FEM解析による木質構造物の性能評価 東北学院大学 様

東北学院大学 様:CAE・Ansysの解析事例/技術資料を無料公開中

CAEのあるものづくり |公開日:2020年01月

はじめに

今回から2回に渡りまして、土木構造物への木材利用に際して、Ansysを用いたからこそ、大成功に導けた事例をご紹介したいと思います。しかし、木材の解析事例とはいえ土木構造物を載せた場合、自分達は橋梁やダムを造りたいわけではないから、と敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんし、「成功事例紹介」として載せた場合、成功例だけ載せているんじゃないか、と思われる方が少なからずいらっしゃるかと思います。よく分かります。だからこそ、そのようにお考えの方にこそ読んで頂きたいために、FEM解析を木質構造にどうして用いたのか、どのように活用していったのか、といった内容を、時系列に沿って率直に記していきたいと思います。本稿を読んでいくうちに、みなさまの心の中に、「木材をやっているとこういうことよくあるよね」という共感が生まれ「こういう時に使うんだ」「こういうふうに使えるんだ」という興味が湧き、最終的に「それならAnsysを活用してみようかな」という第一歩を踏み出すきっかけが芽生える、といった一連の流れを生み出す一助になりましたら幸甚です。ただし、学生時代からの話のため、文中に不適切な概念が含まれており木材の専門家の方々から見れば疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、逆に活用法が見つかった側面もあるため、その点ご容赦頂きたいと思います。

私は秋田大学博士課程1年であった2005年頃から、秋田スギを用いた土木構造物によるランドマークの創出と土木分野への有効活用を目的とし、大中規模の木橋の開発と実用化に関する研究を博士課程3年の先輩と取り組んでいました。ご存知の通り、木材のみを使用した場合、橋梁は小規模なものに限定されますが、20mを超える中・大規模橋梁を木材で建設するとなると、木桁を鋼板等で補強しなくてはなりません。そこで我々が研究していたのは、木桁の上下縁にスリットを掘り、鋼板を挿入接着する鋼板挿入型集成材桁の開発と、それを用いたハイブリッド木橋(図1) の開発でした。

当時の先輩との役割分担を大雑把に言いますと、先輩はプロトタイプの設計と実験、私はFEM解析と改良型の考案というものでした。とはいえ、2005年当時は、パソコンのスペックの向上もあってようやくクライアントレベルで3次元FEM解析が容易に行えるようになり始めた時期でした。長い年月でノウハウが確立されていた鋼材ならまだしも、ほとんど3次元FEMの解析事例の無い直交異方性材料である木材、もっと言えば、鋼板で補強した複合材料に対してのFEM解析結果そのものに対し、周りの信用度と期待は極めて低いものでした。要は、私のFEM解析は、研究ミッション全体では副次的なものであり、あくまでも実験のトレースでしかない、つまりはっきり言いますと、解析と実験結果が一致すれば、「ああ良かったね」程度の評価であり、一致しなければ、「まあ、FEM解析だからね」で終わる程度のものでした。ひょっとしたら、今この原稿を読んでいるみなさまご自身、もしくは周りの方のFEM解析に対する評価もこの状況に近いのではないでしょうか。そのような状況からスタートしたFEM解析ですが、とある実験結果の疑問から、急転直下、FEM解析が主役として大いに活躍していくことになるのですから、分からないものです。

図1 ハイブリッド木橋のパース図
図1 ハイブリッド木橋のパース図

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