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顧客事例 エレクトロニクスメーカー

世界でも注目される、ある大手のエレクトロニクスメーカーでは、ディスクメディアの光ピックアップ部品に革新的で新しいデザインを施すために、Goldfireを導入しました。

その結果、新しいデザインは製品の信頼性を向上させつつ部品点数と製造コストも削減。同社の市場シェアが増加し、3年間で7,770万ドルのコスト削減に繋がったのです。

背景

同社では、製品全体の信頼性と機能を維持・向上させつつ、コストも大幅に削減する画期的なソリューションを設計して、ディスクメディア市場での主導的地位を強固なものにしようとしていました。

このケーススタディでは「SELLINOプロジェクト」のプロセスと結果をご紹介します。これは、同社の革新的な新製品の設計を通じてコストを削減する「エクストリームトライアル(極限ケース)」シリーズの一つです。

Goldfireの活用

光ピックアップは、データの記録と再生を実行するためCDやDVDのデバイスで使用されますが、仕様に互換性がありません。

よって、一つのデバイスにCDとDVDの機能を持たせるには、従来の設計では2つの独立した光ピックアップシステムを搭載しています。

同社のチームは、このジレンマを直接解決すべく、複数の代替設計バリエーションを考案しました。最も革新的なデザインは、レンズとDVDレーザーダイオードとビームスプリッタの除去に関するものでした。しかし、取り除いたコンポーネントの機能を実現するために、可能な解決策を見つける課題に直面していました。

まず、創造的で独創的な思考を生むために、特許・文献知識ベースに取りかかりました。発明原理のライブラリーは、類似した技術的な課題が過去にどうやって解決されたのか、概念的な洞察を提供してくれます。これらの原理は、光コンポーネントの単一の仕様で相反するCD-DVDの要件を実現する方法といった、矛盾を解決するための創造力を助けてくれます。

エンジニアは、システム進化パターンについてGoldfireのライブラリーを参照しました。パターンは、アドバイス・特許文献の分析からの概略・システム要素と測定技術の間の相互作用を最適化する代替構成など、多岐に渡る内容でした。

これらの創造的な洞察力を武器に、同社は既存技術・社内ナレッジベースおよび世界中の特許文献や先行技術を追求していきました。

Goldfireのセマンティック検索、自然言語のクエリを使用して、チームはすぐに課題に関連する概念を取得していました。

例えば「二つの異なる波長の光を放射するにはどうすればよいか」などのクエリや「CDとDVDの光ピックアップを組み合わせる方法は?」などの質問に対して、正確な機能要件の記述部分がハイライトされた文書リストを取得。数百万にも上る専門特許および数年分の社内文書の中にある活用技術のノウハウからの探索を、わずか数時間で行うことができたのです。

また、Goldfireのテキスト要約機能を活用して文書の関連性を評価し、適切なコンセプトを抽出しました。Goldfireのソリューションマネージャが、潜在的なソリューションと考慮に値するコンセプトのリストを素早く組み立てます。ソリューションマネージャとは、特定された各問題や機能的な課題の潜在的な解決策を管理し、ランク付けを行うためのフレームワークです。

出されたソリューションは、実装時間・コスト・信頼性・製造の可能性およびその他の要因など、客観的な基準で相対的にランク付けされます。その結果、一番良いとされたアイデアは、技術的・法的な実現可能性、市場への適応性と競争力のある差別化を確保するために、特許とDeepWebの方面から詳細に検証されました。そして再度、Goldfireのセマンティック知識エンジンで、複雑な技術文書を素早く識別しナビゲーションを実施。最終的に、単一波長、二波長のレーザーダイオードと二つの異なる発光ダイオードを交換し、ビーム分割キューブと関連する個々のレンズの必要性を排除したソリューションを設計することができました。

プロジェクトの成果

本プロジェクトでは、コストと複雑な構造という問題をクリアして、CD-DVDデバイスの信頼性を向上させた光学部品の理想的なデザインを構築しました。2つのレーザーダイオードを1つに統合し、レンズも6枚から4枚に減らすことで、プロジェクト全体の部品点数の38%が簡素化され、コストも削減できました。製造時の接合点を38から26に減らすことで、信頼性は33%向上しました。調整点も13箇所から8箇所に減らし、製造プロセスの生産性が38%向上しました。

新デザイン採用の結果、同社はCD-DVDプレーヤー1台当たり3.70ドルのコストを削減。年間700万台ペースでの生産を3年間行い、総額7,770万ドルの削減に繋がったのです。さらにこの新デザインで13件の特許を申請し(うち4件は米国での申請)、知的財産ポートフォリオの拡大にも貢献しています。

Goldfireを体験できるセミナー

それぞれの工程で解決案を発見し、それを持続的な「イノベーション」につなげるためのソリューション、それがGoldfireです。

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