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電磁界解析

Ansys EMA3D Cableのご紹介

製品レベルのケーブルハーネス設計/検証ソリューションを提供する

公開日2021年12月

目次

  1. はじめに
  2. ケーブルハーネスを含む電子機器およびシステムに対する試験規模とコスト
  3. Ansys EMA3D Cableの概要
  4. 自動車における解析事例
  5. 航空機における解析事例
  6. まとめ

はじめに

近年、自動車には電動化に伴う様々な電子機器や制御システムが搭載され、それらを繋ぐ配線(以降、ケーブルハーネスと呼びます)も自動車全体に張り巡らされています。電動部品や制御系が複雑な車種では、すべてのケーブルハーネスを繋げていくと全長は10km程度になると言われており、さらにその重量は20kgから50kgなります。今後、自動車の標準機能になる先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems)では、快適で安全・安心な運転をサポートするために、電子機器やシステムはいかなる時も正常動作が前提であり、誤動作の要因となるノイズ耐性にも強い電子部品が求められます。このような電子機器に関する高い要求条件は、EMC(ElectromagneticCompatibility)規格で規定されています [1] 。特に、ケーブルハーネスは電子機器やシステムを繋ぐ生命線であり、構造から配線レイアウトまで、より効率性の高い設計開発が望まれます。自動車産業に加えて、航空宇宙や防衛産業においてもこれらケーブルハーネスに対する設計課題は同じであるものの、また別の課題も生じます。例えば、航空機は1万時間飛行するごとに少なくとも1回の落雷は受けると言われており [2] 、すべての部品とシステムには被雷対策が必要となります。また、航空機が衛星や気象用レーダーの近くを通過する場合、レーダーが発する高強度放射電界(HIRF:High Intensity Radiated Fields)により航空機内の電子機器が誤作動することがありHIRFの規格に適合した電子機器の試験が必要となります [3] 。以上より、自動車メーカー、航空機メーカーおよび電子機器メーカーに共通して言える課題は、これら安全基準を満たすためには高い技術が必要であり、試験の準備から実施および対策案の検討までのコスト(お金と時間)は膨大になると言うことです。本稿では、ケーブルハーネス設計の効率化に有効なAnsys૮MA3D Cableについて、その特徴と解析事例について紹介します。Ansys EMA3D Cableは、簡易な設定で、ケーブルハーネスに対する電磁界シミュレーションを高速に実現できます。これにより、コストのかかるEMC試験や落雷試験もシミュレーションで事前検証し、課題の早期発見や対策案の検討に貢献します。

ケーブルハーネスを含む電子機器およびシステムに対する試験規模とコスト

近年、自動車や航空機内の電子機器や制御システムは複雑かつ多種多様なものが搭載されるため、車両や機体の大きさも考慮すると試験規模とコストは増加傾向にあります。特に、再試験が必要となった場合の出戻りの設計/検証コストは、開発が進むほどインパクトが大きくなります。これらコスト低減に対するアプローチとして、シミュレーションを活用する方法があります。図1はEMC試験を含む開発から生産までの問題解決数とコストの関係を示しており、横軸を開発フェーズ、左縦軸を問題解決数、右縦軸を設計変更に伴う総コストとしております。図に示す通り、シミュレーションを活用しない従来法では、開発が進むに従い、問題解決数も増え、開発コストが増大しますが、Ansys EMA3D Cableを使った電磁界シミュレーションを併用することで、設計段階で、より多くの課題を抽出し、開発後期に生じるコストの抑制できます。

図1 EMC試験を含む開発から生産までの問題解決数とコストの関係

参考文献

[1] 塚原仁、“自動車EMC試験の国際規格概要” エレクトロニクス実装学会誌Vol .6 No.3, pp.212-216, 2003.
[2] “雷応答特性:雷に対する航空機の脆弱性を迅速に評価”、Ansysadvantage, issue 1 2021.
[3] RTCA DO-160G, Environmental Conditions and TestProcedures for Airborne Equipment, RTCA, Inc., 2010.

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