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熱流体解析

伝熱解析ユーザーのための流体解析入門

〜熱設計の精度向上と効率化を実現〜

はじめに・目次

本資料では、伝熱解析と熱流体解析の違い及び使い分け方法を解説します。

  • 熱流体解析が必要になる「場面」
  • 熱流体解析を行う上での「基礎知識」


目次

伝熱解析と熱流体解析の対応分野について

伝熱解析で出来ること / 出来ないこと

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

25℃空気中に0.1[m]四方の加熱板(50℃)を垂直に置いた場合の熱伝達係数の予測

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

  • 推算式からは6.06[W/(m2K)]
  • 熱流体解析からの平均熱伝達係数 : 6.23[W/(m2K)]
    ・2.7%ほどのずれ
  • 精度は良い
    ・分布には注意

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

複雑なモデルの場合

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

温度分布図

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

速度ベクトル図

推算式と熱流体解析による熱伝達係数

圧力分布図
単純形状は推算式が成り立つが、複雑形状では成り立たない場合がある

熱流体解析が意味を持つ解析

  • 熱伝導と合わせて熱伝達の効果を確認するとき
  • 対流による熱移動を考慮するとき
  • (流体における)局所的な温度分布

熱流体解析のアプリケーション例として

  • 電子機器の内部の流れ場/温度場
    ・ヒートシンクの効果を見るには、流れ場情報も
    ・電子部品同士の熱授受への対流効果の影響
  • 配管内部の流れ場
    ・曲げ部における渦による効果

熱流体解析で必要になる知識

  1. 熱流体解析の予備知識
  2. 物性値
  3. 解析モデル
    ・解析領域​
    ・メッシュ生成​
    ・乱流モデル​
  4. 境界条件
    ・空間上に境界条件を設定
  5. 解析コスト

1.予備知識

流体を考慮するため、新たに物性値情報が必要​

  • 物性値の取得

流れ場の影響は、流れ場の領域サイズで挙動は変わる

  • 領域の依存性

流れ場は場所ごと、特に固体/流体境界部で速度勾配が大きくどこが物理量の差が大きくなるか、予測が難しい

  • 流体領域全体でメッシュを細かく
  • レイヤーメッシュの必要性

境界条件

  • 熱流体解析の境界条件が加わる

2.物性値

3.解析モデル

流れには層流と乱流の状態が混ざり合っており、乱流の場合は大小の渦が複雑に関連して存在する。
  • 全ての渦構造を解像するには、膨大なメッシュ数が必要​
    ・モデルの導入 ⇒ 乱流モデル​
      ■代表的な乱流モデル : SST、k-ε etc.​
流れには層流と乱流の状態が混ざり合っており、乱流の場合は大小の渦が複雑に関連して存在する。
  • 乱流の場合は乱流モデルを導入。層流の場合は導入せず。​
  • 乱流/層流の判定は”レイノルズ数”を用いる。​
  • 配管内部流れは、Re>2300で乱流​
  • 一様流れ中の平板表面ではRe>500000で乱流​

4.境界条件

  • 伝熱解析では固体の壁面に境界条件を設定​
  • 熱流体解析は流体の面、及び固体壁面の境界条件を設定​

発熱源である板を待機上に配置した場合(自然対流解析)​

発熱するパイプ内に流体を流す場合(強制対流解析)​

5.解析コスト

熱流体解析で必要になる知識 - まとめ

物性値

  • 熱流体解析では、粘性係数、熱膨脹率*、輻射に関連する値*が必要​ (*行う解析次第で必要になる)

解析モデル

  • 熱流体解析は流体部分の形状が必要であり、さらに…
    ・領域の大きさも重要
    ・メッシュは全体的に細かく/レイヤーメッシュの生成
  • 乱流モデル
    ・層流/乱流をレイノルズ数で切り分け、乱流なら”乱流モデル”

境界条件

  • 伝熱条件+熱流体解析の条件を追加

解析コスト

  • “伝熱計算 < 熱流体解析”の関係

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