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大型ガスタービン用アウターケーシングボルトのフィージビリティスタディ

Ansys optiSLangを用いて大型ガスタービンのアウターケーシングボルトの寿命とコストを最適化シミュレーションにより改善

2021年8月

大型ガスタービンのアウターケーシングのボルト締結部は、寿命とコストに関わる重要な部分です。過渡的な起動・停止時にボルトとフランジの間に生じる温度差と、降伏強度に近い油圧による張力付与が、ボルトの過度な伸びを引き起こす可能性があります。このフィージビリティスタディでは、ケーシングの測定値から熱伝達値をフィッティングし、製造、公差の影響、およびボルト位置やボルト・フランジ形状の違いによる熱伝達値の変動を調査したうえで、Ansys optiSLangを用いてボルトの寿命とコストを最適化シミュレーションにより改善します。

目次

熱伝達係数のパラメータ化

ボルト、ワッシャー、ナット、フランジの接触部の熱伝達係数(HTC)は正確な値を得るための簡単な方法がないため、接触ごとにパラメータ化します。Ansys Parametric Design Language(APDL)を使用してスクリプトを作成してパラメータ化しました。

ボルトとフランジ間の時間依存の温度差計算

ボルトとフランジの材料の熱膨張係数が似ていることから、これらの部品の間に温度差がないときに全体的に最良の動作が期待できます。このため最適化の目標は温度差を最小化することになります。Ansys APDLマクロ/ Extraction Tool Kit(ETK)を用いてボルトとフランジ間の時間依存の温度差を計算します。

Ansys optiSLangによる最適化シミュレーション

温度差に最も大きな影響を与える3つのパラメータは、ボルトの半径、ボルトの軸とボアホールの間のHTC、およびフランジの高さです。その他のパラメータは結果の変動にほとんど影響を及ぼさないため、Ansys optiSLang MOPアルゴリズムによって自動的にフィルタリングされました。フランジの高さとボルトの半径は簡単に測定可能な定数ですが、HTCの値を合わせるのは困難です。そこで、熱過渡環境下での適切な値を見つけるために、ボルト温度の実測値にモデルを適合させました。時間区間ごとに計3つのフィッティングされたHTCパラメータを使って、フランジとボルトの間の温度差を計算し、最適化シミュレーションを行いました。

ロバスト設計

ロバスト設計においては、製造や材料の公差の影響を検討することが、より高い関心事となっています。最も影響の大きい3つのパラメータの分布関数を使用して、温度差に対する偏差の影響を確認したところ、フランジの高さの偏差が温度差に与える影響は非常に小さいことが分かりました。

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