セミナー・イベント
基礎からの粘弾性セミナー 2024
初心者でも理解ができるようにわかりやすく解説を行います。
本セミナーは、Ansys等の有限要素法による解析ソフトを用いて、高分子材料のような固体の粘弾性解析を行う解析技術者を対象にしています。
粘弾性に関する基礎的な解析理論や物性値の計測に関する知識、そして実際の有限要素法による解析手順に関して、初心者でも理解ができるようにわかりやすく解説を行います。
本セミナーでは、線形粘弾性(微小ひずみ)の基礎理論から、高分子材料の粘弾性解析に関する材料特性を評価するための実験方法、Ansysに入力する必要がある粘弾性材料定数の算出方法、そして実際にAnsysを用いた粘弾性解析の手順やトラブルシューティング等のノウハウについて、例題を用いながら説明します。
- 対象
- 製品未利用ユーザー向け
- 種類
- CAE技術トレーニング
- 受講料
- 有料
日程・お申し込み
開催概要
開催会場 |
弊社 東京本社セミナールーム および オンライン |
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開催時間 |
2024年11月1日(金)9:30~17:00 |
定員数 |
対面15名、オンライン5名 |
対象 |
・高分子材料のような固体の粘弾性解析について、基礎から学びたい方および基礎研究、製品開発のため解析・設計業務をされている技術者 |
受講料 |
55,000円(税込) |
講師 |
日本大学生産工学部 平山紀夫教授 |
視聴に必要なシステム要件 |
こちらをご覧ください。(オンラインの場合のみ) |
セミナー詳細
樹脂とゴムを中心とした高分子材料については、「材料を制するものは技術を制する」と言われるように、現在各企業において激しい開発競争が行われています。当社は高分子材料を用いた構造または部品設計に関わっている技術者の方々向けに、粘弾性の基礎知識から、Ansysを用いての高分子材料のFEM解析手法等を紹介すべく、この特別セミナーを企画いたしました。皆様の技術レベルアップ、開発期間の短縮及び製品品質の向上に少しでもお役に立てていただければと思います。
セミナーの午前の部では、実験で求めた粘弾性の計測データをどのようにして有限要素法による数値解析の入力データに変換すれば良いのか?そして、その際にどのようなことに留意してデータのフィッティングをすればよいのかを、実際の計測データを使用して分かり易く説明します。また、Excelによる粘弾性現象のシミュレーションを使用して受講者が粘弾性挙動やその定式化を理解しやすいように工夫しています。
午後の部では、動的粘弾性測定装置(DMA)で計測したプラスチックの粘弾性データのフィッティングから、Ansysに入力する必要がある粘弾性材料定数を算出して、様々な粘弾性解析の手順について実習形式で演習し、解析に必要となるノウハウの詳細な解説を行います。特に実習で取り上げる例題は、粘弾性解析の基礎的な知識が身につくように工夫された解析事例を取り上げ、Ansysを使用した実際の粘弾性解析業務に直接役立つように工夫しています。これらの例題の解析ファイルを雛形として、Ansysを用いた標準的な粘弾性解析の手順が習得できるはずです。
皆様のご参加を心よりお待ちしています。
アジェンダ
午前【理論編】
1. 線形粘弾性解析に必要な知識
1.1 高分子材料について
1.2 粘弾性の材料構成則
1.3 粘弾性モデル(フォークト要素とマクスウェル要素)
1.4 一般化Maxwellモデル定数の算出
1.5 例題1:Excelによる一般化Maxwellモデル定数の算出
2. 試験方法とデータ分析
2.1 各種粘弾性試験方法と試験規格
2.2 プラスチックの動的粘弾性試験
2.3 一般化Maxwellモデルにおける複素弾性係数
2.4 粘弾性体の損失正接と減衰振動の関係性
2.5 各粘弾性試験データの相互変換
2.6 時間-温度換算則とマスターカーブ
2.7 動的粘弾性試験の測定データから一般化Maxwellモデル定数への変換
3. Excelによる粘弾性解析
3.1 Excelによる動的粘弾性データの解析
3.2 Excelによる粘弾性挙動のシミュレーション
3.3 FEM解析との比較(単軸応力場から多軸応力場へ)
※ 各章に、粘弾性理論の理解を深められるように工夫した例題とその詳細な解説を設けています。
午後【実践編:Ansysによる実習】
4. Ansysで粘弾性解析を実施するために必要な知識
4.1 粘弾性解析の分類と解析例
4.2 粘弾性材料の定義
4.2.1 Prony級数(時間依存性の定義)
4.2.2 複素弾性率(周波数依存性の定義)
4.2.3 シフト関数(温度依存性の定義)
4.3 粘弾性解析設定
5. Ansysによる粘弾性解析の実習
5.1 実習例題1 動的粘弾性試験の検証解析(周波数応答解析)
<実習の目的>
曲げモードによる動的粘弾性試験では一般的にポアソン比を一定と仮定するが、FEMによる解析では体積弾性率を一定と仮定して解析を実施することが多い。本例題では、動的粘弾性試験を模擬した解析を両仮定の下で実施してその違いを確認する。また本例題を通して周波数応答解析の実施手順を確認する。
5.2 実習例題2 樹脂の静的粘弾性解析
<実習の目的>
動的粘弾性試験で計測した粘弾性データを使用して、応力緩和現象とクリープ現象が表現できることを学ぶ。
さらに、Ansysによる時間領域での粘弾性解析手順と必要となる手順について学ぶ。
5.3 実習例題3 各種プラスチック材料の振動減衰特性の評価(過渡応答解析)
<実習の目的>
動的粘弾性試験で得た粘弾性特性を定義して、過渡応答解析を実施する手順を確認する。この解析例題を通して、粘弾性特性によりプラスチックの材料減衰(減衰比)が算出できることを確認する。
5.4. 実習例題4 熱粘弾性モデルを用いた積層材料の熱硬化収縮およびそり解析
<実習の目的>
樹脂と異種材料が組み合わされた積層構造を例に、接する材料間の熱収縮や膨張および弾性率のミスマッチに起因する反りや熱応力の発生を予測する解析手順を紹介する。樹脂の粘弾性特性や線膨張係数の温度依存性が解析結果に与える影響についても確認する。
質疑応答
※上記の内容は若干変更される可能性がありますので、ご了承ください。