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VOF法(ぼふほう / ぶいおーえふほう)
英訳:Volume of Fluid
VOF法とは、気体と液体の混相流解析のうち自由表面流れの解析手法で、界面捕獲法の一つです。
図のように、メッシュのうち液体が占める体積の割合を液体充填率Fという関数として定義し、移流方程式を解いて界面を求めていきます。
F値は0から1までの値をとり、F値が0であればそのメッシュの物性は気体(例えば空気)、F値が1であればそのメッシュの物性は液体(例えば水)として取り扱います。
F値が0から1の間の場合は、それぞれの流体の物性をF値で加重平均して取り扱います。そのため、界面近傍のメッシュはサイズが大きいと誤差が大きくなってしまいます。
VOF法ではメッシュ内の液体の体積率をF値として移流方程式を解きますが、計算過程では図のように極小さなF値が出現することがあります。
そのため、実際の解析ではこのような場合に発生する桁落ちを防ぐために、VOF法を使用した解析では倍精度での解析をおすすめします。
また、VOF法を使用した非定常解析では、計算を安定させるために、界面が大きく変化する場合には、特に時間の刻み幅を小さくすることをおすすめします。
Ansysにおける取扱い
- Ansys FluentおよびAnsys CFXでは、自由表面流れの解析手法としてVOF法を使用します。
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