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応力(おうりょく)
英訳:stress
外力を受ける物体の内部には、外力に抵抗する内力が生じます。応力とはこの内力を、力が通過する断面の面積で割ることで単位面積あたりの値としたものです。

このような概念を用いるのは、材料にかかっている負担を評価しやすくするためといえます。
例えば、天井から断面積1mm^2の1本の棒で10Kgの錘を吊り下げているモデルを考えます(ここでは棒の自重は無視します)。ここで棒を2本にすると、各棒の負担は1本の時の半分になります。

このとき両者に働く外力は、棒の本数に関わらず10Kg重≒100Nと同じになりますので、外力だけでは材料に対してどれだけの負担がかかっている(壊れやすい)のかを判断できません。
ここで、単位面積あたりの力に換算した応力という概念を利用します。
前述の例では、棒の軸方向の応力は、その棒が負担する力を棒の断面積で割った値であり、棒が1本の場合は100MPa、2本の場合は50MPaとなります。
これにより、1本の棒で支える方が2本で支えるよりも2倍負担が大きいことを定量的に表わすことができます。
なお、本項では応力を単純化して説明しましたが、本来の応力はスカラー量ではなくテンソル量やベクトル量として扱われ、その成分は正負の符号を持ちます。詳しくは「 垂直応力 」「 せん断応力 」の項目をご覧ください。
一般的に使用される単位
- SI単位では Pa(パスカル)
- 長さをミリメートルとした場合 MPa(メガパスカル)
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