PlanetsX 10.2 リリース情報

2021年5月、PlanetsX 10.2がリリースされました。

Ansys対応バージョン

PlanetsX ver. 10.2(射出成形用)はANSYS Workbench 2020R2対応版です。

PlanetsX 10.2 主なバージョンアップ内容

新規機能

1.Multiscale.Sim-Planets]連携解析機能 正式版

β版としてリリースしていたMultiscale.Sim連携機能ですが、新たにGUIを実装し、弾塑性解析、クリープ解析、粘弾性解析に対応した正式版としてリリースいたします。本機能では、Multiscale.Simの均質化解析で予測した非線形機械特性と、Planets]の樹脂流動解析・繊維配向解析で予測した繊維配向情報を用いて、繊維含有樹脂製品の非線形構造解析を実施する機能です。


本機能を使用するには以下のライセンスが必要になります。

  • ANSYS Mechanical Enterprise
  • ANSYS DesignModeler
  • Multiscale.Sim 2020R2 非線形版
  • Planets] 10.2 (オプションプログラム「繊維配向解析」が必要)

本機能の詳細はヘルプドキュメントより『28.Multiscale.Sim-Planets]連携解析 操作マニュアル』をご参照ください。

機能向上

1.表面張力計算機能の性能向上

表面張力の計算では樹脂界面に局所的に大きな力が作用するため、計算に時間がかかる、不安定になりやすい、といった問題を生じることがありました。その問題を回避するため、前バージョンまでは表面張力の作用を調整するパラメータを用いていました。本バージョンでは表面張力計算を見直し、計算精度・安定性の向上、計算時間の低減を実現しました。

下図はLucas-Washburnの理論式による樹脂の進行距離と時間の関係を、解析結果と比較した例です。接触角θや板厚rの影響を考慮したうえで理論解と一致しています。この結果から、表面張力の計算機能の妥当性が確認できます。


理論式と解析結果の比較 (実線: 理論式、点: 解析結果)

次に、前バージョンと本バージョンの解析時間を、2つのモデルで比較しています。モデルの規模や解析の内容等によって程度は異なりますが、どちらも計算時間が大幅に低減していることが確認できます。

解析モデル

解析時間

成形条件概要

要素数/節点数

ver.10.1

ver.10.2

Model 1

充填

29万/28万

11日

1.7日

Model 2

プレス

9万/8万

1.7時間

0.6時間

今回の改良に伴い、表面張力の調整パラメータ (fpac.addのID: 113760) のデフォルト値を変更しています。前バージョンと比較して結果が異なっているなど解析結果に不明な点がありましたら、このパラメータをご確認ください。詳細はヘルプドキュメントより『20.Planets]追加機能マニュアル』をご参照ください。

仕様変更

1.例題用のエンジニアリングデータ

Planets]の例題で使用されているエンジニアリングデータを個別のエンジニアリングデータソース「PlanetsX Tutorial Materials」として登録しました。

2.テーブルデータの初期値の追加

以下のテーブルデータに関しては、初期の値がありませんでした。

  • 結果の出力間隔
  • 金型表面温度
  • 多段射出
  • 圧縮/プレス解析の型移動制御

本バージョンよりこれらのテーブルデータに初期値が追加されています。これは下記の既知の不具合1を回避するための処置となります。注意事項としましては、テーブルデータを設定 (初期値から変更) しなくても解析が実行されます。当然ながら初期値は実際の条件と異なりますので、意図されない解析が実施されることになります。

3.バルブゲートの設定項目の表記変更

バルブゲートの設定画面において、選択項目を「開」、「閉」から「Open」、「Close」に変更しました。設定内容や操作手順に変更はありません。

不具合の修正

  1. メッシュを生成したボディを抑制し、解析を実行するとエラーが発生する問題を修正しました。
  2. ホットランナーのツリーアイコンに緑のチェックなどが表示されない不具合を修正しました。
  3. 保圧冷却解析時、条件によっては時間刻みが極端に小さくなることがありました。これにより、計算がほぼ進まなくなる、エラーが発生する、といった問題が生じていましたが、これに対応しました。
  4. 光学性能評価解析 (AURORA) において、ライセンスエラーなどのエラーメッセージが確認しにくい問題に対応しました。
  5. 解析結果をANSYS EnSightで可視化する際の読み込み不具合を修正しました。
  6. マニュアル・チュートリアルの誤記を修正しました。

既知の不具合

1.テーブルデータの不具合

症状: 値を設定したテーブルデータ (多段射出、結果の出力時間間隔など) を閉じて再度開くと、テーブルの値が元の値と異なっている場合があります。これはMechanicalを立ち上げなおすと発生することがあります。
回避方法: 値が異なっている場合は[適用]ボタンを押さず、[キャンセル]ボタンでテーブルを閉じてください。その後テーブルを開くと正しい値に戻っています。

2.光学性能 (AURORA) 解析実行中のMechanicalの挙動

症状: 光学性能 (AURORA) の解析を実行中、Mechanicalの画面を操作・確認できません。
回避方法: ANSYS Workbench (ACT) の仕様のため、回避できません。

3.ACP(Pre)の不具合

症状: ACP(Pre)で、Rosseteが日本語で「全体座標系」と表示され、これを選択するとエラーが生じます。
回避方法: Mechanical画面のツリーアウトライン中の座標系の名前がACP(Pre)に表示されますので、座標系の名前をデフォルトの全角「全体座標系」から半角英数字の名前に変更してください。

β機能

平均場法を用いた複合材料の構造解析機能

平均場法は、樹脂に含まれる繊維の含有率・アスペクト比・配向方向といった情報から複合材料としての機械特性を解析的に予測し、機械特性の異方性を考慮した構造解析を実施する手法です。本手法は均質化法とは異なり個々の繊維の位置関係等を考慮しないため、複合材料のミクロモデルを構築する必要がありません。そのため、比較的低い計算負荷で解析を実施することが可能です。従来のPlanets]では複合則やHalpin-Tsaiの式などを用いて予測される線形物性のみに対応しておりました。本β機能では、等価介在物法に基づいて弾塑性特性を予測し、非線形構造解析を実施する機能をご提供します。
本機能の詳細はヘルプドキュメントより『29.平均場法プログラム 操作ガイド』をご参照ください。


等価介在物法のイメージ
マトリクス(樹脂)と繊維の複合材

複合材の応力-ひずみ関係の解析結果例
(繊維含有率10%、アスペクト比20)

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