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製品

Ansys 2025 R1リリース情報

Ansys 2025 R1のハイライト

構造製品

Ansys構造製品 2025 R1アップデート情報

2025 R1では、構造製品(Ansys Mechanical)にいくつかの新機能が追加されました。

ソルバー機能では、高速化と効率化が大幅に向上しました。GPUおよびHPCソルバーの強化により、MAPDLのGPUアクセラレーションを使用した直接ソルバーが、競合他社のソリューションと比較して2~6倍の高速化を実現しています。また、反復ソルバーはCPUのみのバージョンに対して2~3倍の高速化を達成しました。さらに、マルチGPUのサポート、対称および非対称行列向けの強化されたソルバー、そして新たに導入された「混合」方程式ソルバーは、メモリ要件を最大25%削減し、より多くのGPUカードをサポートするようになりました。これにより、シミュレーションの速度と効率が大幅に向上し、より複雑で大規模なモデルを迅速かつ正確に処理できるようになります。

プリポスト機能では、メッシュテクノロジーを中心にさまざまな強化が行われました。ヘキサメッシングには新たに中心軸分解機能が追加されました。複雑な経路に沿ったスイープや軸対称モデルの分解方法として活用されます。これにより、従来のロバスト性に関する問題や制限が解決され、複雑なモデルに対してもヘキサメッシュの生成が容易になりました。また、スイープメッシングでは、トポロジーが共有されるマルチボディに対してソリッドシェル要素を指定する際、厚み方向のスイープ分割数を設定できるようになりました。これにより、厚み方向の結果が重要な場合でも、分割数を明示的に調整することが可能になります。

上記の内容を中心に、Ansys 2025 R1で強化された解析機能をご紹介します。

対象製品:Ansys Mechanical

ソルバー機能の高速化と効率化

メッシュテクノロジーの機能強化

Mechanical以外の構造製品 2025 R1アップデート情報

Ansysの構造製品にはMechanical以外にさまざまな製品があります。そのうち2製品についてアップデート情報をお届けします。

Ansys LS-DYNAには、リチウムイオンバッテリーが衝撃荷重を受けた際に内部ショートが発生し、それによる局所的なジュール熱の発生を表現するバッテリーモデリング機能が追加されました。
Ansys Additiveでは、DED解析において多軸対応の機能が正式に追加され、G-CODEクラスタリングの生成速度も向上しました。また、クラスターごとにレーザー出力や伝熱条件の制御が可能となりました。

対象製品:Ansys LS-DYNA、Ansys Additive

Ansys LS-DYNAのバッテリーモデリング機能

DEDプロセスシミュレーション

モデリング製品・3D設計製品

Ansys Discovery 製品 2025 R1アップデート情報

Ansys Discoveryでモデリング機能とユーザービリティの強化

今回のリリースでは、設計とシミュレーションの作業全体を改善する新しい機能が追加されました。これにより、モデルの準備が効率的になり、シミュレーション結果への信頼性が高まり、設計の見極めが速くなります。

熱管理シミュレーションでは、電子機器の冷却や熱交換器などの複雑なシミュレーションを効率的にモデル化するための機能が強化されています。新機能には、メモリ要件を大幅に緩和し、複雑なジオメトリに対して高精度なメッシュを生成するGPUメッシング、電圧降下・電流密度・ジュール発熱を評価するDC電気伝導、及び熱電シミュレーション、高効率ジャイロイドなどの複雑な熱交換器設計をシミュレーションするファセットボディに対する共役熱伝達(CHT)などがあります。

シミュレーションのための効率的なモデル準備では、スイープメッシュの可否を検出するツール、ユーザー定義のビームの作成、及びローカルライブラリへの保存機能、CFDシミュレーションのメッシュの品質を向上させる自動ファセット機能、大規模モデルの取り扱いに際しパフォーマンスを向上させるライトウェイト機能や新しい Ansys .stride ファイル形式のサポートなどが含まれています。
本動画では、これらの機能強化を含め、様々な強化や改善についてご紹介します。

