解析事例
強化繊維複合材料の3点曲げ試験
一方向に配向された繊維強化複合材料を対象とした、数値材料試験・材料定数同定・マクロ構造解析の一連流れを示す事例です。
解析モデル
複合材料のミクロモデル
複合材料は繊維の体積含有率が50%の図1に示すような幾何学的な情報を持っています。各領域に対して、繊維には炭素繊維を想定した剛な弾性材料特性、マトリクスに粘弾性材料特性を定義しております。

図1:複合材料のミクロモデル
解析結果
単軸方向の応力緩和試験の結果とその同定結果
図2には単軸方向の応力緩和試験から得られた、マクロスケールの緩和弾性率特性です。剛な繊維をz方向(3方向)に配向したことにより、対応するマクロ応答は異方性が顕著に現れている様子が見て取れます。Multiscale.Simに実装されている異方性粘弾性構成則[1,2]でカーブフィットした結果も実線で同図に示しています。

図2:単軸方向の応力緩和試験の結果(離散点)とその同定結果(実線)※
(※実際にはせん断試験の応答も評価します)
複合材料で構成されたマクロ構造解析モデルと解析結果
図3は、上述の解析で得られた異方性粘弾性材料を用いたマクロ構造物の3点曲げ試験を模擬したマクロモデルです。一定の荷重値を100時間保持した時のクリープひずみ応答を評価しています。繊維は長手方向に対して15°および45°に配向したもの、さらに環境温度40℃、60℃の計4ケースについて、解析を行いました。その結果を図4の点で表しています。実線は実物を用いた実験です。
繊維配向角度の違いが解析結果に影響を与えていることから異方性が考慮されていること、さらに実験結果との比較からマルチスケール解析結果の妥当性が確認できます。

図3: 図1の複合材料で構成されたマクロ構造解析モデル

図4: Multiscale.Simのマクロ構造解析結果(離散点)と実試験結果(実線)
CAEのあるものづくり、サイバネットシステム、Vol.6、p.10~12、2009
[2] 機械学会論文集(A編), 第75巻, 第760号, p.1674-1683, 2009
※この事例では、Ansysに加えて以下のライセンスが必要です。
マルチスケール解析ツール Multiscale.Sim®
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