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解析事例

熱流体解析

熱流体システムの最適化の最新事例:ポンプ・コンプレッサーシステムにおける1D-3D連携シミュレーションのご紹介
-流体連携編-

ポンプ・コンプレッサーシステムにおけるシミュレーションに課題はありませんか?

ポンプ・コンプレッサーシステムにおけるシミュレーションの課題例

 

  • 流体機械(コンプレッサー・ポンプ・タービン)は単体ではなく、配管・タンク・バルブなどと連結して使用される。
  • 単体では問題がなくても、他機器をつなぐことで予期しない脈動などのトラブルが発生する場合がある。
  • トラブル防止には、機器を実際に接続した状態での解析や実証試験が有効。
  • しかし、複数機器を含んだ3D解析や実証試験はコストが非常に高く、現実的でないケースが多い。  Etc.

 

対象となりうる方

 

  • コンプレッサー・ポンプ・タービンなどの流体機械を扱うエンジニア/開発者
  • 配管・タンク・バルブなどを含む設備設計・システム設計エンジニア
  • 脈動や振動などのトラブル対策を行う解析エンジニア
  • 設備導入・運用に関わるプラントエンジニア  Etc.

背景

SDGs 持続可能な開発目標

  • 2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標
  • 目標7(エネルギー)- すべての人々の,安価かつ信頼できる 持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

SDGsアクションプラン2023

  • 日本政府が策定した8つの優先課題に基づいた施策のうちの重点項目を整理したアクションプラン
    • 優先課題⑤:「省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会」
  • 重点項目の一つ「Planet 地球:地球の未来への貢献」
    • 「地域脱炭素の推進のための交付金等を通じ、2050年を待つことなく前倒しでカーボンニュートラル達成を実現する脱炭素先行地域を2030年度までに少なくとも100か所創出する」(一部抜粋)

SDGsアクションプラン2022 エネルギー分野の具体的取組

  • 脱炭素の加速
  • 熱利用効率化・未利用熱活用等、熱の有効活用は引き続き重要
  • アンモニアや水素への燃料転換 中小事業者の省エネ取組の深堀り
  • etc

注目されている技術

  • デジタルツイン
  • 1DCAE
  • 原子炉
  • 水素、アンモニア、メタン

DXとデジタルツイン

DXはSDGsを達成するための手段の一つ

デジタルツインとは現実の環境をコンピューター内に再現し、現実の環境の変化をリアルタイムでモニタリングしたり、シミュレーションする技術

デジタルツインはDXを推進する上でかかせないキーテクノロジーの一つ

デジタルツイン

設計初期段階ではシステムシミュレーションによりシステム全体の最適化を行い、下流では形状検討や制御設計、電気設計などのサブシステムの個別最適化を行う。昨今では、設計初期で開発したシステムシミュレーションモデルをデジタルツインとして活用する事例が増えている。

システムシミュレーション

製品形状が決定する前段階で、数式により機能をモデル化し、システムアーキテクチャ全体の最適化を行う。MBDまたは1D CAEという言い方もする。

メルトフロント到達時刻

流体解析における1D/3D連携

課題

コンプレッサーやポンプあるいはタービンなどの流体機械は単体ではなく配管やタンク、バルブなどの機器と連結して使用されるが、それら単体では問題がでなくても他の機器とつなぐことで予期していない脈動などのトラブルが発生することがよくある。

コンプレッサーやポンプ単体だけではなく、他の機器も一緒につないだ状態で解析や実証試験が予めできれば、トラブルを回避しやすくなるかもしれないが、3D解析や実証試験を複数の機器を含めた状態で解析するのは膨大なコストがかかり、現実的ではない場合が多い。

ソリューション

ポンプやコンプレッサーを対象とした3D解析と他の機器の特性を組み込んだ1D解析を組み合わせることで、想定される実機の挙動を予測および想定することができる可能性がある。

1Dシミュレーションの紹介 - Flownexとは

熱流体に特化したシステム設計ソフトウェア

  • 配管、バルブ、コンプレッサ等の流体機器を要素として数理モデル化
  • 各要素を接続してネットワークを構築し、系全体のモデル化を行う

事例:原子力発電所の蒸気発生器

  • プラントの実測データに対する妥当性の検証
  • すべての運転モードをカバー:境界条件設定のみ
  • 高信頼設計への近道: 短時間、 低リスク
下図は蒸気発生器のヘリウム側と水蒸気側の壁部分の温度分布 となります。Flownexの結果と実測がよく一致しております。
  • 沸騰の振動が解析できる
  • 沸騰の振動を避けるように最小限の電力を決定できる
  • 開発コストの削減

NQA-1の認証

NQA-1

  • 原子力施設のための品質保証要求事項
  • V&V effort >> 40man-years
    • Verification: Comparison: code to independent implementation Code-to-code comparison
    • Validation: Comparison to experiment
  • Used in PBMR safety case submission to the SA Nuclear Regulator.