対象製品:Ansys Discovery

流体解析の標準となったGPUメッシング

流体製品

Ansys Fluentプリポスト機能 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、Ansys Fluentのユーザーインターフェースおよびメッシング機能など、プリポスト関連のアップデートについてご紹介いたします。Ansys 2025 R1では、ユーザーインターフェースの改善、グラフィックパフォーマンスの強化、Webインターフェースの機能強化など、さまざまなアップデートが実施されています。
また、Fluent Meshingにおいても、パフォーマンスの向上、メッシング機能の強化、2DMeshing機能の改善などが行われています。ユーザビリティをさらに向上させるためのアップデートの中から、選りすぐりの機能をご紹介いたします。

対象製品:Ansys Fluent

Fluent Webインターフェースの操作画面

Ansys Fluentソルバー機能 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、Ansys Fluentのソルバー機能のアップデートについてご紹介いたします。
Ansys 2025 R1では、GPUソルバーの機能アップデートやパフォーマンスの改善、DPMやバッテリーなど物理モデルの強化、AeroSpace関連の機能強化など、さまざまなアップデートが実装されています。
これらのアップデートを駆使することで、高度な解析をより効率的に行うことができます。数あるソルバー機能アップデートの中からおすすめの機能をご紹介いたします。

対象製品:Ansys Fluent

混相流(VOF)の解析

その他の流体製品 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、各種流体プロダクト(Ansys Polyflow、CFX、EnSight、Rocky、Chemkin-Pro、Forte)のアップデートについてご紹介いたします。
特にAnsys Polyflowは2025 R1より名称が変更され、Fluent版の旧Material ProcessingがPolyflowという名称に変更されました。従来のPolyflowはPolyflow Classicとして引き続きご利用いただけます。その他にもCFXやRocky、Chemkinなど、流体解析におけるさまざまなニーズに応えるプロダクトもアップデートされています。
これら製品のアップデート内容をピックアップしてご紹介いたします。

対象製品:Ansys Polyflow, AnsysCFX, Ansys Chemkin-Pro, Ansys EnSight ,Ansys Forte ,Ansys Rocky

Ansys Polyflowの解析

エレクトロニクス製品

Ansys HFSSおよびAnsys HFSS 3D Layout 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、Ansys HFSSおよびAnsys HFSS 3D Layoutを対象に、2025 R1における新機能についてご紹介します。

共通の内容としてメッシュ生成に関する機能強化が図られています。具体的には、メッシュフュージョンにおけるメッシュ生成の優先順位の設定や、Ansys HFSS 3D Layoutにおける初期メッシュの Auto設定などにより、複雑な構造の解析を効率的に行うことが可能となっております。

Ansys HFSSでは Multiple Finite Arrays の機能強化により、大規模アレイ構造の解析効率化を図っております。また、Ansys HFSS 3D Layoutでは、解析条件として Q3D Solution Setup が新しく追加され、Ansys Q3D Extractorのソルバーを使用したRLGC解析が可能になりました。

対象製品:Ansys HFSSAnsys HFSS 3D Layout

Multiple Finite Arrays機能

AEDT IcepakおよびAEDT Mechanical 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、熱解析および構造解析を対象に、2025 R1におけるAnsys Electronics Desktop (AEDT)版のAnsys IcepakおよびAnsys Mechanicalの新機能についてご紹介します。

AEDT IcepakではAnsys Workbench内で構造解析と連成が可能になりました。
2024 R1以降のバージョンからAnsys Discovery ModelingとAEDT Icepakの連携ができるようになりましたが、本バージョンアップによってAEDT Icepakで算出した温度の結果を静的構造や時刻歴応答構造と連携し、シームレスな熱応力解析まで実施いただけます。

また、2024 R2で正式リリースされたメッシュを自動で細かく生成する Mesh Fusion 機能が向上し、メッシュ生成の簡易化に貢献します。
次に、AEDT Mechanicalでは、AEDT Icepakと同様、Ansys Workbench内でAEDT Mechanicalの熱解析ソルバーと静的構造や時刻歴応答構造の連携が可能となり、熱応力解析を実施いただけます。
その他にも、2025 R1において各種アップデートされた機能をご紹介いたします。

対象製品:AEDT Icepak, AEDT Mechanical

Ansys Workbench内でAEDT Icepakと静的構造の連成

Ansys Maxwell 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、低周波電磁界解析を対象に、2025 R1におけるAnsys Maxwellの新機能についてご紹介します。

今回のリリースでは、バージョン2024 R2で追加された交流磁場解析でDCの磁場を表示する機能が拡張され、交流磁場解析でDCの設定ができるようになりました。これにより、より簡単にDC磁場と給電から生じるAC磁場を視覚化することが可能です。また、過度磁場解析の機能改善により、計算速度も向上しています。

