光通信ソリューション
設計最適化・高速化・AI
設計最適化・高速化・AIの概要
シミュレーションを駆使した効率的な最適設計を支援するソリューションです。パラメトリックスタディ(複数設計変数の一括スイープ)や感度解析により、光学系設計における重要パラメータを抽出し、製品性能向上につながる指針を提供します。さらに、OptiSLangに代表される最適化ツールや機械学習技術を活用することで、設計空間を自動的に探索し、性能指標を最大化する設計パラメータの組み合わせを短時間で見つけ出すことが可能です。このように人手と経験に頼っていた従来の設計プロセスを、CAEとAIで強力に支援することで、大幅な工数削減と設計品質向上を両立できます。
その他にも、GPUによる計算の高速化など、よりよい解析環境の構築についてもご紹介しています。
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【光導波路】フォトニクス回路の設計最適化事例集 ― 単目的最適化・逆設計・多目的最適化による性能向上
■ 光導波路とは?
光導波路とは、光を特定の方向に導く構造で、通信やフォトニクス集積回路において、光ファイバと同様に光信号を移送する“光の配線”にあたります。本事例で解析しているY分岐導波路は、入力は1か所で出力時に2つの導波路に分岐して光が伝搬するタイプで、クロス導波路は2本以上の光導波路が交差するタイプを指します。

■課題/背景
フォトニクス解析には時間がかかるため、少ない試行回数で精度の高い最適設計を得る手法の確立が求められていました。本事例は、Y分岐導波路およびクロス導波路を対象に、「単目的最適化」「多目的最適化」などの手法を用いて性能向上を図ります。
■解析の効果・結果
- 単目的最適化の手法により、Y分岐導波路の挿入損失を0.39dBから0.10dBに改善しました。
- 多目的最適化を行うことで、Y分岐導波路の全長が2ミクロンから1.76ミクロン、挿入損失が0.39dBから0.08dBと両指標ともに改善させることができました。
【光導波路】FDTD計算負荷を軽減する高度最適化

■課題/背景
フォトニクス分野の設計で用いられるFDTD法では、計算が高負荷になりがちで、従来の最適化手法では膨大な時間が必要でした。本事例では、導波路の挿入損失最小化を目的とした形状最適化において、高精度モデル・低精度モデルを併用する最適化手法・MF-EGOを用いることで、他手法と比べて計算コストが削減できるかを検討しました。
■解析の効果・結果
- 3手法の中で最も挿入損失の小さい形状を導き出すことができました。
- 特に計算負荷の大きいモデルにおいて、MF-EGOは従来法に比べて大幅に計算コストを削減しつつ、高精度な最適解を導出できる可能性を示しました。
【グレーティングカプラ】グレーティングカプラの理論設計・最適化による逆設計手法
■ グレーティングカプラとは?
グレーティングカプラは、光集積回路(PIC)上の導波路と光ファイバ間の効率的な光結合を可能にする素子です。導波路に形成された回折格子により、平行に進む導波光を垂直方向に回折させることで、外部光ファイバと接続できます。特にシリコンフォトニクス等では、高密度で小型な光I/Oを実現するために欠かせない要素技術です。

■課題/背景
グレーティングカプラの設計では、入射光はファイバモードとなるため、モード分布を考慮する必要があります。そのため、アポダイゼーション(回折格子の特性を局所的に変調させ、実効屈折率分布とモード分布を整合させる方法)が用いられますが、この調整には多数の設計パラメータが関わり、複雑になります。
■解析の効果・結果
- 基本的な理論に基づいたグレーティングカプラの設計方法の解説に加え、最適化モジュールlumoptを用いた最適化を通して、より製造性の高いグレーティングカプラ構造を導出できることを証明しました。
【その他】計算時間が2日→1時間に!Ansys Lumerical × GPU による FDTD 計算高速化

■課題/背景
フォトニクス分野における FDTD 解析では、計算時間が長く、夜間に仕込んでも翌朝まで完了しない、スイープ解析で膨大な時間がかかる、納期に間に合わないといった課題が生じていました。特に複雑な構造や広い解析領域を扱う場合、計算時間がボトルネックとなり、設計・検証の効率を下げていました。
■解析の効果・結果
- GPU を活用することで、CPU の数十倍に及ぶ計算速度を実現し、大規模モデルから小規模モデルまで安定して高速化を達成しました。これにより、従来 CPU で 2 日かかっていた計算を 1 時間程度に短縮可能となり、パラメータスイープや最適化を効率的に実施できます。
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