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Ansys Fluent ユーザー様向け自動化/カスタマイズ事例

UDF による Ansys Fluent の機能拡張

Ansys Fluent のカスタマイズで、より広範囲の物理現象をシミュレーション可能に!

こんな方におすすめ

  • Ansys Fluentの標準機能では表現できない物理現象を模擬したい
  • より簡易的な物理モデルを用いて複雑な現象を低コストで計算したい
  • 高度なポスト処理を行って解析結果をよりわかりやすく可視化したい

UDF による Ansys Fluent カスタマイズの概要

Ansys Fluent にはユーザー定義関数(User Defined Function, UDF)というカスタマイズ機能が用意されています。C 言語ベースのプログラミングを行うことで柔軟なカスタマイズが可能です。これにより、標準機能ではできない高度な物理シミュレーションや可視化処理を行うことができます。

Ansys Fluent において UDF を使用するメリット

  • 境界条件、材料物性、独自のユーザー定義スカラーの輸送方程式の計算など幅広い機能カスタマイズが可能
  • Ansys Fluent の高機能な物理ソルバーを利用して計算を実行できるため、一からシミュレーション用のコードを作成する必要がない
  • C/C++ のライブラリなどの外部リソースとも連携可能

Ansys Fluent における UDF の作業のイメージ

1.UDFのコードを作成

VSCodeなどのテキストエディタを用いてソースコードを作成します。
基本的にはC言語のプログラミングを行うことになりますが、UDFに特有のコーディングが必要です。
ここでは簡単な例として、流体中を運動する微小な粒子(砂粒、気泡、液滴など)に働く抗力をカスタマイズするコードを示します。Ansys Fluent の UDF には抗力の大きさを変更できる関数が用意されているため、オリジナルの計算式を組み込むことができます。比較のため、抗力係数をゼロとした場合の式も定義しています。

2.UDF コードのコンパイルとロード

作成した UDF のコードは Ansys Fluent に組み込みで用意されているコンパイラで実行ファイル(動的ライブラリ)に変換できます。
この実行ファイルを Ansys Fluent にロードし、カスタマイズしたい項目の設定に適用することで、オリジナルの物理式を反映したシミュレーションが可能になります。

3.計算実行、ポスト処理

設定が完了したら通常通り計算を実行してポスト処理を行います。下図は空気中で粒子を斜め上に投射したときの軌跡です(重力は下向きに作用)。デフォルトの抗力係数(緑色)の場合と比べて、抗力をカスタマイズして空気抵抗を大きくした場合は飛距離が短く、逆に抗力=空気抵抗をゼロにした場合は飛距離が長くなっています。
このように物理式をカスタマイズすることでデフォルトの設定とは異なる結果が得られることがわかります。
今回ご説明した例はごく単純な例でしたが、以下のようなより高度で複雑な Ansys Fluent のカスタマイズも可能です。
  • 時間と空間に対して複雑に変化する境界条件やソース項を定義
  • 密度や粘度などの材料物性値に任意の温度依存性やせん断速度依存性を設定
  • 電場や磁場などを計算し、流体に電磁的な力が作用する場合の流れ場を計算
  • 気液二相流の界面における物質移動速度に独自の相関式を定義
なお、UDF の作成にはC/C++のプログラミングスキルの他、Ansys Fluent に特有のコーディングスキル、物理現象の数理モデリングに関する知識やノウハウが求められます。そのため、解析初心者のお客様には実施のハードルが高いです。

お見積無料!Ansys Fluent カスタマイズのご相談はお気軽にお問い合わせください。

弊社ではエンジニアリングサービスの一環として UDF の受託開発も請け負っております。もし UDF によるカスタマイズに興味があるが、ご自身ではコーディングが難しいと感じるお客様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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