さらに、ベータ機能となりますが、バージョン2024 R2で追加された3次元交流磁場解析の A-phiソルバーについても機能強化されています。その他にも、2025 R1において各種アップデートされた機能についてもご紹介いたします。

対象製品:Ansys Maxwell

3次元交流磁場解析の新しいソルバーオプション

Ansys Motor-CAD 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、マルチフィジックス解析によるモータ設計支援ツールであるAnsys Motor-CADの新機能についてご紹介します。

今回のリリースでは、ベータ機能となりますが、磁気解析においてアキシャルモータのテンプレートが追加されました。これにより、Ansys Motor-CADでもアキシャルモータの解析が可能となります。また、構造解析のソルバー強化として、NVH解析における接線方向の考慮、アウターロータ永久磁石モータにおいてロータの動きを考慮したスペクトラムを解析可能となりました。

その他、熱解析の流体経路の改善や永久磁石損失の計算、メッシュ機能の改善など、2025 R1において各種アップデートされた機能についてもご紹介いたします。

対象製品:Ansys Motor-CAD

アキシャルモータの解析モデル

Ansys Q3D ExtractorおよびAnsys Circuit 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、Ansys Q3D ExtractorとAnsys Circuitにおける2025 R1の新機能についてご紹介します。

低周波を対象とした電磁界解析ツールであるAnsys Q3D Extractorは、入力条件を指定するEdit Sources機能において、従来のバージョンでは実数のみに対応しておりましたが、本バージョンより振幅と位相を設定できるようになりました。これにより、位相をスイープした電流密度分布などのプロットが可能になりました。また、接触抵抗をモデル化する新しい境界条件や、放射特性を出力する機能が追加されました。

回路解析ツールであるAnsys Circuitにおいては、EMI Receiverコンポーネントの機能強化やSパラメータを使用したTransient解析の高速化などの各種機能強化についてご紹介します。

対象製品:Ansys Q3D Extractor, Ansys Circuit

Ansys Q3D ExtractorのEdit Sourcesに振幅と位相を設定した電流密度分布

Ansys SIwave 2025 R1アップデート情報

本セッションでは、基板を対象とした電磁界解析ツールであるAnsys SIwaveの新機能についてご紹介します。

2025 R1では、バイパスコンデンサの最適化を行うPI Advisor解析の機能が強化され、最適化したバイパスコンデンサのSパラメータモデルを反映した回路図を自動生成できるようになりました。これにより、電源プレーンの特性を考慮した波形の評価にご活用いただけます。
また、SIwaveソルバーの性能向上により大規模モデルにおける解析速度が向上しています。

対象製品:Ansys SIwave

Ansys SIwave のPI Advisor解析結果を反映した回路図

光学・フォトニクス設計/解析製品

Ansys Speos 2025 R1アップデート情報

材料情報としてAxFファイルがインポートできるようになりました。AxFファイルを用いることで、テクスチャイメージや光学特性などの材料情報一つのファイルとして管理することができ、質感を伴う見栄え解析の利便性が増しました。

また、PyAnsysにSpeosに特化したライブラリであるPySpeosが追加されました。PySpeosは2025 R1からGithub上で公開され、これを用いることでSpeosを起動することなく、Python上で直接Speosソルバーを操作することができます。PySpeosのライブラリを利用することで、GUIやCADインターフェースに依存しない、より複雑かつ高度な処理の自動化を行うことが可能になります。
さらに、Live PreviewやOptical Part Designの機能が強化されました。Live Previewでは照度を位置毎に確認できるようになり、カラースケールを設定することが可能になりました。

Optical Part Designではライトガイドのパラメータの自由度が増し、光学レンズ機能ではTIRレンズを組み合わせたレンズを作成することができるようになりました。

対象製品:Ansys Speos

AxFファイルによる材料情報の設定

Ansys Zemax OpticStudio 2025 R1アップデート情報

新機能の追加により、レンズ設計から製造フェーズへの移行の再現性が向上しました。

公差解析機能では、レンズを偏心させる基準点を別途設定することができるMPVTオペランドが追加されました。これにより、光学製品内におけるレンズの偏心を忠実に再現できます。

