分子モデルの3次元表示


2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ
-p-ジオキシン
ダイオキシン類は塩素と酸素を含む有機化学物質の一種で、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)と ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)がある。物を燃やしたり、塩素を含む有機化合物を製造する過程などで、副生成物などとして自然に生成され、廃棄物の焼却施設が最大の発生源であり、たばこの煙にも含まれていることが分かっている。
データ提供 函館工業高等専門学校 物質工学科 長尾輝夫 准教授
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キーワード 分子


ユニットセルに存在するイオンとそのイオンに
作用する力のベクトル表示


ユニットセルに存在するイオンに
作用する力のベクトル表示
データ提供 広島大学 生物圏科学研究科
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キーワード イオン
可視化手法 ベクトル