CYBERNET

資料ダウンロード

熱流体解析

化学反応と燃焼CFDに関する4つの重要な事実


公開日:2019年12月
数値流体力学(CFD)を使用すれば、燃焼プロセスを総合的に理解できますが、基盤となる燃焼の化学反応を十分に考慮する必要があります。60を超える燃料成分が複雑な化学機構を介して短い間隔で作用するため、強固な燃焼モデリングの成功には、どのコンポーネントがどの順序で作用するかという情報が極めて重要です。この認識に基づき、Ansysは燃焼化学反応データベースModel Fuels LibraryをAnsys Forteの燃焼CFDソルバーに組み込みました。Model Fuels Libraryは、これまでに構築した中でも最も包括的で、妥当性が確認されたデータベースです。これにより、費用効果が高く、効率的で、クリーンな燃焼エンジンの設計が実現します。

目次

  • 重要な事実その1:正確な化学反応は、内燃機関用CFDの予測にとって非常に重要です。
  • 重要な事実その2:正確な化学反応モデリングが高速です。速度と精度を両立できます。
  • 重要な事実その3:CFDですす生成をシミュレーションできます。
  • 重要な事実その4:CFDでエンジンのノッキングをシミュレーションできます。
  • まとめ

高速な化学反応モデリング

Ansys Forteでは、ソルバーによってDynamic Cell Clusteringが実行され、各時間きざみで同じような反応条件を持つセルをグループ化することにより、重複する計算が解消されます。また、Dynamic Adaptive Chemistryも組み込まれており、すべての時間きざみにおいて進行中の反応が自動的に削除されます。その結果、特定の時間の必要な化学反応のみが使用されるため、解析時間が大幅に節約され、精度も損なわれません。

すす生成のシミュレーション

過去10年間におけるエンジン排気規制の中心は、すすおよびNOxの総排出量制限でした。燃焼エンジンの排気ガス中にある100ナノメートル未満のすす粒子が、特に人体に有害であると考えられています。すすの発生する現象は再現するのが難しく、また非常に複雑なため、従来のCFDソフトウェアでは実行できません。これは、すす生成へとつながる物理的組成と化学反応が原因です。Ansys Forteを使用すれば、すすの粒径を予測し、エンジンシミュレーションにおいて進行を追跡できます。

エンジンのノッキングのシミュレーション

ノッキングは、スパークプラグによる点火の前または後に、燃焼室内の高圧縮燃料と混合気が自己着火すると発生します。スパークは点火カーネルとして開始し、すぐに、燃焼室を横断する薄い火炎表面に変化します。このとき、後に未燃焼ガスが残る場合があります。この未燃焼燃料が、予定されたスパークイベント以外で着火すると、ノッキングが発生します。ノッキングによりエンジン性能が制限され、いずれエンジンに重大な損害を及ぼす可能性があります。火炎前面が燃焼室内に広がるときの火炎前面の位置と構造を正確にモデリングすることは、ノッキングの予測において極めて重要です。Ansys Forteでは、燃焼室全体にわたる火炎前面の進行を追跡します。

関連する解析講座・辞典

MORE

関連する解析事例

MORE

関連する資料ダウンロード

MORE

Ansys、ならびにANSYS, Inc. のすべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、ロゴ、標語は、米国およびその他の国におけるANSYS, Inc. またはその子会社の商標または登録商標です。その他すべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。本ウェブサイトに記載されているシステム名、製品名等には、必ずしも商標表示((R)、TM)を付記していません。 CFX is a trademark of Sony Corporation in Japan. ICEM CFD is a trademark used by Ansys under license. LS-DYNA is a registered trademark of Livermore Software Technology Corporation. nCode is a trademark of HBM nCode.