リリース情報
PlanetsⅩ 2025R2 リリース情報
PlanetsⅩ 2025R2 リリース情報の概要
2026年2月、PlanetsⅩ ver.2025R2がリリースされました。
Ansys対応バージョン
PlanetsX 2025R2 主なバージョンアップ機能
新規機能
1. ワイヤースイープ解析における荷重の経時変化対応
ワイヤーに作用する荷重は、充填解析によって得られる流速と粘度をもとに算出されています。従来のワイヤースイープ解析では、ワイヤーの各節点に対して、充填開始から終了までの間における荷重の最大値をマッピングしていました。本バージョンでは、ワイヤーの各節点に作用する荷重を時刻ごとに算出し、ワイヤーの変形に追従して荷重を再度マッピングする機能を実装しました。
※本機能を使用するには、Ansys Mechanical Premium以上のライセンスが必要です。

2. 繊維配向による生じる異方性熱伝導率のマッピング機能
2024R2において繊維配向により生じる異方性熱伝導率の計算機能を実装しましたが、伝熱解析へのマッピング機能が未実装でした。本バージョンでは、「定常伝熱」のシステムに対して異方性熱伝導率のマッピング機能を実装しました。異方性熱伝導率を計算する場合には、エンジニアリングデータにおいて樹脂と繊維の熱伝導率をそれぞれ定義する必要があります。

3. 重力を時刻ごとに計算する機能
充填解析中に重力を時刻ごとに計算する機能を追加しました。詳細画面にて時刻vs傾斜角のテーブルを設定します。傾斜角に応じたX,Y,Z方向の重力を時刻ごとに計算します。

4. 重力の大きさを座標位置ごとに調整する機能(2024R2rev1~)
重力の大きさを座標位置(一つの方向限定)ごとに調整する機能を追加しました。こちらはオプション 「fpac.add」にて設定する機能です。
5. メルトフロント進行を調整する機能(specialCell)のスイッチ(2024R2rev1~)
メルトフロント進行を調整する機能(specialCell)を無効にするスイッチを実装しました。封止成形な どの解析において、この機能によって本来残るべき樹脂が消える現象を生じることがあります。その場合に本機能をOFFにすると改善されることがあります。こちらはオプション「fpac.add」にて設定する機能です。
新規サービス
1. Excel連携によるPlanetsXの解析自動化
Excelシート上で解析条件を入力後、自動でPlanetsXを起動し、解析を実施します。解析条件入力、解析実行、結果確認などの一連の作業が、Ansysを起動することなくExcelシート上で完結します。
これにより、解析作業の工数の削減や操作ミスの回避に貢献します。また、弊社が販売しているサロゲートAI構築ツールであるNeural Concept Studio(NCS)用の学習データを自動生成する機能を搭載しています。

機能向上
1. Multiscale.Sim-PlanetsX連携解析における使用可能なクリープ則の拡張
これまで、Multiscale.Sim-PlanetsX連携解析において使用できるクリープ則は時間硬化則のみでした。本バージョンより、ひずみ硬化則、指数関数則、Norton則も使用できるように拡張しました。

2. 平均場法オブジェクトの改良
2024R2までは、平均場法オブジェクトはツールバーの「PlanetsX連携」から追加していました。本バージョンでは、平均場法オブジェクトを「PlanetsX連携」から独立させ、新たに「平均場法」メニューを作成しました。さらに、平均場法の設定とそり解析の設定を同時に行うことができるオブジェクトを追加しました。

