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樹脂材料のシミュレーション入門
材料モデルの検討・物性値取得・同定まで

CAEのあるものづくり Vol.22|公開日:2015年4月
目次
- はじめに
- 材料モデルの検討
- 粘弾性モデルの物性値の取得と同定
- CYBERNET Total Materiaの紹介
- おわりに
はじめに
樹脂に代表される高分子材料は、軽量・断熱性・絶縁性・成形加工性など様々な利点があり、自動車部品や電子機器、スポーツ用品といった幅広い製品に利用されています。そこで本稿では樹脂材料のシミュレーションにおける材料モデルの検討や物性値の取得についてご紹介します。また弊社で取り扱っている金属・ポリマー材料データベースCYBERNETTotal Materiaについてもご紹介します。
材料モデルの検討
解析では必ず材料モデルを選択します。材料モデルにより解析で表現できる材料の挙動が決まるため、この選定は非常に重要です。特に樹脂材料は多くの特徴を持っており、一例を挙げると"温度依存性"・"大変形の塑性挙動"・"ひずみ速度依存性"・"周波数依存性"・"ひずみ硬化"・"繊維配向による異方性"などがあります。もちろん全ての挙動を含む材料モデルは存在しないため、解析の内容(材料の種類や境界条件)に応じて支配的な要因を抽出し、対応できる材料モデルを選定する必要があります。
例えば図1のように-40℃~125℃の温度サイクル荷重を負荷する熱応力解析では、温度による材料特性の変化が予測されます。そのため温度依存性を考慮して温度毎の材料特性(ヤング率や応力-ひずみ曲線)を入力することで実際の材料挙動に近づく可能性があります。

図1 温度に依存した材料物性値
また、図2のように落下衝突の問題では、大きく変形する箇所はひずみ速度が速く、ほとんど変形しない箇所はひずみ速度が遅いことが予測されます。そのためひずみ速度に依存した応力-ひずみ曲線を入力することで実際の材料挙動に近づく可能性があります。

図2 落下衝突による変形
つまり材料モデルの選定は、材料の種類のみで決定されるわけではなく解析の境界条件や評価目的に応じて検討します。
以降では樹脂材料の挙動の中でもニーズが高い、粘弾性特性に焦点を当てて、材料物性値の取得方法をご紹介します。
粘弾性モデルの物性値の取得と同定
3-1 粘弾性モデル
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