ガスタービンの二次流れ解析

重要なポイント

  • 複雑な形状に対する回転流れ
  • 任意形状による熱伝導
  • パーツごとに異なった材料物性
  • 複数の流路、漏れおよび流路タイプ

二次流れの流路

  • コンプレッサーからシステムに空気が供給される。
  • ラブリンスシールとノズルが空気量を調整
  • キャビティー内の回転空気がディスクや燃焼器壁を冷却する。
  • 一部の空気は中間キャビティを通って、ブレードとシャフトの間の環状部に移動する。
  • 一部の空気はフィルム冷却のためにタービンブレードに排出される。
  • 一部の空気はリムシールを通って主要ガス経路に流出する。

Flownex には、回転フロー モデリング用の次のコンポーネントが含まれている。

  • Rotating cavity, labyrinth seals, rotating channel, Nozzle モデルなど

Ansys Mechanical は、固体伝導解析に最適なツール

これらのツールを組み合わせることで、包括的なソリューションが提供される。

Mechanical の CAD ビューアを使用して、Flownex で使用されるフローネットワークモデルの設定(モデル寸法の抽出)をする。

熱流体と固体の熱解析を同時に実施する。

  • Ansys – 固体の熱解析
  • Flownex – 熱流体解析

事例 –コンプレッサーシステムの1D/3D連携解析
コンプレッサーの脈動伝播

ネットワークモデル

  • 配管システムの脈動伝播の検討
  • 配管システムではバルブ有無の影響を検討
  • 配管システム内の脈動伝播の把握: Flownex
  • コンプレッサーの脈動解析: Ansys CFX (LES-Dynamicモデル)

事例 –ポンプ付き配管システムに取り付けられたオリフィスの1D/3D連携
ポンプシステムの流量変動

ネットワークモデル

  • ポンプシステムの流動解析(実験装置を模擬)
  • タンクと配管およびポンプをモデル化
  • 実験対象はオリフィス
  • 配管システム内の流動解析: Flownex
  • オリフィス: Ansys CFX (LES-Dynamicモデル

解析結果

  • オリフィス下流側では大きな流量変動が起きている。
  • クローズドタンクにより、大きな流量変動は抑制される。
  • しかし、流量変動が低周波で起きている。
  • クローズドタンクのガスの体積を小さくした場合は大きな流量変動が起きている。
  • 系全体の不安定性の解析に有効

事例 –配管システムの取り付けられたインデューサーの1D/3D連携
インデューサーの1D/3D連携

3Dモデルとネットワークモデル

  • インデューサーの流動解析(キャビテーションあり)
  • タンクと配管およびインデューサーをモデル化
  • 配管システム内の流動解析 (1D): Flownex
  • インデューサー (3D): Ansys Fluent

 

インデューサー単体で3D解析した場合と1D/3D連携解析した場合で、圧力変動の違い(キャビテーションサージの有無)を確認する。

インデューサー上流側でキャビテーションが発生するため、強い圧力変動が起きていることがわかる。

3D解析ではインデューサー下流側の全圧変動は小さくなっているが、 1D/3D連携解析では大きな圧力変動が生じていることわかる。

3D単体の解析ではインデューサー下流側の全圧の振動はほぼ見られないが、1D/3D連携解析では下流側でも全圧の強い振動がみられる。インデューサーの上流側と下流側で強い脈動が生じていることがわかる。

まとめと結論

まとめ

  • DXとデジタルツインについて述べた。
  • 1DシミュレーションFlownexについて述べた。
    • 原子力発電の蒸気発生器解析事例
    • ガスタービンの二次流れ解析事例
  • Flownex/Ansys CFDを用いた1D-3D連携について紹介した。
    • コンプレッサーシステムの1D/3D連携解析
    • ポンプ付き配管システムに取り付けられたオリフィスの1D/3D連携
    • 配管システムの取り付けられたインデューサーの1D/3D連携

結論

  • FlownexとAnsys CFDを組み合わせることで1D/3D連携解析を行うことができ、3D解析単体では再現できない現象も再現および予測できる可能性がある。

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