製品
Ansys Mechanical 主な新機能
2018年1月、Ansysの最新バージョン19.0がリリースされました。19.0で特に注目度の高い新機能をご紹介します。
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※利用可能な機能はライセンスによって異なります。詳しくはお問い合わせください。
R19.0からHPCがお得に
Pro Premium Enterprise ※レガシー製品には適用されません並列計算時に利用できるコア数が改定され、今までよりも低コストでご利用いただけます。本変更は19.0のライセンスマネージャをインストールしていただきますと、過去のバージョンにも遡って適用されます。
標準利用可能コア数が4コアに倍増
ソルバーライセンスのみでご利用いただけるコア数が、従来の2コアから4コアへと倍増しました。計算速度向上にご期待ください


2コア利用時に比べて、4コアで倍程度の速度向上が期待できます。
HPC Packを追加した12コアでは4倍程度の速度向上が期待できます。
HPC Packと標準コアの組み合わせが可能
HPC Packご利用時に、標準でご利用いただけるコア数との組み合わせが可能になります。
HPC Packを1個併用するだけで12コアもの並列計算ができます。

音響解析機能 (音響モーダル解析/音響周波数応答解析)
新解析システム「音響モーダル」「音響周波数応答」を追加
EnterpriseR18.2より新しい解析システム「音響モーダル」「音響周波数応答」が追加されました。静穏化・静粛化が求められる製品の開発などにご利用いただけます。音響と構造の連成解析(片方向およびフル連成)も可能です。



励起条件として表面速度や入射波音源などを設定できます。境界条件として剛体壁のほか、インピーダンス境界や吸音材(JCAモデル等)を設定して吸音効果を考慮できます。
また、PML(完全整合層)による無限境界のモデル化により、無限境界より外側の領域をモデル化せず計算コストを低減することも可能です。R19.0より座標系の制約無く利用できる不規則PML機能が追加されました。
静的構造
SMART手法による亀裂進展解析
Enterprise
破壊解析をベースとしたリメッシングによる亀裂進展機能「SMART(Separating, Morphing, Adaptive and Remeshing
Technology)」が新たに搭載されました。大荷重による一発破壊を想定した静的亀裂進展解析(応力拡大係数/J積分基準)、および比較的小さな繰り返し荷重下での疲労破壊を想定した疲労亀裂解析(パリス則)
の2種類に対応しています。
亀裂進展方向を事前に定める必要は無く、破壊パラメータの値により自動的にリメッシングを行いながら亀裂を進展させるので、簡単かつ効率的に亀裂進展解析を行えます。
解析中はサブステップごとに亀裂進展量が評価され、リメッシングが行われます。そのため、亀裂進展状態の表現には相応のサブステップ分割が必要になります。

非線形アダプティビティ(リメッシング機能)の強化
メッシュのひずみが大きい際に、メッシュを再分割してエラーを防止する機能「非線形アダプティビティ」が高次四面体要素にも対応し、塑性加工など構造解析の幅広い分野で活用できるようになりました。あわせて、高次要素のゆがみを評価しやすいヤコビヤン比をリメッシュの閾値に設定する機能も追加されています。

さらに、細分化アルゴリズムやリメッシング勾配の設定項目が追加され、リメッシング方法の細かな指定が可能になっています。

小滑り接触機能
DesignSpace以上
小滑り接触機能は、接触面間に小さな滑り(接触長さの20%未満)が発生する場合に利用できます。接触の探索は解析の最初に1回だけ実施され、各接触要素と接触検出点の接続性は解析中に変化しません。これによりマトリクス計算の効率が良くなりスケーラビリティが向上したほか、解析のロバスト性も向上しました。
小滑り接触機能は、デフォルトの「プログラムによるコントロール」を選択しておくと、大変形OFFの解析で自動的に適用されます。


陽解法動解析
ジョイント機能をサポート
Enterprise
陽解法動解析にジョイント機能が追加されました。歯車やベルトのような駆動部品に対して接合部に回転や円筒、並進、スロット等、さまざまな種類のジョイントを定義でき、従来の摩擦接触定義よりも安定した計算を実現します。
また、自動でパーツ間のジョイントを生成する機能も備えており、操作性にも優れています。例えば、チェーンの破断解析やロボットアームの衝撃解析などに応用できます。
Ansys LS-DYNA
Workbench LS-DYNA ACT を標準でインストール・利用可能ライセンス拡大
Ansys LS-DYNAEnterprise PrePost
Ansys LS-DYNA用の拡張キットであるWorkbench LS-DYNA
ACTが標準でインストールされるようになりました。使い慣れたMechanicalの画面上でメッシュ作成・境界条件・解析実行・結果表示の一連の作業を実施できます。外部モデル機能を利用したkファイルのインポートも可能です。
なお、本ACTはEnterprise PrePostライセンスでもご利用いただけるようになりました。(解析実行にはAnsys LS-DYNAまたは3rd Party製のLS-DYNAが必要です)
メッシング
ボディフィットカーテジアンメッシュ
DesignSpace以上
メッシュ作成手法に新たに“直交座標”が追加され、オールヘキサメッシュの作成が簡単に行えるようになりました。階段状、または形状にフィットさせたヘキサメッシュが作成できます。ダーティな形状を素早く解析できるほか、陽解法解析用に利用するなど様々にご活用いただけます。
コーナー部などのメッシュ品質向上のために、インフレーション機能を組み合わせることもできます。


マルチゾーンメッシュのフィーチャ除去
マルチゾーン手法によるオールヘキサメッシュが失敗する原因は、多くの場合ジオメトリの問題でした。新たに搭載されたフィーチャ除去機能により問題のある小さな形状は自動的に除去され、メッシュ成功率が高まります。大規模なモデルでジオメトリの問題を見つけづらい場合に役立ちます

プリポスト
表面コーティング (ソリッド表面にシェル貼りつけ)
DesignSpace以上
ソリッドモデルの表面にシェル要素を簡単に作成できるようになりました。シェル要素の厚さ、座標系および材料の指定ができます。物体表面のコーティング(メッキや塗装など)の表現に利用できるほか、ひずみゲージのように貼り付けて表面の応力をより正確に評価するのにも利用できます。解析結果はコーティングした要素をスコープして表示します。

要素のバースデス(EKILL/EALIVE)
Enterprise
荷重ステップ単位で、ボディを有効化(バース)、無効化(デス) する機能が追加されました。組立工程や掘削過程など、モデルが順次追加/削除されていくような過程を模擬する解析に利用できます。APDL コマンドの EKILL/EALIVE コマンドと同等の機能です。
局所的最大/最小プローブ
DesignSpace以上
局所的な最大値/最小値をプローブとして表示できるようになりました。複数個所で応力が集中するような場合に、各箇所における局所的な最大応力値をすばやく把握できます。最大値/最小値が検出された座標位置を表形式で表示することもできます。

対応OS/CAD一覧
Ver19.0※【重要】 本対応表は簡易版です。ご利用OSにより対応CADが異なりますので、事前に詳細をお問い合わせ下さい。


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