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Multiscale.Sim

Multiscale.Sim®について

製品概要

Multiscale.Simは、東北大学 災害科学国際研究所の寺田賢二郎教授指導のもと、日東紡株式会社、株式会社くいんと、日本大学の協力を得てサイバネットが開発した、Ansys® Workbench™環境のアドインツールです。

マルチスケール解析に必要な解析システム(均質化法によるミクロ構造の数値材料試験、カーブフィットによるマクロ材料物性値同定、局所化(ミクロ構造)解析)を有し、メッシュ生成やソルバーなどの解析エンジンには長年実績のあるAnsysの標準機能を採用しています。

材料物性値の同定に必要な材料試験を実際に行うことなく、解析による仮想的な材料実験(数値材料試験) により代替します。その結果からマクロ構造解析による巨視的な挙動予測を可能にします。また、再度ミクロ構造解析に戻って微視的な挙動予測も可能です。

材料設計の効率を飛躍的に高められるだけでなく、解析を実行して収集した材料データベースを構築できれば、試作レスで人工知能により各製品に最適な材料を探し出す、いわゆるマテリアルズインフォマティクスも実現できます。輸送機器分野に限らず、電気電子分野等の様々な製品で、材料を適切に配置するマルチマテリアル化による性能向上が検討されています。材料設計に解析を組み込むことで、工業製品の軽量化や高寿命化によるサステナブルな活動を支援します。


マルチスケール解析フロー

  1. ミクロモデル作成
    Ansys DesignModelerやSpaceClaimを使って、数値材料試験を行う為のミクロモデルを作成します。
  2. 均質化解析
    Ansysにてメッシュ生成・境界条件を入力後、数値材料試験を行い、弾性率等の等価物性値を算出します。
  3. マクロ構造解析 (※図はプリント基板モデル)
    均質化解析結果から出力された等価物性値を、マクロモデルの材料物性値として適用し、再度マクロモデルの解析&検証を行います。
  4. 局所化解析
    マクロモデル解析結果から局所化したい要素を選択し、その位置の歪を条件とした局所化解析を実行、局部の挙動を検証します。

解析機能

線形版

  • 弾性解析 : 弾性率、ポアソン比、せん断弾性率、線膨張係数、密度
    ※ 弾性率は全方向に微視構造が連続的に連なっていることを仮定した"ソリッド均質化"と、2つの方向にだけそれらの条件を仮定した薄板構造用の"シェル均質化"の2種類が実装されています。
  • 伝熱解析 : 熱伝導率、比熱
  • 浸透解析 : 浸透係数
  • 電流解析 : 電気抵抗率
  • 電場解析 : 比誘電率
  • 磁場解析 : 比透磁率

非線形版

  • 均質化解析(数値材料試験) : 弾塑性、クリープ、超弾性、粘弾性
    ※ 数値材料試験はWorkbench Mechanicalを用いた陰解法とWorkbench LS-DYNAを用いた陽解法による実行環境の両方を提供します。
  • 均質化解析(物性値同定) : 弾塑性、クリープ、超弾性、粘弾性
  • 局所化 : 幾何学的非線形、材料非線形(弾塑性、クリープ、超弾性、粘弾性)

ライセンス/稼働環境

  • Windows10/ Windows11 (64bit)
  • Ansys Workbench環境、Ansys Mechanical APDL(旧Classic)環境
  • Ansys製品の以下のライセンスにて対応
    ※Ansys Academic製品をお使いの場合、利用できる解析の規模は、お持ちの製品で利用可能なメッシュ規模に準じます。

各解析機能と必要なライセンス構成

Mechanical Pro Mechanical Premium Mechanical Enterprize LS-DYNA
弾性係数 ×
熱伝導率 ×
線膨張係数 ×
浸透係数 ×
密度 ×
比熱 ×
誘電率 × × ×
透磁率 × × ×
電気抵抗率 × × ×
数値材料試験(弾塑性) ×
数値材料試験(クリープ) × ×
数値材料試験(超弾性)※1 ×
数値材料試験(応力緩和) × ×
弾塑性均質化解析 × × ×
超弾性均質化解析※1 × × ×
粘弾性均質化解析 × × ×
クリープ均質化解析 × × ×
線形局所化解析 ×
非線形局所化解析※1 × × ×

※1 Mechanical APDL環境にのみ実装

価格

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