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株式会社図書館流通センター(TRC)さま TRCが運営する全国の公共図書館に置かれた約1,600台のPCのセキュリティをクラウドで一元管理


株式会社図書館流通センター(TRC) サポート事業推進室 室長 林正樹氏(右)、副室長 奥田毅氏(左)
POINT
  • サーバー管理が困難で回線状況も多様な環境の中、クラウド完結で快適なIT資産管理を実現
  • 端末の状態と、毎日自動更新されるセキュリティ辞書との突合でPCのセキュリティレベルが日次で診断可能になり、管理業務も軽減

株式会社図書館流通センターの事業概要

株式会社図書館流通センター(以下、TRC)は、図書館向け書誌データ作成および装備付き図書の販売、図書館づくり・リニューアルのコンサルタント、図書館運営など、図書館に関わる幅広い業務を行う図書館総合支援企業だ。例えば、図書館にある大量の本の中から読みたい本を容易に探し出すために必要な汎用書誌データベース(TRC MARC)を制作するとともに、新刊書籍の図書館用カタログ「週刊新刊全点案内」を発行し、契約した全国の図書館に送り届けている。また、本を図書館用に“装備”することも同社の重要な業務である。図書館から送られてきた発注データをもとに同社在庫にある本に背ラベルやバーコードを貼る装備を行い、透明なフィルムでコーティングする。こうして、本は同社によっていつでも貸し出しが可能な状態に準備されて図書館に送られていく。

全国約1,600台に上る業務用PCの管理に課題

TRCにはもう一つ大きな事業柱がある。図書館の受託運営だ。このうちの一つである業務委託方式は、「カウンターでの貸出返却作業」「バックヤードでの資料管理」など地方公共団体が示す仕様書にもとづき図書館運営業務を部分的に受託する。一方、指定管理者制度に基づく図書館運営では、館長以下すべてのスタッフをTRCが配置し、全面的に図書館の運営を引き受ける。受託運営事業はここ十数年大きく業績を伸ばしており、2019年度は522館に達している。全国の公共図書館 約3,200館のおよそ1/6の運営に同社が関わっていることになる。

この受託運営を担っているのが同社のサポート推進事業室だ。同室では、その522館 約7,000名に上る現場スタッフに対して約1,600台の業務用PCを配布・管理している。これは貸し出し業務などを行う図書館システム用PCではなく、館内に掲示するポスター作成や、館外の組織とメールでやりとりする際に使用される業務用PCだ。

サポート推進事業室は、この1,600台の業務用PCの管理に課題を抱えていた。現場スタッフのPCリテラシーはまちまちで、中には図書館以外ではまったくPCを利用しない人もいる。同室としては、情報セキュリティ対策のため、PCのOSを常に最新バージョンに保ち、ウイルス対策ソフトウェアのパターンファイル更新も確実に実施したかった。しかし、これまでは現場スタッフからの報告を通じてしか、それらの対応状況を把握する方法がなく、実際の状況をつかめなかったという。TRC サポート事業推進室 副室長 奥田毅氏は語る。

「世間では業務用のPCがウイルス感染したという報道は依然として多く、サポート推進事業室としては他人事ではない思いでした。受託運営している図書館のPCが万一ウイルスに感染したとなれば、図書館に多大な迷惑をかけることになります。そういう事態は招いてはならないと独力で努力を重ねてきましたが、PC管理に携わる人員は実質2名で、それで1,600台を管理するにはさすがに限界がありました。そこで、OSのバージョンやパターンファイルの更新状況、業務PCに入っているソフトウェアを把握できるIT資産管理の仕組みを導入したいと考えました」

TRC サポート事業推進室 室長 林正樹氏は、「現場スタッフのPCスキルがまちまちなので、それを平準化してくれるツールが必要でした。また、受託運営はこれからも伸びる事業であり、この先PCが2,000台、3,000台になれば、さらにリスクは高まります。今のうちに体制を整えておくべきだと判断しました」