リリース情報
PlanetsⅩ 8.0 リリース情報
2018年9月26日、PlanetsX 8.0がリリースされました。
Ansys対応バージョン
PlanetsⅩ ver. 8.0(射出成形用)はAnsys Workbench 19.0対応版です。
PlanetsX 8.0 主なバージョンアップ内容
新機能
1.【V-P切替機能】
成形条件に対し、射出成型機側で設定するV(射出速度)とP(保圧)切替の条件で設定できるようになりました。これにより一般的な成形条件表と同様の設定にて操作が可能です。下図は注入ゲート設定(射出・保圧)において、射出制御をV-P切替とした場合の設定画面の具体例です。本機能の詳細は「4.充填保圧冷却解析マニュアル」p.21~p.23をご参照下さい。

V-P切替の詳細ビュー
2.【そり解析の刷新】
そり解析の機能が刷新されました。今までは流動解析とそり解析が同一メッシュであるか、異メッシュであるかによって操作手順が大きく異なりましたが、ver.8.0のそり解析システムでは操作が統一されました(以下の詳細ビューを参照)。従来異メッシュ間のデータ転送の場合「Transferload」を使用していましたが、以下のようにインポートタイプを「座標から転写」に設定する方法への変更によって操作手順が簡略化されました。ただしデータ転送の際使用されるマッピングアルゴリズムが変更されるため、転写による結果が多少変わりますので注意が必要です。本機能の詳細は同フォルダーにある「新そりチュートリアル_ver2018」>「新そり解析システム.pdf」をご確認下さい。または「5.充填保圧冷却解析マニュアル」p.24~p.64をご参照下さい。

そり解析設定の詳細ビュー
3.【硬化反応率マッピング機能】
熱硬化反応解析によって得られた最終状態の硬化反応率の結果を、その後に繋いだ別のPlanetsX解析システムの初期条件としてマッピングすることができるようになりました(以下に同機能の設定例)。
これにより、例えば複数の熱硬化性樹脂のパーツを独立に成形後、それらのパーツをアセンブリした後に再度硬化させるような成形工程にも対応できるようになりました。
ただし、本機能は熱硬化反応解析オプションが必要です。本機能の詳細は「4.充填保圧冷却解析マニュアル」p.43~p.47をご参照下さい。

硬化反応率マッピング機能の設定画面
4.【成形途中のそり解析用ファイル出力】
成形中の複数の任意時刻においてPlanetsXの熱流動計算を終了させることなく、そり解析に必要なファイルを出力できるようになりました。
長時間成形の場合には適宜途中結果を出力し静的構造解析システムに繋いでそり解析結果を見たい場合があります。しかしこれまではそり検討したい時刻で一旦熱流動計算を終了させなければなりませんでした。
今回の機能では、PlanetsXの計算を止めることなく、複数の指定した時刻に到達するとその時点毎にそり解析に必要なファイルが出力されるため計算時間の高効率化を図ることができます。
本機能の詳細は「5.そり解析マニュアル」p.69~p.71及び「20.PlanetsX追加機能マニュアル」p.41~p.42をご参照下さい。
5.【タイムステップ変更機能改善】
既存のオプション機能の一つにタイムステップ強制変更機能があります。
この機能はここで指定したタイムステップ値に従って計算を実行しますが、一方で計算ソルバーが計算安定性を保証する自動タイムステップ機能を使用することができませんでした。
今回の改善点は、強制タイムステップ機能と自動タイムステップ機能を併用することが可能になった点です。
同機能により精度が要求される時間領域(低粘度、表面張力、充填、温度連成、etc)では自動タイムステップ機能を利用し、一方で安定的に解ける領域では強制タイムステップ機能を利用するといった、精度と計算コストの両面に対しより柔軟に対応できるようになりました。
本機能の詳細は「20.PlanetsX追加機能マニュアル」p.18をご参照下さい。
仕様変更
[基幹機能]- エンジニアリングデータに記載されるPVTデータの有無を判定し、解析設定の“圧縮”/“非圧縮”スイッチが自動的に切り替わるようになりました。
注入ゲートや初期配置設定を定義した際にポップアップウィンドウにてユーザーにお知らせします。同機能は“注入ゲート設定”もしくは“樹脂の初期配置設定”の詳細ビューにおいて“樹脂”項目で登録樹脂名を変更する際にも判定されます。
例えば最初に熱硬化性樹脂などを用い、敢えて非圧縮にして検討されている場合でも樹脂を変更した場合には圧縮性に戻る可能性があります。

圧縮/非圧縮の変更を通知するウィンドウ
不具合の修正
[基幹機能]- テーブルデータの単位をWorkbenchの単位に準じるように修正しました(ただしPlanetsX独自仕様の単位を除く)。
- 解析システムのテーブルデータへの数値入力の際発生する不具合(テーブルデータ入力時にコピー&ペーストをするとフリーズする問題)を修正しました。
β機能のリリース
[基幹機能]- 計算途中の結果情報ウィンドウに、充填完了時に加え、保圧切替時および冷却開始時にメッセージを表示させるようにしました。
保圧切替時のメッセージ
冷却切替時のメッセージ - 一部のチュートリアルにマルチボディ化されたデータを用意しました(*.pmdbファイル)。通常チュートリアルではDesignModelerやSpaceClaimを所有していることを前提に、CADデータを編集しマルチボディ化する操作も操作手順の一つとしています。しかしそうしたCADソフトを持っておられないユーザーに対してもチュートリアルが操作できるようにマルチボディ化されたデータを用意しました。適用方法は他のジオメトリファイルと全く同様で、下記の操作を行います。
- プロジェクト概念図に解析システムを登録
- 解析システムの「ジオメトリ」上で右クリック>「ジオメトリのインポート」>「参照」から拡張子が“*.pmdb”のデータを選択
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