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解析事例

構造解析

プラスチック容器の強度評価

静止流体要素を用いた非線形座屈解析

こんな方におすすめ

  • 容器包装の設計時に搬送・輸送時の耐久性を評価したい方
  • 最適な形状を低コストで見つけたい方

容器包装の設計開発において、搬送・輸送時の耐久性を評価するため、圧縮試験が行われています。圧縮試験では、製品を試作しなければならず、多くの時間とコストがかかります。対して、CAEを利用したコンピュータ上の仮想試験であれば、1ケースあたり数十分程度で結果を出すことが可能です。これにより、試作レスで複数の形状、異なる条件下での評価が可能となり、素早く最適な形状を低コストで導くことができます。
本稿では、Ansysでペットボトルの強度解析を行った事例を紹介します。


解析結果:変形アニメーション(ペットボトルが水で充填されている場合)

解析結果:変形アニメーション(ペットボトル空の場合)

解析の目的

図1のペットボトルのモデルを用いて、圧縮試験時の変形形状、および 荷重とストロークの関係を求めます。本事例ではペットボトルが空の場合と、水で充填した場合の2パターンの解析を行いました。


(図1)ペットボトル

解析モデルと解析条件

解析モデルは対称形状であることから、1/4モデルを使用しました。境界条件は図2に示します。水充填ありの解析では、ペットボトルの初期形状における容量は947mlで、出荷時の水の充填量は900mlのため、解析で初めに47mlの水を抜くことで出荷時の形状を求めています。その後、空のペットボトルと同様に図2の条件を与えています。


(図2)解析モデルと境界条件

解析で使用したメッシュを図3に示します。ペットボトルにはシェル要素を使用して、メッシュサイズは約1mm、板厚0.5mmでメッシュを作成しました。節点数は約16,000で、4コアの並列計算であれば、20分程度で計算が完了します。


(図3)メッシュ

解析手法

ペットボトルに充填された水はAnsysで用意されている静止流体要素(HSFLD242)でモデル化しました。静止流体要素は、構造物に囲まれた流体の圧力や体積、質量を表現することができます。流体の流れの効果は表現できませんが、圧縮性や熱膨張・熱収縮、流体の流入・流出による体積の変化などを考慮することができます。本解析では非圧縮性の液体として、体積が900mlになるように質量流量条件で水の体積を調整しました。


(図4)静止流体要素HSFLD242の形状

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