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プリント基板と電子パッケージの 電熱機械的応力リファレンス設計フロー
2019年7月
本資料では、Ansysのシミュレーションソフトウェアを使用してプリント基板の電気・熱・機械的問題を解決するのに有効なリファレンス設計フローについて紹介します。この手法は、ICパッケージ、タッチパネルディスプレイ、ガラス/シリコンインターポーザなどのすべての電気系CAD(ECAD)タイプで利用できます。本資料では、家電業界で使われているプリント基板の仮想プロトタイプをこのリファレンス設計フローに従って解析しました。
目次
- 電熱・構造的信頼性に対する意識
- Ansysの電熱機械適応力解析ソリューション
- Ansysのシミュレーションツール
- ステージ1:ECAD形状をAnsys形式に変換
- ステージ2:ブロック線図を検討
- ステージ3:Ansys SIwaveでパワーインテグリティとDCIRを解析
- ステージ4:熱解析を自動的に繰り返し実行
- ステージ5:Ansys Icepakで温度ポスト処理を実行
- ステージ6:Icepakで基板の温度分布を生成
- ステージ7:Ansys Mechanicalで使用するプリント基板を用意
- ステージ8:Ansys Workbenchのプロジェクトを作成
- ステージ9:「トレースマッピング法」を利用して、プリント基板上にレイヤーメタライゼーションデータをインポート
- ステージ10:Icepakで求めた温度をMechanical内の基板に転送
- ステージ11:基板をシミュレーションして、熱応力、変形、弾性ひずみを計算 まとめ
プリント基板の電気・熱・機械的問題
プリント基板は、異なる材料が積層された連続層から成ります。プリント基板は、その上に実装される複数の部品を機械的に支持し、電気的に接続する土台となりますが、熱膨張率(CTE)の異なる様々な材料で構成されるため、機械的・電気的問題がよく発生します。性能とプリント基板の信頼性に影響を及ぼす具体的な問題として、パワーインテグリティ、シグナルインテグリティ、 電磁干渉、振動、熱過渡現象、応力が挙げられます。製造前にシミュレーションツールを使用して潜在的な不良箇所を特定するとともに、設計サイクルの早期にwhat-if解析を行って、これらの問題に取り組む必要があります。
リファレンス設計フロー
Ansysでは、電磁気学、数値流体力学、機械工学に関わる様々な物理現象を解析できる実績のあるシミュレーションツールを提供しています。また、Ansysは独自のチップ-パッケージ-システム(CPS)電熱機械的応力リファレンス設計フローを開発しました。フローでは、まず、Ansys SiwaveでDCIR解析を実行し、ICとプリント基板のDC電力損失を求めます。次に、IcepakでCFD解析を行って、基板とその部品の温度分布を生成します。この温度分布をAnsys Mechanicalの計算に組み込めば、基板に発生する熱応力、変形、弾性ひずみを簡単に求めることができます。