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解析事例

電磁界解析

チャンバー内のプラズマの均一性の評価

Ansys Charge Plusを活用した電子の密度分布と境界領域の評価

解析概要

本解析は、GECチャンバー※1内の電子の密度分布とシース※2形成を評価します。チャンバー内のガス環境と電極に印加される電圧波形を設定することで、チャンバー内のプラズマの挙動を再現します。

※1 GEC(Gaseous Electronics Conference)チャンバーとは、プラズマプロセスの研究や開発に使われる標準的なプラズマ反応チャンバー。

※2 シース(sheath)とは、プラズマと固体表面の間に形成される電気的に中性でない電場領域。この領域でイオンが強い電場によって加速される。

こんな方におすすめ

  • 半導体製造装置の設計・評価に携わる方
  • プラズマの均一性やシース挙動を解析したい方
  • 半導体製造プロセス条件の最適化に関心がある方

使用ソフトウェア

Ansys Charge Plus

背景/課題

半導体製造では、プラズマの均一性がPECVDの膜質やエッチングの加工精度に直結します。不均一な分布やシース形成の不備は、膜欠陥や過剰なエッチングの原因になります。しかし、プラズマ密度の空間分布やシースの厚みは実験で正確に把握することが難しく、特に高速変動の計測には高価な装置が必要です。Ansys Charge Plusを用いてGECチャンバー内の挙動を解析することでプラズマの均一性やシース構造を空間的・時間的に定量評価できます。これにより、設計段階での信頼性を高め、試作コストを削減しながら最適な製造プロセス条件を評価することが可能になります。

解析対象および解析手法

解析対象

GECチャンバーを効率的に解析するために、電極とGNDリング、チャンバー真空部を2次元断面で評価します。

図 1 解析対象のモデル

解析条件

チャンバー内で使用するガスの条件と境界条件、電圧条件を設定します。
ガス条件はアルゴンを使用し、イオン(Ar+)や電子(e-)の電子温度と密度、原子(Ar)の密度を設定します。
また、境界条件はGNDリング、チャンバーの壁面を0Vと設定し、電極の電圧条件は振幅100V、周波数13.56MHzを設定します。

図 2 解析設定のイメージ

解析結果

図3は、GECチャンバー内の電子の電荷密度分布です。チャンバーの中央部は均一な密度が形成され、電極や壁面の境界付近は急激に減少しています。これは典型的なシース構造であり、境界の挙動を正しく再現していることがわかります。

図 3 電子の電荷密度分布

図4は解析モデル全体における電子密度の平均値を示しており、約8×10^14 n/m^-3で安定したプラズマ状態が維持されていることがわかります。

図 4 電子密度の時間変化

本解析の効果

本解析により、実験では評価が難しいチャンバー内のプラズマの均一性やシース形成を事前に評価できました。これにより、電極設計やガス条件の最適化に活用でき、試作コスト削減と製造品質の向上に大きく貢献します。

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