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トポロジー最適化(とぽろじーさいてきか)
英訳:topology optimization
トポロジー最適化(位相最適化)とは、構造物の位相を設計変数として、重量などの目標を定めた上、制約条件に基づいて最適解を求める解析のことです。指定した3D形状に対して、荷重や拘束条件などを付加して、なおかつ最適化する領域/しない領域を分けた上、その力に耐え得る強度を備え、最低限の材料で成り立つ形状を自動で導き出す構造最適化のプログラムやソフトウェアのことを示します。
トポロジー最適化は、強度を損なわないように部品を極力軽量化したい場合などに有効です。トポロジー最適化ソフトウェアは、先入観などなしに指定された条件を満たす形状を導き出します。その結果には、人では到底思い付かないような斬新な形状が出てくるほか、機械加工が難しい形状も多くなります。また、ソリッドデータが主流である3D CADでは直接扱いづらいポリゴンデータで形状生成されます。よって機械が自動設計するツールというよりは、設計支援ツールといった位置づけです。
寸法最適化と形状最適化
なお、同じ構造最適化手法でも、「寸法最適化」は、さまざまな設計パラメータ(変数)を振ることで最適な寸法値(数値)を導き出します。「形状最適化」は変数が形状の境界(面)となります。最適な形状を導くとはいえ、面の位置が変わる程度です。トポロジー最適化ほどダイナミックに形が変わることはありません。
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