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接触角(せっしょくかく)
英訳:Contact Angle
気体中で固体表面に液体が接触する境界線で、液面と固体表面の成す角度のことです(図1の角度θ)。
接触角が小さい性質を親水性、大きい性質を撥水性と言い、接触角が90°以下の状態を“ぬれる”と言います。
接触角は液体、気体および固体の表面張力を用いて以下の式のように表すことができます(ヤングの式)。

接触角は固体表面と液体の種類でおおよその値が決まるため、固体表面の状態を知るための指標として研究や生産管理の現場で使用されています。
その際の接触角の計測方法としては以下のようなものがあります。
静的接触角の計測方法:
- θ/2法
- 接線法
- カーブフィッティング法
動的接触角の計測方法:
- 液滴法
- プレート法
- 拡張・収縮法
- 滑落法
接触角には液滴が静止している場合の静的接触角と、液滴が流動している場合の動的接触角があります。
さらに動的接触角には液滴が広がっていく際の前進接触角と、液滴が吸い出されるなどで面積が減少していく際の後退接触角があります。
Ansysの標準機能では静的接触角のみ設定できることに注意が必要です。また接触角の設定の際には表面張力も合わせて設定が必要となります。
動的接触角を考慮したい場合には、固体表面の凹凸や分子間力など実際の現象で抵抗として作用する力を何らかの形でモデル化(カスタマイズ)する必要があります。
Ansysにおける取扱い
- Ansys FluentおよびAnsys CFXでは接触角を考慮した解析が可能です。
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