3. 熱硬化反応解析の結果項目追加
熱硬化反応解析の結果に「ヒケ(ゲル化点基準)」を追加しました。

4. 流動解析の結果項目追加
流動解析の結果に「せん断応力積算値」を追加しました。各要素のせん断応力を、時間方向に積算した値を出力します。

5. ワイヤースイープ解析におけるビーム要素への対応(2024R2rev1~)
ワイヤースイープ解析において、ワイヤーをビーム要素でモデル化できるように改良しました。
6. 熱硬化解析の計算方法スイッチ(2024R2rev1~)
オプション「fpac.add」の設定が必要であった、熱硬化解析の計算方法スイッチを Mechanical で 設定できるようにしました。
7. 結晶化発熱(潜熱)のスイッチ(2024R2rev1~)
オプション「fpac.add」の設定が必要であった、結晶化発熱(潜熱)のスイッチを Mechanical で設 定できるようにしました。
β機能
1. 樹脂流動解析のGPU並列計算
樹脂流動解析において、マトリクスの作成とマトリクスソルバーの実行時に、GPUによる並列計算に対応しました。下図はCPU1コアに対するGPU並列計算時の高速化倍率を示しています。節点数が約300万個の場合、15倍程度の高速化が実現できています。

不具合の修正
Ver.2024R2から2025R2の間に修正された不具合を記載しています。ここには2024R2のバグフィックス版 (2024R2 rev1) にて修正された内容も含まれています。
- エアベントをGUI画面に表示する際に、設定した厚み・長さよりも大きく表示される不具合を修正しました。
- Workbench のメニュー [License Information] が一度で表示されない(二度開く必要がある) ことがある問題を修正しました。(2024R2rev1~)
- Multiscale.Sim 連携で用いる [材料特性(要素)]>[クリープ定数] において、詳細ビューの [View Setting]>[Direction] が選べない不具合を修正しました。(2024R2rev1~ )
- 多段保圧設定では 1 段目の時刻を 0 [s] より大きくすると、充填完了時の注入圧力を保圧開始時点の保持圧力と見なして、保圧が進みます。その際、最後の段の保圧条件が認識されない不具合がありましたので、修正しました。(2024R2rev1~)
- 注型成形(解析開始時に樹脂を全領域に初期配置する場合)において、計算スピードを「1」以外にすると時間ステップ制御が正しく動作しない不具合を修正しました。(2024R2rev1~)
- スーパーインポーズ法におけるメルトフロントの初期温度の設定に不具合がありましたので、修正しました。(2024R2rev1~)
既知の不具合
1. テーブルデータの不具合
- 症状: 値を設定したテーブルデータ(多段射出、結果の出力時間間隔など)を閉じて再度開くと、テーブルの値が元の値と異なっている場合があります。これはMechanicalを立ち上げなおすと発生することがあります。
- 回避方法: 値が異なっている場合は[適用]ボタンを押さず、[キャンセル]ボタンでテーブルを閉じてください。その後テーブルを開くと正しい値に戻っています。
2. 光学性能(AURORA)解析実行中のMechanicalの挙動
- 症状: 光学性能 (AURORA) の解析を実行中、Mechanicalの画面を操作・確認できません。
- 回避方法: Ansys Workbench(ACT)の仕様のため、回避できません。
3. 安全率結果の平均化処理
- 症状: 安全率の機能において、Ansysの応力ツールの安全率と比べると、平均化結果に違いが見られることがあります。特に「最大引張り応力理論」において顕著で倍以上になることがあり、その他の理論では1~2割程度の差が表れます。
- 回避方法: 非平均化結果に違いは見られませんので、そちらで評価してください。
4. マッピング時に参照するデータファイルの保存場所
- 症状: 温度連成機能を利用したそり解析などでは、構造体の温度分布をそり解析に反映させるため、温度分布データをテキストファイルに保存して[参照温度]でマッピングさせます。このように、[参照温度]などのオブジェクトから参照するためのファイルを保存する際、保存先をプロジェクトファイル (*.wbpj) の場所と異なるドライブに保存すると、マッピング時にエラーが発生します。
- 回避方法: テキストファイルの保存先を、当該プロジェクトの「user_files」フォルダ内にしてください。「user_files」フォルダ内にサブフォルダを作成しても問題ありません。
5. 光学性能 (AURORA) 解析後のMechanical画面の不具合
- 症状: 光学性能 (AURORA) の解析終了後、結果のコンター図が表示されません。
- 回避方法: 一度Mechanicalを終了し、立ち上げ直してください。

