解析事例
二段階均質化を用いたハニカムサンドイッチ構造の均質化
はじめに
ハニカムサンドイッチ構造はハニカム構造のコア材を板材ではさんだ構造をしており、空隙率が90%以上と高くなるため高強度かつ軽量であるという特徴があります。この特徴を活かし建築土木、航空宇宙など強度がありながらも軽量、省スペースを求められる分野で広く利用されています。使われる素材はFRP、アルミニウム、CNF、アラミド、プラスチックなど多岐にわたり、様々な組み合わせのハニカムサンドイッチが開発されています。
このハニカムサンドイッチ構造は比較的大きい構造体に使われることが多いため、全体形状をモデル化しシミュレーションする際にはコア材のハニカム構造の複雑さが解析モデル規模を増大させてしまうという問題があります。例えば飛行機部品の大きさに対してハニカム構造は微細なレベルのスケールとなるので、ハニカム構造に合わせて解析モデルを生成すると全体が膨大な規模となってしまいます。そこで本解析事例では、二段階の均質化によりハニカムサンドイッチ構造を単一のシェルに均質化しマクロ解析の解析規模を低減する方法について示します。
解析の目的と概要
本解析では二段階の均質化を行います。1回目の均質化はDesignModelerのハニカムテンプレートにより作成したミクロモデルについてMultiscale.Simでソリッド均質化を行い、ソリッドの等価物性値を求めます。2回目の均質化ではハニカムの等価物性値を適用したブロックを板材ではさんだミクロモデルについてシェル均質化を行い、シェルの統合断面剛性を求めます。シェル均質化はソリッド均質化よりもメモリ使用量、解析時間ともに桁違いに大きくなるためシェル均質化を行うミクロモデルはできる限り単純にする必要があります。そのため1回目の均質化によりハニカム構造にソリッド均質化を行い、ブロック形状に単純化します。最後に上述した均質化モデルとハニカムを忠実に再現したフルモデルとでマクロ解析を同じ境界条件で実行し、必要メモリ量、解析時間、変形量を比較します。
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