パルス光源を用いたブロードバンド解析は、Ansys Lumerical FDTDの特長の一つです。CW(連続波)光源を用いた解析と比較して、広範囲の波長に対する応答を一度のシミュレーションで効率的に取得できるため、設計や解析のスピードと効率が大幅に向上し、複雑なナノフォトニックデバイスの性能評価に最適です。
Ansys Lumerical FDTDで使用される光源はパルス光源であり、光源の設定でスペクトル幅をゼロにしても仕様上、一定のスペクトル幅を持ちます。Ansys Lumerical FDTDでは、パルスを入射した時の解析モデルの応答を時間領域でマクスウェル方程式から計算し、フーリエ変換して周波数応答に変換する、という方法を取っており、各周波数の応答も精度高く抽出可能です。解析モデル内に設置した、モニターの設定で記録する周波数や波長範囲を指定することで、特定の周波数や波長での定常状態の応答を抽出・確認することが可能です。
図1:光源の設定例
図2:モニターの設定例
図3:記録される電場分布
さらに、Ansys Lumerical FDTDでは材料の分散特性を高い精度で再現するために、Multi Coefficient Model(MCM)と呼ばれる材料モデルが用いられています。このモデルは、実験的に取得された材料データ(屈折率や消衰係数など)をもとに、シミュレーションで使用する波長範囲に合わせて材料モデルをフィッティングし、広帯域にわたる材料特性を滑らかに再現できるよう設計されています。Multi Coefficient Modelのフィッティングパラメータは、必要に応じて調整可能です。
図4:材料モデルの設定例