さらにCADエクスポート機能では、フィルタリングされた光線を出力できるようになりました。機構設計の際にさまざまな光線との干渉を考慮することが可能になります。他にも、CODE Vの.seqデータを.zmxファイルに変換する機能も強化され、Zemax OpticStudioを今まで以上に活用しやすくなりました。

対象製品:Ansys Zemax OpticStudio

メカニカルピボットポイントの追加

Ansys Lumerical 2025 R1アップデート情報

Ansys Lumerical 2025 R1では、GUIの刷新やGPUシミュレーションの強化などの強化が行われました。

Lumerical FDTDでは新しいGUIが導入されました。FDTD、RCWA、STACKといった各ソルバー専用のタブが実装され、モニターの追加・計算リソース(CPU/GPU)の切り替えなどがより直感的に行えるようになりました。
FDTDでは、メタレンズなどの大規模モデル解析時のメッシュ生成時間が約20%短縮され、GPUシミュレーションが、PEC(Perfect Electric Conductor)や分散を持つ材料に対応し、PML境界条件使用時のメモリ消費が約50%減少しました。
さらに、マルチGPUシミュレーションの性能が向上し、GPUの数に応じてほとんどリニアに計算速度がスケールするようになりました。
RCWAソルバーにはLayer Repetition機能が追加され、複数層を1周期として繰り返すことで体積ホログラムのシミュレーションが約5倍の速度で計算可能になりました。
Lumerical Multiphysicsでは、2024 R1で追加された、SPADセンサーのDCR(Dark Count Rate)の解析事例が3Dシミュレーションに対応しました。
Lumerical INTERCONNECTでは、Optical Spectrum Analyzerにスペクトル計算用の関数が追加され、非周期信号のスペクトル解析の精度が向上しました。

対象製品:Ansys Lumerical 

Lumerical FDTDの新GUI

マルチGPUのパフォーマンス

材料選定・材料データベース製品

Ansys Granta製品群 2025 R1アップデート情報

2025 R1では、Granta MIを利用するユーザーに向けて、CAD、CAE、PLMプラットフォーム間で一貫性のある操作性を提供するために、多岐にわたる新機能と改善を導入しました。

また、統合インターフェースが改善され、CAD、CAE、PLMの各ツールで統一された利用環境を利用できます。お気に入りリストの管理機能が強化され、個人用リストの作成や編集、BOMなどへの直接割り当ても可能になりました。検索機能も改良され、検索候補の表示やフィルター調整がより簡単になり、必要な情報を効率よく取得できるようになっています。

さらに、操作性向上のための新機能が追加されています。MI Exploreでは検索条件を保存・グループ化できるようになり、情報の検索が正確かつ迅速に行えるようになりました。また、データベース間リンクを含むレコードデータのインポートおよびエクスポートも新たにサポートされています。

今回のリリースでは、ポリマーや接着剤、電磁気材料、およびリサイクル・製造プロセスに関する環境影響データが追加されました。これにより、Ansys Grantaのデータライブラリはさらに充実し、他のアプリケーションへのデータ転送も容易になりました。

対象製品:Ansys Granta MI Enterprise, Ansys Granta MI Pro, Ansys Granta Selector, Ansys Granta MDS

いつでもどこでも手軽にマテリアルデータを活用

MBD/MBSE/デジタルツイン

Digital Twin関連  2025 R1アップデート情報

2025 R1のリリースでは、Ansys Twin Builderと昨年に新製品として加わったAnsys TwinAIの両製品に対してバージョンアップが行われております。

TwinAIでは、SysMLへの対応やPyAEDT・PyTwinを含むPythonへの機能拡充、Helpドキュメントの整理などを通じ、ユーザビリティが向上。Digital Twinに向けてMBD/MBSEから物理モデリングまでの検証が可能な製品としてパワーアップしております。Twin BuilderにおいてはCo-Simulation環境の強化やSPICEモデルへの拡張対応、ソルバーの改善などが行われております。SMLやVHDL-AMS、Modelicaといったモデリング言語へのアップデートも行われているため、モデリング機能を拡張したより高精度なシミュレーションが可能な1D CAEツールとなりました。

TwinAI、Twin Builderともに各種ROMに関するアップデートが入り、ROMを活用したシミュレーションの幅がより広がった製品となりました。

対象製品:Ansys Twin Builder, Ansys TwinAI 

Ansys Twin Builder

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