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顧客事例 パナソニック 株式会社

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社  技術本部 プラットフォーム開発センター
主任技師 福谷 淳一 様

「過去の不具合情報や個人が持つ品質情報を最大限活用する」 過去のトラブルを再発防止に活かしたい、他拠点の技術者同士で課題解決に取り組んでほしい。
パナソニックの福谷氏に、同社内で眠る知識・情報の活用にGoldfireをどう使っているのか、紹介していただいた。

パナソニック(以下同社)は、大手家電メーカーとしてその名を広く知られているが、家電のほか住宅、車載、BtoBの事業領域がある。福谷氏が所属するオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社では、車載機器や電池、電子部品や半導体などを扱っており、BtoBの事業をメインに活動している。福谷氏の主な業務は設計品質の向上で、各事業場での困りごと解決や未然防止活動の推進に携わっている。Goldfireの利用歴は2年ほどだが、課題解決や技術交流などに活用しているとのこと。

社内にある過去のトラブル・不具合情報を品質向上に活かす!

同社では設計・開発業務でミスが発生すると、その失敗を次の設計に活かすべく、チェックリストの活用や情報共有を行うなどして、再発防止に努めている。しかし、それがうまく進まずに困っていた。 その原因の一つは、過去のトラブル・不具合情報を容易に探索することができないことにあった。情報がグループ内のみで人による限定的な共有となっており、他グループや他部門からの探索が容易でなく、新しい部品や技術の投入時に過去のトラブルが活かされていない。

そこで「事業場を横断して設計者が容易に不具合情報を探索できる過去トラブル・データベースの構築」のためのツールとしてGoldfireに着目した。過去トラブルの形式化された文書構成がGoldfireと親和性が高いと見込んだからだ。導入時には社内にGoldfireサーバーを立てて知識ベースを構築し、過去トラブル75,000件をデータベースに登録。さらに、外部のWebサイトからは各社のリコール・不良情報・失敗事例などを取り込んでいった。

実際に活用してみると、セマンティック検索によりヒット率が向上し、かつレンズ機能により情報があらかじめ分類されているために探しやすくなったそうだ。この分類から、トラブルの発生原因・故障モード・発生箇所が分かりやすくなった。異なる事業場で同じ失敗をしていたなど部門を横断した情報共有が可能になり、市場のリコール・不具合情報も容易に閲覧できるようになり、未然防止にも役立っているという。

社内の知見者を素早く探し出してマッチング、技術課題の解決につなげる

もう一つの活用方法については、事業場内でクローズしている技術情報・知見を、他の事業場での課題解決に役立ててもらう試みだ。 これまでも相談や問い合わせが技術本部に寄せられ、技術本部では解決策を持つ他の事業場から情報を入手して、それを問い合わせ先に渡していた。今後はさらに事業場の技術者同士で解決策を導いてもらう風土を根付かせていきたいと考えている。

福谷氏はある事業場での例を挙げてくれた。 そこでは電子部品の製造において課題が発生しており、他の事業場ではどんな対策をしているのか、課題の解決案は何かないか知りたい、との相談だった。 技術本部では、調査内容を整理・構造化して周辺技術などについてもヒアリングを行い、本当に知りたいことを絞り込んでいった。この絞り込んだ内容を元にしてGoldfireを使い、役立ちそうな知識や情報を探索する。さらに保有技術に関する特許出願数から社内の専門家を探しだし、技術本部から専門家に対し質問者と聞きたい内容を伝えて、アドバイスや助言をもらいたい旨の仲介連絡を出す。このような感じでマッチング(お見合い)を行い、事業場の技術者同士で課題解決に取り組んでもらうようにした。

これにより、Goldfireを活用して真の課題の絞り込みが効率よく実施でき、技術交流の手助けにもつながるなど、大きな効果があったそうだ。

福谷氏は、最後に「Goldfireを活用して社内品質情報を蓄積して共有する仕組みが構築でき、未然防止の活動や事業場での困りごと解決にとって大きい効果がありました」とその成果を述べ、今後は、知見を得た事業場が直接他の事業場を助ける風土作りや、会社全体として、知見を共有・高める仕組み作りも手掛けたいと、意欲を語って講演を締めくくった。