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リリース情報

PlanetsX 10.1 リリース情報

2020年12月、PlanetsX 10.1がリリースされました。

Ansys対応バージョン

PlanetsX ver. 10.1(射出成形用)はANSYS Workbench 2020R1対応版です。

PlanetsX 10.1 主なバージョンアップ内容

新規機能

1.光造形Additive Manufacturing解析機能 正式版

β版としてリリースしていたAdditive Manufacturingの解析機能に対し新たにGUIを実装し、正式版としてリリースいたします。本機能は紫外線照射により硬化する樹脂を用いたUV硬化性樹脂を用いた光造形プロセスを解析する機能です。本バージョンでは熱硬化反応解析の機能を応用することで、UV照射による硬化反応を解析しています。そのため、熱硬化反応解析のオプションライセンスが必須となります。
本解析機能により、光造形プロセスにおける硬化反応並びに温度変化を解析することで、造形後の硬化の状態や硬化収縮、熱収縮に伴うそり変形を評価することが可能となります。


各層のツールパス(左から右へ積層)


造形プロセス


そり変形

本機能については、マニュアル「27.樹脂Additive Manufacturing解析操作マニュアル」をご参照ください。

2.新規マトリクスソルバーの実装

PlanetsⅩの基幹プログラムである樹脂流動解析のマトリクスソルバーを新たに実装いたしました。従来のマトリクスソルバーは並列化に対応しておらず、高機能のマルチコア、マルチスレッド化されたPCの性能を十分に発揮できていませんでした。今回の改良に伴いマトリクスソルバーにも並列化を実装し、より高速に計算を実行することが可能となりました。
下図では計算時間および計算時間比(旧ソルバーのコア数1の場合の計算速度との比)を比較しています。図のとおり、旧ソルバーに比べて2倍程度の高速化が実現できています。

前バージョンではデフォルトでコア数を8と設定していました(環境変数あるいはオプションにて変更可能)。本バージョンではデフォルトで、PCに搭載されている物理コア数を取得して設定するように変更しました。前バージョン同様、環境変数あるいはオプションにて変更可能です。

仕様変更

1.ヘルプシステムの構成変更

Windows 10のスタートメニューではヘルプのドキュメントやチュートリアルのフォルダが階層で表示されないため、前バージョンでは参照しにくい構成となっていました。全バージョンにおいてスタートメニューにフォルダへのリンクを登録するように変更しましたが、ファイル名、フォルダ名が分かりにくい状態になっていました。本バージョンではHTML形式のヘルプ(各マニュアルへのリンク)を登録するように変更いたしました。


Windows 10のスタートメニュー

「PlanetsⅩヘルプドキュメント」を選択するとWebブラウザが起動し、マニュアル、チュートリアルへのリンクが表示されます。なお、チュートリアルデータが保存されたフォルダへは移動できない(Webブラウザの仕様)ため、PDFファイルへのリンクになっています。データフォルダへは従来どおりスタートのリンク「PlanetsⅩチュートリアル」を使用してください。

不具合の修正

  1. 注入ゲートの設定においてV-P切替制御を使用している際、射出速度の値を変更しても射出時間、総注入量が変更されない不具合を修正しました。
  2. 繊維配向解析において、結果の繊維配向テンソル(A11, A22, A33)が条件によって妥当な値となっていない不具合を修正しました。
  3. ANSYS Workbench 2019R2ではユーザー定義のベクトル結果(PlanetsⅩの流速ベクトル、繊維配向率)を表示させると一部設定(一様表示など)が使用できない不具合がありました。本バージョン(Workbench 2020R1)では修正されています。
  4. 前バージョンのACP(Pre)では、材料に等方性瞬間線膨張係数や直交異方性線膨張係数が定義されていると、Mechanical画面でジオメトリの材料選択のプルダウンメニューから材料が表示できない不具合がありました。本バージョンでは修正されています。
  5. 指定時刻を起点とした収縮を結果出力させるオプションを使用している場合に、正しい結果出力がされていない不具合を修正しました。
  6. マニュアルの誤記を修正しました。

既知の不具合

1.ACP(Pre)の不具合

症状: ACP(Pre)で、Rosseteが日本語で「全体座標系」と表示され、これを選択するとエラーが生じます。
回避方法: Mechanical画面のツリーアウトライン中の座標系の名前がACP(Pre)に表示されますので、座標系の名前をデフォルトの全角「全体座標系」から半角英数字の名前に変更してください。

以上、操作方法など詳細については技術サポートまでご連絡下さい。

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