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有限要素法(ゆうげんようそほう)
英訳:Finite Element Method (FEM)
有限要素法(Finite Element Method、FEM)は構造力学における数値解析の代表的手法です。「偏微分方程式の近似解を数値的に解く方法」といった説明をよくされます。簡単に言えば、構造物や物体を小さな要素(Elements)、すなわち「有限要素」に分割して連立方程式を用いて計算し、近似解を求めて、構造物にかかる荷重により発生する変位や応力の値や分布を導きます。要素の分割は、人のように視覚がないコンピュータに物体の形状を詳しく教えてあげるための処理であると考えればよいでしょう。
有限要素法は1950年代からある手法で、航空機の開発現場で使われ始めました。特に構造解析ソフトウェアの計算手法としてよく採用されています。Ansysの構造解析ソルバーでも有限要素法のプログラムが使われています。
有限要素は、節点という点を線で結ぶことで成り立ちます。節点や線で形成する網目の1つ1つを「有限要素」と呼びます。また、網目状であることから、要素を「メッシュ」と呼ぶことがよくあります。有限要素には、梁要素(ビーム、もしくはバー)、板要素(シェル)、立体要素(ソリッド)の3種類があります。複雑な形状が多い製品設計開発で多用されるのは、ソリッド要素です。
有限要素法は複雑な形状やさまざまな材質(金属、プラスチック等)・材料特性(弾性、弾塑性、クリープ等)でも解析可能であるため、多くの工学解析に応用されています。
有限要素法では、以下のような手順で解析を行います。
- 解析対象物(無限なものも含む)を単純な形状をした要素に分割する(離散化)。
- 要素の未知量(変位量や温度等)を簡単な関数で仮定し、節点値を用いて要素を定式化する。
- 各要素の方程式を組み合わせることにより、全体の方程式を得る。
元の厳密な支配方程式を近似方程式(連立方程式)に置き換え、この近似方程式を厳密に解くことで解を得ます。
Ansysにおける取扱い
- Ansys Mechanicalは有限要素法を使用しています。
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