CYBERNET


Ansys Lumerical 2023 R2 バージョン情報

Ansys Lumerical 2023 R2

2023年7月リリース

Ansys Lumerical 2023 R2 ではFDTDソルバーにおけるGPUによる計算機能の追加と、各種ソルバー・ワークフローの機能強化などが行われました。これらの新機能を一部抜粋して以下に紹介いたします。

※ベータ版:開発途上の機能で、現時点では一部機能制限などがあります。

※ユーザの方向けに今回のバージョンアップの詳細資料がございます。
こちらよりご覧いただけます。なお、閲覧にはアカウントが必要です。

Ansys Lumerical FDTDにおけるGPUによる計算機能の追加(ベータ版※)

Ansys Lumerical FDTDは2023 R2 で、GPUによる計算の機能が追加されました。計算に使用するリソースをGPUに設定することで、従来のCPUによりも計算速度の向上が見込まれます。しかし、現状ではGPUによる計算を実施するにはハードウェアやシミュレーションの設定など様々な項目で制限があります。
詳細は下記リンクをご参照ください。
FDTD GPU Solver Information – Ansys Optics


Resource ConfigurationでGPUを設定する例


CPUとGPUの計算速度の比較

各ソルバーの機能強化

  • RCWAでは電磁場モニターや非直交単位セルが実装され、JSONファイルをGUIから直接出力することが可能になりました。これによりメタレンズの設計などRCWAソルバーを用いた設計・解析がより容易になります。

RCWAの単位セルの概念図


解析データのJSONファイルを出力
  • 従来コマンド制御となっていたCML Compilerが新しくGUIとして追加され、より直感的に操作できるようになりました。

CML CompierのGUI
  • qINTERCONNECTでは、解析アルゴリズムを改良し、計算時間の高速化を行いました。これにより、同様の計算時間でチャンネル数またはバンド数を2倍にできます。また、新しくSWFM共振器やHOM干渉計の事例が追加されました。

HOM干渉計の事例

連携機能(ワークフロー)の強化

  • メタレンズ設計のワークフローでは、メモリマネジメントの改善や出力されるGDSファイルの軽量化によりパフォーマンスを大幅に向上させました。これにより、cmオーダーの大面積メタレンズの解析も可能になりました

メタレンズ設計のワークフロー

  • CMOSセンサーのワークフローでは、量子効率を正確に計算するためにFDTDでZemax OpticStudioで解析した周辺光線を考慮した解析が可能になりました。

レンズと集光される光線


CMOSセンサーのワークフロー

Ansys Optics Launcher

Ansys Optics LauncherがAnsys社の提供する光学3製品(Lumerical、Zemax、Speos)で使用可能となり、Ansys Optics Launcher上で、光学3製品の30日間トライアルライセンスを自動発行することができます。また、Ansys Optics LauncherにはApplication Galleryがあり、ご要望の解析事例をAnsys Optics Launcherから確認することができます。


Application Gallery上の解析事例


トライアルライセンスの発行