解析事例
内圧力を受けるパイプ
内圧力を受けるパイプについて、耐圧強度を高めた設計を検討した解析事例です。
従来の方法
通常、このような状況下の場合、周方向圧力がかかり軸方向にクラックが発生することがあります。このようなことから耐圧強度を高めた設計をしようとすれば、周方向に部品を追加して補強リブを追加するといった下記のモデルのような方法が考えられます。
本事例の方法
今回は補強リブやリング等を利用せず、複合材料を使用して耐圧強度を満たすための材料設計の検討を行いたいとおもいます。
今回は、織物複合材(図1)と±55°のステッチ複合材(図2)で、ミクロな材料設計と構造設計を同時に行います。
図1 : 織物複合材 |
図2 : ステッチ複合材 |
手順1:均質化解析
均質化法を使った数値材料試験により、複合材料(ミクロ構造)の等価物性値を算出します。
構造解析:弾性率、せん断弾性率、ヤング率、ポアソン比
伝熱解析:熱伝導率
手順2:マクロ構造解析
均質化解析より出力された等価物性値をマクロ構造の材料特性として適用し、マクロ構造解析を行ないます。
手順3:局所化解析
マクロ構造解析の結果から任意箇所を指定し、ミクロ構造解析による局所的な解を求めます。
手順4:ミクロモデル評価
±55°のステッチ複合材は縦・横すべての繊維が等しく応力を受け持ち、0°+90°の織物複合材はそれぞれ1:2の応力を受け持っていることがわかります。
このようなことから
±55°のステッチ複合材は圧力を受ける構造要素の設計に極めて有効であることが評価できます。
織物複合材に発生する応力 |
±55°のステッチ複合材に発生する応力 |
データ提供元
日東紡績株式会社
※この事例では、Ansysに加えて以下のライセンスが必要です。
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