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顧客事例 建築材メーカー

セメントとコンクリートは、世界中で何十億トンも使用されている材料です。また、世界中の需要が伸び続けていることに伴い、原料の価格、そしてセメント製品を製造する際に費やされるエネルギーコストも上昇する一方です。

セメントの生産は、一般的に、粘土鉱物であるカオリンのような採掘された原料を中心に行われます。原料はまず粉砕されて粉末状にされ、適切な比率に混ぜ合わせられます。そして、焼成するために窯に入れられ、その後は再度粉末にされます。最終的には“クリンカー”として知られる製品として完成します。

課題 - Challenges -

製品価格についての絶え間ないプレッシャーと、上昇を続ける製造コストに対応するため、世界規模の建築材料メーカーA社は、代替となりえる材料を探していました。特にカオリンの価格が急激に高騰しているため、自社の白色セメントについて少なくとも部分的にカオリンを代替しようと努力していました。

このため、A社の研究開発センターから専門チームが設立されました。改質白色セメントクリンカーを実現するために、カオリンの代替品を探し、代替品利用によって生じる特性の好ましい変化・好ましくない変化を特定・理解します。さらに製品特性に対する好ましくない影響を最小限にできるような添加物の特定も行います。

このような研究開発の範囲、費用、そして複雑さを考えると、今までの経験に基づいた方法だけでは膨大な時間とコストがかかることは目に見えていました。現実的な代替品を迅速に特定できるよう、A社はGoldfireを活用することにしました。

解決策 - Solution -

まず、Goldfire内に知識ベースを構築し、セメントやコンクリート産業に限定した数十件の科学情報誌の要約を含む100万件ほどのドキュメントをあらかじめ索引付けしました。次に、Goldfireの強力なセマンティック検索技術を活用し、セメントの生産過程で部分的にカオリンの代替になるかもしれないと考えていた鉱物について調査を始めることができました。

何百万件もの特許文書を隅々まで意味検索できるGoldifreの機能とあいまって、A社のGoldfire知識ベース内の豊富な技術コンテンツからは、カオリンの代替候補である鉱物に関して詳細な情報が掲載された十数件の文書が迅速に抽出されました。そのうちの一件からは一連の実験結果が分かり、また別の重要な文書では、最適な構成物の処方について詳細に供述されていました。その他にも、代替の鉱物を使用する際の潜在的な難点に関する貴重な情報を提供する文書も見つかりました。

A社の専門チームはこれらの知識を活用して、Goldfireを利用し、現在のクリンカー生産の詳細な機能モデルを構築しました。この結果から、クリンカーの構成要素間におけるすべての潜在的な相互関係―有害なものあるいは有益なもの両方―をより明確に特定し、理解することができました。特に、カオリンの削減もしくは撤廃を考慮する上で検証すべき相互作用をくまなく検討したことを確認できました。

結果 - Result -

A社はGoldfireを利用したリサーチ結果をもとに、既存のセメントクリンカー製品の新たなバリエーションを特定し、カオリンの使用に起因するコストを大幅に削減することができました。

また、コンテンツにピンポイントで正確にアクセスでき、信頼性の高い分析や問題解決法を提供するGoldfireを利用したおかげで、新しい処方の調査にかかる工数を4ヶ月ほども短縮できたと見積もっています。このことで、製品を市場に出すまでの工程が大変迅速になりました。

初めてGoldfireを利用した今回の成果は、年間約50万ユーロもの原料コスト削減という結果をもたらしました。それだけでなく、今回の新しい処方は、製造時の温度を摂氏100°C以上下げる結果となり、予想外のエネルギーコストの削減にもつながりました。

Goldfireを体験できるセミナー

それぞれの工程で解決案を発見し、それを持続的な「イノベーション」につなげるためのソリューション、それがGoldfireです。

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