CYBERNET

リリース情報

PlanetsX 9.2 リリース情報

2020年5月、PlanetsX 9.2がリリースされました。

Ansys対応バージョン

PlanetsX ver. 9.2(射出成形用)はAnsys Workbench 2019R2対応版です。

PlanetsX 9.2 主なバージョンアップ内容

新機能

1.[樹脂界面上の空気接触伝熱機能の実装]

樹脂界面上の空気接触伝熱を考慮させる機能を実装しました。従来は空気に対して樹脂は断熱状態になっていて、樹脂と空気との熱の出入りはありませんでした。本機能を有効にすると、樹脂と空気の熱のやり取りが生じて、入力された空気温度および空気・樹脂の界面伝熱係数を用いて樹脂界面上の空気接触伝熱が計算されます。
空気層の数は3通り設定できます。空気層を2つ以上設定する場合は層どうしの境界面は必ず平面でありz軸に向くように設定し、その境界面のz座標を入力する必要があります。 なお、空気温度および空気・樹脂の界面伝熱係数は時刻に対して変化させることができます。 本機能はデフォルトではOFFになっています。有効にする場合はオプション機能「fpac.add」を用いて、必要な項目を設定してください。
(オプション機能については、マニュアル「20_AdvancedOptions.pdf」をご参照ください。)

【仕様変更】

[スタートメニューの構成変更]

Windows 10のスタートメニューではヘルプのドキュメントやチュートリアルのフォルダが階層で表示されないため、前バージョンでは参照しにくい構成となっていました。そこで、スタートメニューにはマニュアル及びチュートリアルを格納したフォルダへのリンクを登録するように変更しました。


Windows 10のスタートメニュー(選択するとフォルダが開きます)

【不具合の修正】

  1. ソルバー出力に「PROGRAM NORMAL END」と表示されているにも関わらず、計算が終了しない問題を修正しました。これは、ボディの名称が長いと計算終了時に実行される「ppfinterface.exe」がフリーズしていたためでしたが、この問題を解消しました。
  2. 結果出力個数を設定した場合に、初期値の次の時刻の結果が出力されない不具合を修正しました。
  3. 流体構造体連成解析(FSI)において、マニュアル通りに設定してもエラーとなり同じ結果が得られない不具合を修正しました。
  4. Windows 10ではアクセス権により、リスタートコントロールが機能しないことがありました。この問題を修正しました。

【既知の不具合】

1.[ベクトル表示の設定が一部アクティブにならない]

Ansys Workbench 2019R2ではユーザー定義のベクトル結果(PlanetsⅩの流速ベクトル、繊維配向率)を表示させると、以下の設定が使用できない(グレーアウトされている)状態となります。

●一様表示(ベクトルの大きさに関わらず、同じ長さによる表示)
●グリッドアライン(節点/要素位置に関わらずグリッド上にベクトルを表示)
●ソリッド表示

これはWorkbenchの仕様のため回避方法はございません。ご不便をおかけしますが何卒ご容赦ください。

2.[ACP(Pre)の不具合①]

症状: ACP(Pre)のMechanical画面でジオメトリに材料を割り当てる際、対象の材料に等方性瞬間線膨張係数や直交異方性線膨張係数が定義されていると、材料選択のプルダウンメニューから材料が表示できない不具合が報告されています。

回避方法:
一旦エンジニアリングデータで等方性瞬間線膨張係数や直交異方性線膨張係数の項目を非アクティブにした状態にしますと、ジオメトリに材料を割り当てる際にプルダウンメニューに材料を表示することができます。材料の割り当てが済んでから、エンジニアリングデータに戻り、等方性線膨張係数や直交異方性線膨張係数をアクティブに戻すことで、これらの物性をACP(Pre)に定義することができます。

3.[ACP(Pre)の不具合②]

症状: ACP(Pre)で、Rosseteが日本語で「全体座標系」と表示され、これを選択するとエラーが生じます。

回避方法:
Mechanical画面のツリーアウトライン中の座標系の名前がACP(Pre)に表示されますので、座標系の名前をデフォルトの全角「全体座標系」から半角英数字の名前に変更してください。

【β機能のリリース】

[Multiscale.Sim-PlanetsⅩ連携機能]

本機能はMultiscale.SimとPlanetsⅩを連携し、射出成形品の成形履歴を考慮した非線形構造解析を実施する機能です。

本機能を利用するには以下のライセンスが必要となります。
●Ansys 2019R2 Enterprise
●Multiscale.Sim2019R2 非線形版(Ansys 2019R2対応)
●PlanetsⅩ9.2(Ansys 2019R2対応)オプション「繊維配向解析」ライセンス
●Ansys DesignModeler

本バージョン9.2ではβ版機能のため資料はインストールされません。ご興味のある方は別途お問い合わせください。

以上、操作方法など詳細については技術サポートまでご連絡下さい。

Ansys、ならびにANSYS, Inc. のすべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、ロゴ、標語は、米国およびその他の国におけるANSYS, Inc. またはその子会社の商標または登録商標です。その他すべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。本ウェブサイトに記載されているシステム名、製品名等には、必ずしも商標表示((R)、TM)を付記していません。 CFX is a trademark of Sony Corporation in Japan. ICEM CFD is a trademark used by Ansys under license. LS-DYNA is a registered trademark of Livermore Software Technology Corporation. nCode is a trademark of HBM nCode.