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プラスチック容器の強度評価
静止流体要素を用いた非線形座屈解析

公開日2020年7月
容器包装の設計開発において、搬送・輸送時の耐久性を評価するため、圧縮試験が行われています。圧縮試験では、製品を試作しなければならず、多くの時間とコストがかかります。対して、CAEを利用したコンピュータ上の仮想試験であれば、1ケースあたり数十分程度で結果を出すことが可能です。これにより、試作レスで複数の形状、異なる条件下での評価が可能となり、素早く最適な形状を低コストで導くことができます。 本稿では、Ansysでペットボトルの強度解析を行った事例を紹介します。
目次
- はじめに
- 解析の目的
- 解析モデルと解析条件
- 解析手法
- 解析結果
- 荷重-ストローク
- 変形形状
- 相当応力分布/荷重-ストローク
- まとめ
ペットボトルと流体のモデル化
ペットボトルのモデルを用いて、圧縮試験時の変形形状、および荷重とストロークの関係を求めます。本事例ではペットボトルが空の場合と、水で充填した場合の2パターンの解析を行います。解析モデルは対称形状であることから、1/4モデルを使用しました。ペットボトルに充填された水はAnsysで用意されている静止流体要素(HSFLD242)でモデル化しました。静止流体要素は、構造物に囲まれた流体の圧力や体積、質量を表現することができます。流体の流れの効果は表現できませんが、圧縮性や熱膨張・熱収縮、流体の流入・流出による体積の変化などを考慮することができます。
荷重-ストローク
ペットボトルが空の場合と、水を充填した場合のZ方向反力ーZ方向変位のグラフを示した図です(Z方向:ペットボトル長手方向)。水を充填した場合はしていない場合と比べて、100N程度高い圧縮力まで耐えられるということがわかります。
変形形状(変位分布)
ペットボトルが空の場合には、ボトル中央部で座屈しています。対して、水を充填した場合では、中央部と上部の二ヵ所で座屈しています(赤枠が座屈位置)。
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